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このごろ、バブルは遠くなりにけり、と思うことが増えた。それは即ち、バブル崩壊後に巻き起こった悲喜劇も過去のものになりつつあるということだ。実際、この物語の最初の山場である97年金融危機からは、早くも17年の歳月が流れている。
この物語もNHKのドラマで見たきりなっていて、自分の中ではドラマキャストのイメージが強く残っていた。生き馬の眼を抜く米系ハゲタカを演じる大森南朋と伝統ある都市銀行を守ろうとする柴田恭兵。そんな図式で理解していたのだが、筆者の言いたかったことは少し違うようだ。
熱海の温泉旅館も、栄えある伝統ホテルも、地方スーパーも、かつてのバブルの夢から覚めて、放漫経営から足を洗い、新時代に生き残る企業として生まれ変わることができない。単に金融機関に唆されて不動産やゴルフ場に走っただけでなく、我が身に甘い同族経営から抜け出すことのできない姿。確かに、こんな会社は当時まだたくさんあった。バブルの夢から覚めない旧世代の経営者では日本経済を建て直せないのではないか、そんな危機感を背景に、柴田恭兵は銀行を辞め、大森南朋はターンアラウンドビジネスを目指し、松平貴子も輝かしいキャリアを捨てる。日本経済の再生にはこういう力が必要なのだ、とでも言いたそうな筆者の声が聞こえてきたところで、物語は下巻へ続く。
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山一、足利と実際の出来事とフィクションがうまく絡んでいて、面白い。
小説のジャンルとしては難しそうだと思い避けてきていたけど、難しい用語も出てこないので、わかりやすく、楽しく読めました。
下巻が楽しみ
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池井戸潤の空飛ぶタイヤを読んで、それならこれも面白いと思うよってすすめてもらった本です。ファンドとか金融の仕組みがよくわからないがために、最初の方、飲み込むのに時間がかかりました。読んでる途中のいまでも、???なところはありますが、全体的に面白いです。下巻に突入します。
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ドラマ、映画共に大好きで何回も見ているものの、原作未読だった。
他の作品を読んで良かったので(「ダブルギアリング」)、衝動買い。
読みながら、鷲津は大森南朋、芝野さんは柴田恭平、なんて映像を思い出しながら読んでる。
バルクセールに始まる難解な用語も、何回もドラマを見ているおかげですんなりと読めて助かる。
ドラマでの鷲津より、原作の鷲津の方が、ちょっと遊び人?なイメージ。バイプレーヤーな大森さんなら、原作寄りの鷲津も演じられたんでは?
またドラマを見たくなった。
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下巻が気になる内容。素人には難しい企業買収に関する用語がたくさん出てくるが、深い意味がわからなくても読み進められる。
主人公の心理状態を読み解くのが至難のわざ。
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初めての経済小説です。
俗に”ハゲタカ”と呼ばれる外資系ファンドの社長・鷲津は邦銀が大量に抱える不良債権を安く買い叩きその何倍もの値段で売却したり、企業再建をして莫大な利益を得る。
良い事してますよ、彼は♪かつて(今も?)日本企業が抱えた闇を鋭く抉り、日本経済再生の為に身を粉にして働く人物達のお話です。三葉銀行常務の飯島、いい味出してます!
