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パンデミックで人が死ぬ話ではあるが、偶然にも日本に首相の息子である元WHOのオフィサーがいて、息子が強硬に主張した対策を親父が承認するという出来すぎな展開で進み、また、最後には何故か日本でワクチンと特効薬もできるという、あまりに出来すぎな展開が正直、どうかなとは思うが、パニック小説としての啓蒙性は十分に伝わる話であり、くるぞくるぞと言われたものが、いよいよくるとこうなるということがよくわかるノンフィクションのような小説である。それにしても、実は主人公周りの登場人物は、誰も鳥インフルエンザでは死んでいないというのも出来過ぎ。
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高嶋哲夫さんのパニックものは好きで、ほとんど読んだと思います。
今まで読んだものは自然災害ものでしたが、今回はウイルスです。
致死率60%の強毒性インフルエンザのパンデミック。
恐ろしい~。
パンデミックの発端が、サッカーワールドカップってのがまたいかにも本当にありそうで怖い・・・まさに未来予想小説です。
本書では、元WHO医師である主人公の決断力が凄まじいです。
そんな主人公の父が総理大臣であると言う、やや出来すぎ感はありますが、主人公他リーダー達の決断力には惚れ惚れしました(笑)
もし現実に起きたらこうはいかないんだろうなと思うので、本当に恐ろしいですが。
分厚い本ですが、緊張感に溢れているので飽きずに最後までハラハラしながら読みました。
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HONZの成毛代表が解説を書かれたとのことで読みはじめたら、そのままの勢いで読了。インフルエンザの予防接種受けよっかな。高嶋さんの地震に関する作品も読んでみたい。
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高嶋さんの本は初めて読んだ。地震や原発事故など、パニックになるような大災害に立ち向かう人々を題材にした作品を多く書かれている。この本は新型鳥インフルエンザにより全世界が感染し、人口の約2割(12.5億人)が亡くなる設定である。その中、日本は主人公・瀬戸崎優司の活躍により、約60万人の死者で終息する。その時の政権や現場とのやりとりに迫力を感じ、小説で読む文字よりももっと厳しい状況であることは疑いない。ここでは空港・港湾の封鎖に始まり、感染が広がり始めた首都を封鎖する挙に出る。実際に起きたら、果たして時の政権はそのような判断ができるのか。少なくとも判断に時間がかかってその間に感染は広がると思う。
最初は状況説明などでやや読み疲れたが、後半はスピード感があり面白く読めた。感染の時の立ち向かう方法や仕掛けの話が物語の中心担っているように思い、登場人物の心や人々の様子の表現はもう少しほしいと思った。
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20××年、中国でサッカーワールドカップ開催中に、強毒性鳥インフルエンザウィルスの人間への感染が発生。初期の封じ込めに失敗し、致死率60%以上のウィルスが世界中でパンデミック(感染爆発)を発生し12億人以上が死亡。その状況下での日本での生き残りを賭けた作戦の展開を追う小説。著者の高嶋哲夫氏は災害小説に関しては詳細なリサーチを元に非常に説得力のある小説を書き上げられれおられます。都市直下型地震を想定した「M8」、海溝型地震の津波被害を扱った「TSUNANI」、巨大台風の直撃を想定した「東京大洪水」、いずれも架空の設定とは思えないリアリティーで、このような災害に遭遇した場合に起こりうる事態を疑似体験できる感さえあります。2009年に豚インフルエンザの感染で大騒ぎになった事の記憶が蘇ります。あの時はウィルスの毒性が弱かったので大きな被害には至りませんでしたが、もしも強毒性鳥インフルエンザウィルスがパンデミックを起こしたら…。今、世間は南海トラフでの海溝型地震への警戒心に傾注するあまり、鳥インフルエンザのことを忘れかけているのではないか、改めて思い知らされました。
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テーマは、非常に良いテーマだと思いますが、
深堀りが足りない。
首都の封鎖については、
もっとドラマがあってもいいと思うし、
封鎖後の日本について、
東京以外の描写が少ない、って言うか、無い。
著者は科学者なわけですが、
ドラマというよりも、科学的観察記録のような
感じがしました。
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強毒性のインフルエンザによるパンディミックが発生。人類はこの危機にどう対応するか?東京首都部分を閉鎖しインフルエンザウイルスを封じ込める。現実の日本にこんな指導力のある医師や政治家が存在するのだろうか?
