紙の本
出会いはメールから
2014/02/04 22:38
3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:はにーとーすと - この投稿者のレビュー一覧を見る
高校生の文人(受け)とネットで知り合った年上の男性、新開(攻め)のお話です。
中学の頃、ふと自分の性癖に気付く文人。
そんな文人が悩んでいた時とある掲示板で星の話などごく普通のことを書いている「altair」を見つけます。
3年間もメールのやりとりだけの繋がりだった二人が、文人が送った1通のメールがきっかけで出会うことに。
そんなところからこのお話は進んでいきます。
二人は出会いますがそのときすでに新開には婚約者がいて、お互いに淡い想いを抱きながら別れます。
しかしまた二人は出会ってしまうのでした。姉の婚約者と弟として。
もうここからの展開はじーわじーわ、真綿で首を絞めるってこんな感じ?!なくらいゆっくりじっくり進みます。
これって新開がもっと自分の気持ちに素直に向き合っていればこんなに複雑で
更には時間もかからなかったのに・・・と思ってしまいました。
大人ってズルい。うん。立場とか体裁とかそっちを先に考えちゃうから。
文人の姉がかわいそうだった。もっと早く言ってあげてれば深く傷付くこともなかったのに。
文人は新開に相手にされなくて、友人の神崎にずるずると流されて付き合ってしまうし。
そう、お互い好き同士なのになぜかぐるぐると遠回りをして自分たちも周りまでも傷つけてしまう、
これはそんなお話でした。
うーん、読みながら私もなんだかぐるぐるして読み終わる頃にはすごく疲れました。
でも二人の間には時間はかかりますがラストはハッピーエンド。
ついでに周りもみんなハッピーなので読後感は悪くはありませんでしたね。
じわじわーっと進んでいくお話がお好きな方にはおススメかなぁと思います。
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自分のセクシャリティに悩む高校生の受けが、助けを求めるように出会い系のサイトで知り合った、天体観測が趣味の攻め。
最初の出会いは、受けが死にたいというメッセージを攻めに送ったことから。そこで惹かれあってしまったからこそ恋人のいる攻めは、もう連絡しないし会わないと告げる。惹かれ合いつつも身を引く消極的な攻めはなかなか触手が動かないんですが…。
それから攻めが受けの姉の婚約者という立場で、表面上は一定の距離を保つ二人。
バイセクシャルの恋愛対象が広いことへの悩みとか、恋人ではないのに自分の大切なものを持っていてほしいとか、ハッとさせられるエピソードが多々あった。
お互い傷つけてしまった人がいる立場なので濡れ場は控えめでしたが、結ばれて良かったなと、つくづく思わせてくれるお話でした。
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凪良先生の作品はどれも好きだけど
今回はせつない…読んでいて辛すぎて一気読み。
新開×文人
ハッピーエンドだったから読み終わってホッとしたけどここまで来るのに7年って…
遠回りし過ぎな感が(^^;;
文人目線で話は進んで行くんだけど、文人の気持ちが苦しいくらいせつなくて。文人がストラップを見つけ号泣したシーンでは涙腺決壊T^T 新開の気持ちにうーんだったけど、最後の新開目線の短編を読んで、新開も苦しんだのね。と思うとホントハッピーエンドで良かった〜幸せになって!って^ω^
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▼あらすじ
もう一生誰にも心を開かないし恋もしない……傷つき頑なだった文人を優しく解いてくれた彼は絶対に好きになってはいけない人だった。
高校生の文人が唯一心を開くのはネットで知り合った年上の男性「アルタイル」。趣味の天体観測を通じて穏やかにメールを交わすつきあいだ。卒業式の後、友人の言葉に酷く傷ついた文人は駆けつけたアルタイルと初めて会いその人柄に惹かれるが……
***
ラストに辿り着くまでは切ないです。とにかく切ない。
本当に、あまりに切な過ぎて本を閉じても先の展開がどうしても気になり結果、時間も忘れて一気読みしてしまうほど。
お互い不器用なんだか自分に素直じゃないんだか…。
くっつきそうになっては離れての繰り返しで相思相愛なのは明らかなのに普通ここまで遠回りするかと少しイライラしながらも早く!早く!早く幸せになって!と祈るような焦るような気持ちで一気に読みました。