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上司オススメの本。
舞台は2000年前後の日本で少し古いが、金融機関と大蔵省、反社会的勢力との関わりあいが描かれており、バブル以降の日本が具体的に描かれている。
登場人物の背景もみられ、特徴的で面白い。
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金融機関に務めていることもあり、共感できるところが多数。
バブル時代や90年代の金融業界の動きなどは、話で聞くことはあったがあまり実感わかなかった部分について、すごくイメージできるようになった。
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経済小説
外資系金融機関という世界が垣間見える傑作経済小説
ニューヨークの投資ファンド社長・鷲津政彦は、バブル崩壊後、不景気にあえぐ日本に戻り瀕死状態の企業を次々と買収する。敵対するファンドによる妨害や、買収先の社員からの反発を受けながらも、鷲津は斬新なプランで無慈悲に企業を買い漁っていく。
都銀で不良債権処理を担当していたエリート行員の芝野健夫にとって鷲津とのビジネスは衝撃的で、自らの将来を変える決断に至る。一方、経営難に苦しむ日光の老舗ホテルの娘・松平貴子も、二人との出会いがきっかけで、自らの試練に立ち向かい始めた。
かつてニューヨークの投資ファンドにおいて社長を務めていた主人公鷲津政彦。不景気に苦しんでいた日本にふとしたころから舞い戻り、社会から強烈なバッシングにさらされながらも、圧倒的なスピードで企業買収を成功させていくダイナミックな展開にはハラハラどきどき待ったなしです。
一言で簡潔に表現すると、めちゃめちゃおもしろい作品です。企業買収というビジネスシーンを圧倒的なスケールで描いた本作。映画化・ドラマ化もされた傑作シリーズ。実際にそのような場面に立ち会う人は限られているため、あまりベールを脱ぐことのなかった外資系金融機関の姿を垣間見ることができます。
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2016.2.6
経営者の舐め腐った責任転嫁。これがバブル崩壊の真の原因だったのだろう。資本主義社会で真っ当なことをやっているファンド。死肉を食べることで病気の蔓延を防ぐ自然界のタカと、まさに同じ役割を果たしている。
あと、敵対的買収はやらないという方針は意外だね。
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経済・金融に若干興味が出てきたころに買った一冊。なかなかボリュームもあり、専門用語もちらほら出てくるので読むリズムを掴むまで少し時間がかかったが、読み進めていくにつれて引き込まれていくのを感じた。投資ファンド・不良債権・バルクセールなどなど専門用語は調べながら読んでおり的確に物語の内容をつかみきれているかわからないが金融ビジネスも「先見の明」をもっているだけでは支配しきれず、ヒトの心を掴み、他人の評価や自分の立ち位置を把握してこそ上手くいくものだと感じた。また、フィクションではあるけれど日本政府と銀行の腐った体制やバブル期の企業の在り方、その後の失敗について、なんだかやけにリアルな感じがして怖く思えた。(その時代、自分は生まれて間もないころなので真実は全く知らないが。)
物語も鷲津、芝野、松平貴子を軸に様々な視点で描かれておりどの人物についても興味深い人柄で下巻ではこれらの人物がどのように関わっていくのかとても楽しみ。
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ニューヨークの投資ファンド運営会社社長・鷲津政彦は、バブル崩壊後、不景気に苦しむ日本に戻り、瀕死状態の企業を次々と買収する。敵対するファンドによる妨害や、買収先の社員からの反発を受けながらも、鷲津は斬新な再プランを披露し、業績を上げていく。企業買収、再生の真実を克明に描いた問題作。
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一昔前に流行っていたハゲタカとか外資ファンドと、
日系金融機関、バブル後に債務超過に陥った企業を巡るストーリー。
主人公は日本人ながら外資ファンドのトップを任され、
まさに日本の金融界を暗躍する。
ビジネスマンは見積書作って、提案書書いてが仕事では無い。
ということを強く意識させられるかな。
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投資ファンドのトップ鷲津政彦が主人公の企業買収ビジネスストーリー第一弾。
作家が大学の先輩ということもあり手に取ったが、一発でハゲタカファンになりました。金融用語や経済の勉強にもなる一作です。
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またまた会社の方に貸して頂いた。
不良債権を抱えた銀行や企業の債権を安く買い叩き、手中に収めた企業を再生し利益をあげる、バルチャービジネス。これをハゲタカと呼ぶらしい。
お仕事小説で、私には難しく感じられるのだが、これが実に面白い。
バブル崩壊前後、自分は中高生だったが本書に書かれている数々の事件で記憶に残っているところも多い。フィクションだが、バブル崩壊後の日本を思い出す。
登場人物それぞれの個性も非常に良い。
読み始めるとつい時間を忘れて読書をしてしまう。
上巻だけでもかなりおもしろかったが、
下巻ではどんな展開が待っているのだろう???