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歩太は変わっていなかった。
「世の中がどんなに責めても、きみの味方をするよ」
歩太らしい。
自分を愛せない茉莉との出会い方も「らしい」。
こんなに大きな心で茉莉に接することのできる人は
なかなかいないだろう。
「天使の卵」などを読んでいなくても大丈夫。
この作品から読んでも迷子にはなりません。
でも。
順番に読むとよさが膨らみます。ぜひ。
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包み込まれるような優しさが、嬉しくて苦しかった。
『天使の卵』から20年、ついに最終章。かなり過酷な環境で育った14歳の少女・茉莉が、前作に出てきた歩太に出会い、夏姫や慎一に出会い、ゆっくりと羽根を広げていくように癒されていく。ストーリーとしては茉莉が中心だが、シリーズで読んだことがある人には、歩太や夏姫がこの時どう思っているかを忖度すると、より楽しめるのではないだろうか。
このシリーズでは一貫して、子どもでいいはずなのに、ある面では大人のようにふるまわなくてはならない人が出てくる。そんな彼らが、もっと子どもでいいんだ、つらい時は寄りかかってもいいんだと示されることで救われていく。そして救われたことで、今度は誰かの救いになる。読み終わった後、人に優しくありたいと純粋に思えるシリーズでした。
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2013.01.03
本屋さんでこの表紙を目にした時、びっくりしました。「天使の」なんてあのシリーズしかないのだから。もちろん買っちゃいますよね。もうあれから20年ですか。村山さんの作品には年月を感じます。。テーマとしては、なんだか違和感を感じてしまうというか、どちらかというと自分で作品を勝手に美化し過ぎているきらいがあるので、なんとも言えないところです。ただ、この20年かけて歩太や夏姫がやっときっちり向き合えて前を向けたことがとても嬉しいです。
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家族から、天使シリーズの新刊が出ていると聞き衝動的に買いに行ってしまいました。天使の卵を読んだのが16歳の時なので、あれから8年を経て、最終章でした。24歳になったわたしは、内容よりも、ひたすらに相手のことを想うということに心打たれました。自分の恋愛というか、そういった異性関係がうまくいっていないということから、そう感じたのですが。ただただ、相手のことを思いやれる。そんな関係に憧れますし。他人を大事な人として思いやることのむずかしさを感じました。いいタイミングで読めました。
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「天使の卵」から15年も経ったんだという感慨が強かった。
登場人物も自分もあれから15年も歳を重ね、本当の大人になったんだなと思った。
このシリーズがこれで終わるのは寂しいけど、主要人物の年齢からしてもこれで本当に終わりなんでしょうね。
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過去を背負った大人たちが、時を経て少しずつ傷を癒し、出会った子供を救うお話。歩太や夏姫の良さは変わりませんね。また彼らに会えたことをただ嬉しく思います。
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天使の卵シリーズ完結編。
帯の紹介文で、また最近の「アタシってこんな目にあったの」的アピール癖が出てしまうのかと思ったが
主人公が中学生なせいか気にならなかった。
懸案事項の解決が呆気ない気はしたけれど
長いスパンのシリーズ物が変な方向に進まずに
キャラがぶれずに終わってくれただけで大満足。
おいコーもなんとか初心に戻ってほしいなー。
【図書館・初読・1/7読了】
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天使シリーズ最終章・・・ということでしたが、このお話自体は悪くないけど、最終章ということだったらなんとなく物足りないような気がしました。思い入れのある作品シリーズだけに。
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歩太も夏姫も、いろんな悲しみを乗り越え、その痛みを知っているから、どこまでも優しい。歩太のお母さんも温かい。
茉莉は彼らと知り合って、少しずつ心を開いていく…。14歳の茉莉とタクヤの関係、娘との生活を避け、自殺願望をもつ父親、家族を放り出し帰国してしまったフィリピン人の母親、祖母から辛辣な言葉を浴びせかけられて育った成長期…重い設定に違和感を感じ、読み始めから中盤にかけて、なかなか感情が入っていかなかったので、本当なら★3つ。
だけど、「天使の卵」「天使の梯子」という温かくも切ない前作から、「天使の柩」では歩太が茉莉と出逢ったことで、彼の閉ざされていた心が揺さぶられ、ようやく前へ歩き出せたことが嬉しくて、シリーズ完結作がハッピーエンドだったので★4つ。
人は、愛おしく大切な人のためには強くもなれるし、まっすぐに生きてもいける。
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『天使の卵』シリーズ。
親に殆ど捨てられた茉莉という娘が、公園でいじめられている猫と、歩太と出会う。そして自分自身の居場所を求めるようになるが・・・。
歩太が描けなかった人物の肖像をようやく描けるようになるのは、亡くなった春妃への贖いを終えたのだろうか。
少しホッとする作品だった。
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『天使の卵』『天使の梯子』に続く作品として、30代になった主人公と、彼に訪れた新しい出会いが描かれる。けど、うーん、自分自身がすでに中年となり浮世の塵にまみれてしまったからか(?)この"純愛"にさしたる感想が持ち得なかったというのが悲しい感想。
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天使の卵シリーズ完結ということで、楽しみにしてました。歩太、夏姫ともに優しい大人になって、前を向いていることが伝わってきました。
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優しい終わり方。
歩太も夏姫も素敵な大人になったなぁー
歩太も夏姫も過去と向き合い、自分を許すことができたのかな。
全てを包み込む優しい雰囲気の空間が描かれていて、それを作り出しているのは、つらい過去をもつ人たちで。
人の痛みが分かるのは、同じくらい痛い思いをしてきたから。だから優しくなれる。
村山先生の人物の描き方が好きです。
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かなり後半まで読んで、前の話を思い出しました。
天使シリーズ、もうずいぶん経ちますよね。
前半は読んでいてつらい気分になりましたが、最後は救われるような内容でほっとしました。
ここでようやくほかの話とつながりました。
前のシリーズ、もう一度読み返したくなります。
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中学生の少女。
不良の男の子と付き合っている。
小さい頃から祖母に可愛がられず、父親も家に帰ると娘を軟禁状態にさせる。
母親に似ている娘をみたくないからか…。
ある日公園で猫をいじめている小学生たちに立ち向かっていると、いつも公園で絵を書いている人が仲介に入って、いじめられた猫を動物病院まで連れて行ってくれ、めんどうを見てくれることになった。
それから猫の様子を見に、その人の家に通うようになる。
後にその小学生とも和解し、少女の家庭状況を知ったその人が、少女を養子にする。