本当にもう、最後の方で新開が薬指に指輪嵌めて赤ちゃんを抱いた同じ名字の女性と一緒に居る場面なんてショックで倒れるかと……(笑)
心の機微の描写がとにかく上手な作家さんなので切なさが凄まじく読むのが大変です。
何気に新開目線のお話も切なくて外に置いてある傘を見てみっともなく泣いてしまったという描写がとにかく切なくて胸が締め付けられました。
あの時、文人だけじゃなく新開まで泣いていたのかと。
とりあえず幸せになってくれて良かった。ただただそう思います…(笑)
にしてもここまで読者の心を惹き付ける事が出来る作品を生み出す凪良先生って本当に凄い…。こういう人を天才と言うのでしょうね。
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★3・6
せつなかった・・・最後はハッピーエンドだったけど、そうなるまでの過程がツラすぎて読んでて痛かった;;何でこんな遠回りしなきゃいけないのって思ったけど、2人には必要な7年間だったのかなー。とにかく文人が幸せになれたならそれで良いです(苦笑)あと神崎にも救いがあって良かった;彼も幸せにしてあげてほしい~。
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読み終わってすぐ、もう一度読み直してしまうくらい気に入ったストーリーでした。
凪良さんのシリアス路線で、ここのところ続いてた『死』がまとわりついた話じゃなかったのもよかったかな。アレは続くと結構きついんだ。
ベガとアルタイルの恋のお話。
でもアルタイルがとてもいい人なんだけれど、ちょっとズルイよね。
つか、ベガ側からだけだったから、アルタイルはどんなことを思ってそういう行動になったのか……そっち目線からのお話も読んでみたかったかも。
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あ~なんか染み入る~って感じのお話でしたね。 すっごく切ない!っていうわけではないんだけれど、なんかこういう時間枠好きだわ。
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今回も心に沁み入る話でした。泣かないつもりで読んでいましたが、だめでしたね…じわじわときて、最後の最後にやられました。要ティッシュでした。
とても優しい人々が登場します。じっくりじんわりふくらんでいく切ない想い、そしてそれが「片恋」だからこそ尚更その気持ちに共感してしまいました。
自分の性的指向が周囲に受け入れられないと気付いて、「死にたい」とまで思いつめた高校生の文人を救ったのは、ネットで知り合ったaltair。同性しか好きになれないことを自覚した文人が、その手の掲示板で趣味の天体観測の話をしたり、悩みを打ち明けていた唯一の相手です。altairもまた自分のセクシュアリティと社会生活との折り合いをつけるのに苦労しているようで、文人は彼の優しさに癒されとても惹かれていきます。
3年間のHNだけでの交流が、文人の突然のSOSで思いがけなく顔を合わせることになって、互いに惹かれあうものの絶対に好きになってはいけない運命だと知ることになる二人。
そこから文人の想いはずーーっと停滞していきます。前に進むこともできなければ、消すこともできない苦しい状態がずっとずっと続くのです。
会わなければ辛いだけなのに、会わなくちゃいけない状況が度重なっていって、どんどん忘れられなくなってしまう悪循環。
片想いの切なさに、どっぷり浸ってしまいました…
想いが相手の新開にもちゃんとあることが伝わってくるんですよね。そして、新開もまたその気持ちを封じ込めようとしているのがわかるのが、また切ないです。互いにもう会わないようにと決意するけれど、やはり想いは心から消えなくて、会わないと思っていてもまためぐり合ってしまうことに。
vegaとaltair。この使い方もものすごくぴったりでよかったです。天の川に隔てられた織姫と彦星に二人の姿が重なっていて、思い通りに会えないところなんかまさしくそのもので。
自分達の幸せだけのために自我を通したりしないのも、家族や姉に対する深い思いやりが感じられて胸がいっぱいになりました。本当は全て投げ出して、みんなを傷つけても愛する人と一緒になりたいはずなのに、ぐっと我慢してあふれる気持ちを押さえ込んだ文人と、そして新開の気持ちを思うと切なくて切なくて…
小物の使い方もすごく印象的でした!