近い将来現実に起こりえる話だ。年末読み出したのだが、マスクと手洗い、うがいの励行は欠かせなくなった。
最後の部分、病院の待合室で読んでいたんだが余計にリアルに感じてしまう。
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致死率60%の強毒性インフルエンザが中国で出現。折しも中国ではサッカー・ワールドカップが開催され、大量の感染者が自国へウィルスを持ち帰ることとなり、全世界的なパンデミックに(最終的に世界人口71億人中、56.8億人が感染、12.5億人が死亡)。
検疫が破られ都内にも患者が発生した日本は即刻”東京封鎖”で立ち向かう。
最終的に日本が全世界の範となる成果を上げることになるという、総理の決断と準備があってのことなんだが、まぁ結果オーライだったから良かったものの、夢物語としか言えんなぁ・・・だけど、色んなシミュレーション(いかにもありそうな状況)を見せてもらって、少しは心の準備は出来た。
(2014/1/26)
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まさにインフルエンザが流行している今の時期に読むことで、恐怖感は倍増。著者の本はリアリティが素晴らしくて、本当に起きてもおかしくないような内容。しかも読みやすいので一気に読める。それにしても、著者の小説に登場する政治家の決断力の素晴らしさとリーダーシップを見るにつけ、実際の政治家にここまでを期待するのは無理があるのだろうか。とんでもないヒーローは出てこないものの、一人々々がこれだけの責任感を持って事に当たっているかと感じてしまう。自分がその立場だったらと思うと、難しい気もするが・・・登場人物の何気ない一言にも深みがあって良かった。
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致死率60%の未知のウィルスが世界中を混乱 に貶める。周囲を海に囲まれている日本に忍 び寄る危機。パニックに陥った日本を如何に して救うか。科学者と政治家が空前絶後の危 機を如何にしてして救うかを問うた壮大なる シミュレーション物語。キーワードは徹底的 な封じ込め。効果的なワクチン発見の時間と の闘いを切れの良いテンポで刻む。学者だけあって緻密な描写と一気に読みほせ る文体を堪能〜。
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致死率60%の強毒性新型インフルエンザが世界を襲う。あり得ない話ではないだけにとても興味深かった。日本は、世界は、有事の際にどれだけ冷静に的確な判断が下せるのか、今のリーダー達にそれは可能なのか、いろいろ考えさせられる。読みがいのある作品。
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最近はさまざまな自然災害にみまわれるケースが多くなり、地震や風災害への備えはできていたり、意識があったりすると思います。
でも、ウイルスに対する備えって、まだまだなんじゃないかなあと個人的に思います。
いまもエボラ出血熱とかデング熱とかいわれているけど、具体的にそれが日本で広く蔓延したらどうなるのか?あまり肌感覚で感じられず、「ま、病院にいけばなんとかなるかな」ぐらいに正直僕は思ってました。
だけど、この小説を読んで考えが一変しました。
この小説はフィクションかもしれないけど、新型のインフルエンザ発生とその広がり方についてはとてもリアルに感じました。
なかでも東京を隔離するというくだりは、首都圏に住む者にとって、実際に自分がそうなったらどんな感情になるのか?と深く考えさせられました。
物語にあるように、抜き打ちで行わないと拡散を防ぐことができない。だけど、たまたまその日だけ残業で遅くなったりして、その間に封鎖が行われたら。。。自分と家族はもう会えないかもしれない。大義としてのウイルス拡散を防ぐことは理解できても、気持ちの折り合いをつけられない自分がいるような気がしてならないです。
人間はどうしても短期的な快楽や効用を求めて動いてしまうもの。この物語に出てくる人たちのように、自分もそのときにはきっとそうなるんだろうなあと思いつつ、日々を大事に、そしてそのときがきたら、きちんと行動できるようになろう、と思うのでした。
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強毒性のH5N1ウイルスのパンデミック。致死率60%、潜伏期間5日という設定だが、エボラ出血熱(致死率50~90%、潜伏期間7日)とだぶる。事実は小説よりも奇なり、かも。
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エボラ出血熱の拡大感染が懸念されている今、迫真に迫るクライシスノベル。
自国の不都合を隠す体質の中国から、強毒性の新型インフルエンザが世界に拡散する!
まさに起こりうる設定と言えるだろう。
そして、日本ではスーパーヒーローの活躍で、最小の犠牲で終局に至る。主人公の身近では(過労に倒れる院長を除いては)、みんな無事というのは小説的ハッピーエンド?
結末はともかく、政府を挙げての拡大感染を防ぐ対策は、一考に値し、解説に書いてあるように、文字によるシミュレーションといえる。危機管理に携わる人には、一読の価値があるのではないか。
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現代の預言者としてその名も高い高嶋哲夫の作品。この人の本は常にノンフィクションのような雰囲気が漂う。これはインフルエンザの話だけど、今ならばエボラに読み替えることだってできる。