投稿元:
レビューを見る
動物一般の行動について、「なぜ」そんなことをするのだろう、と言うことを考える時に4つの異なる考え方がある。
1973年にノーベル医学生理学賞を受賞したニコ・ティンバーゲンが提唱した。
1. その行動が起こる仕組みはなんなのだろうか(至近要因)
2. その行動にはどんな機能があるのだろうか(究極要因)
3. その行動は個体の一生のうちにどのように発達してくるのだろうか(発達要因)
4. その行動は進化の歴史においてどのような過程を経て今に至っているのだろうか(系統進化要因)
熱帯サバンナの狩猟採集生活においては動物性タンパク質の食事に占める割合は低く、豊富な時期に多く摂取し脂肪として体内に溜め込んでおく必要があった。このような生活の適応として我々は現在糖類や脂肪への好みがあるのだろう。
乳糖体制のように、遺伝子と文化が相互に影響し合いながら進化してくことを遺伝子-文化共進化と呼ぶ。
ハミルトンが提唱した血縁淘汰理論のエッセンスは「遺伝子を共有する血縁者をたあ助けることで、自分が持つのと同じ遺伝子を後世に残すことにつながる」と言う考えかたである。進化の単位を「個体」から「遺伝子」へと移した画期的な考え方だった。
自発的な利他行動は相手に評価されない、場合によっては「ありがた迷惑」になる可能性があるが、要求に応じた利他行動は、少なくとも相手に必要とされていることは間違いない。非常に無駄のない利他行動。このように認知的負荷が小さく効率の良い「要求に応じた手助け」が利他行動の進化的基盤となった可能性が考えられる。
個人利益の追求の選択と社会全体としての最適な一択が一致しない・・社会的ジレンマ
人類は森からサバンナに出て進化を遂げたと言われている説もある。これは、気候変動によって森林が後退し豊富な果実のなる森での競争に負け、厳しい環境のサバンナに適応していったのが人類であると言う仮説である。
サバンナは十分な果実や草本を採取することができず、肉を得なければなら炒め、集団で狩りを行い得られた肉を分配すると言う協力行動が進化した。これが狩猟仮説と呼ばれる。
個人差が生じる理由として「遺伝要因」と「環境要因」と言う二つの要因が考えられている。
Turkheimer(2005)の行動遺伝学の3原則
1. 人間の行動形質は全て、遺伝の影響を受ける。
2. 同じ家庭で育ったことの影響は、遺伝の影響よりも小さい。
3. 人間の複雑な行動形質に見られる分散のうち、相当な部分が遺伝でも家族環境でも説明できない。
パーソナリティの5大因子(Ten Item Personality Inventory;PITI)
1. 外向性 extraversion
2. 神経質さ neuroticism
3. 経験への開放性 openness
4. 協調性 agreeableness
5. 誠実性 conscientiousness