特に、万年筆と置いてきた傘は泣けました。
切なくて泣けるけど、その分ちゃんとロマンティックなところもあって、とても「恋愛」というものを堪能できた気分にさせられました。
これはまた読み返してしまうでしょうね。
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とても優しいお話でした。
実際の同性の恋愛はこんなに美しい感じじゃないと思うけど、ひとを好きになる、ってすてきなことだなあと、純粋に思います。
ネット上で知り合ったふたりは、深い仲になる前に、色々なものに邪魔されてしまうわけですが、姉の彼氏だったというところは、しかし、考えてみれば、両親にばれたときに、お姉さんの中では解決していても、親としてはこれはちょっと修羅場るなあと、できればそこを乗り越えていくふたりも見たいなあと思いました。
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自分がゲイである、ということに悩みと葛藤を持つ高校生・文人が同性愛者の集まる掲示板で出会った「Altair」こと新開に切ない恋をするお話です。
文人視点で進むお話に、読んでいるこちらがもう胸を締め付けられてしまって、何度、胸がつまって涙が出そうになったことか…。
最後の最後、新開視点のSSはとても幸せなお話ですが、そこにいたるまでがとても切なく、エッチシーンもありますが幸せなエッチではなく別れのエッチなのでドキドキ感はあまりないです。どちらかというと、終始胸がズキズキしていました。
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この二人はくっつかないほうがいいのかもしれない…と思いながら読み進めていきました。
でも終盤になるにつれて幸せになってほしいと強く願うようになり、
最後ふたりが幸せになって本当に良かった、と涙が出ました。
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“Altair”と“Vega” 七夕の星になぞらえた切ない恋のお話。掲示板で知り合った新開と文人。星のこと、お互いの性癖のこと、ハンドルネームしか知らない間柄だからこそ、気兼ねなく率直に本音を打ち明けることができた。
文人のSOSに急遽待ち合わせをすることになったふたり。やさしく包み込むような新開の優しさに、急速に心を傾ける文人。でも新開には結婚を約束した恋人がいた。恋とはっきり自覚する前に打ち砕かれてしまう文人の想い。お互いの素性も明かさないまま別れたふたりは、思わぬ形で再開する。
姉の婚約者として文人の前に現れたのは新開だった。初めての恋は決して叶わない恋だと思い知らされる。
大切な家族と捨てきれない恋心の狭間で、新開、文人、姉の夏那、三人が三人とも切ない。
新開は決して悪人ではなくて、むしろ善良な人間なのだけど、その誠実さが、その逡巡が、夏那も文人も傷つけてしまうことの残酷。そんな彼の煮え切らなさが、ちょっと狡いな…と私は思った。
皆様の神評価にもかかわらず、私の萌えとはちょっと違ったかも。
でも、切なくて叙情的で静かな星空をみつめているような、そんな気持ちになった。
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前回読んだ作品がとても良く、この先生の作品をもっと知りたいと思い手に取らせていただきました。
今回の作品も泣いてしまいました。本編が終わった後の新開視点の話も、神崎の話も良かったです。
作中にも登場する天体の話。私も星を見ることが好きなので興味深くて作品にも入りこみやすかったです。
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裏表紙のネタバレはやめて欲しい。。
ずーーっとずーーと切なくて、心の動きが染みてきて、どうして、、どうして、、、?と思いながら、読みました。
このふたり今後がまた大変なんだろうなぁとか。
でもその前の辛さを知っているから、きっと何とか乗り越えられるんだろうと。
本の中で語られた後も、ちゃんと物語は続くと思わせてくれる、良いお話でした。
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どんなにお互いに気持ちがあったとしても、元々は姉の婚約者(あるいは婚約者の弟)。
これを、どうやってハッピーエンドに持っていくんだろう…と思いながら読んでいて、途中はかなりイライラもしたけれど、主人公の二人がくっつく前に完全に一度離れて、それから3年たってからの再会っていうのが、読了後は納得の一冊となっていました。
切ない話で、評価の高い作品だろうとは思うけれど、私はイライラが多かったので、あえて★3つとしました。