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刊行日 2013/11/20
世界一の国になるには,素敵なお菓子が欠かせない!と考え,その甘い武器を磨いてきた国,フランス.ジャンヌ・ダルクやマリー・アントワネットが食べたのはどんなお菓子? 歴史を変えた伝説のパティシエとは? あの文豪もスイーツ男子だった? お菓子の由来も盛りだくさん! 歴史もしっかり学べる,華麗であま~いフランス史.[カラー口絵4頁]
序 章 お菓子とフランスの深い関係
フランス菓子が世界一?/お菓子という「余分なもの」/誰にでも手に入る「宝石」/お菓子という武器/ケルト人と古代のお菓子/中世初期のフランク人/フランスを統合する「精髄」/受け容れ,同化させる国/文化立国を支える力
第1章 キリスト教信仰と中世の素朴なお菓子
お菓子の衰退と復活/キリスト教とお菓子/修道院の役割/髪と人をつなぐお菓子/エウロギアとウーブリの広まり/呼び売りの活躍/カペー朝のはじまり/封建制と三身分/王のもつ権威/十字軍とお菓子の材料/貴族たちの愛した砂糖漬け/パン・デピス/焼き菓子のいろいろ/農業の発達と都市の成長/王権の強化とパリの発展/ジャンヌ・ダルクの生い立ち/田舎娘のお菓子/三つのお祭りとお菓子/クリスマスのお菓子
第2章 略取の名手フランス
フランスが外に開いた時代/サトウキビと十字軍/大航海時代の砂糖栽培/百年戦争後のフランス/戦争がもたらしたイタリア文化/ヴァロワ朝の婚姻関係/カトリーヌ・ド・メディシスとイタリアのお菓子/アイスクリームの到来/秘密のチョコレート/チョコレート菓子の広まり/宗教戦争の時代/カトリックと美食
第3章 絶対王政の華麗なるデザート
絶対王政と司法/パリの発展とヴェルサイユ/フランス人はグルメじゃない?/国家戦略としてのフランス料理/ルイ一四世の絶対王権/外交と財政/砂糖帝国の成立/砂糖をめぐる争い/コーヒーと砂糖の出会い/砂糖の消費の増大/砂糖のその後/クリームいろいろ/弱き女性とお菓子/サブレ夫人/チョコレートと女性/繊細な時代の美しい食べ物/寵姫モンテスパン夫人の努力/ポンパドゥール夫人と王妃マリーの食べ物抗争/ポンパドゥール夫人の魅力/マリー・アントワネットが愛した菓子クグロフ/光の世紀
第4章 革命が生んだ綺羅(きら)星(ぼし)のごとき菓子職人
王権のかげり/ブルジョワと民衆の不満/バスティーユ事件から立憲君主制へ/共和政の開始とロベスピエールの独裁/フランス革命の意義/レストランの発展/有名パティシエとお菓子店の登場/ナポレオンの業績/栄光を描いた菓子職人ルボー/アントナン・カレームのピエス・モンテ/お菓子と建築の関係/タレーランとの出会い/歴史を動かすデザート/カレームのその後/ボヴァリー夫人のウェディングケーキ/シャルロットとブラン・マンジェ/フランス菓子いろいろ
第5章 ブルジョワの快楽
復古王政/七月王政/ナポレオン三世の政治/産業革命と階級社会/ブルジョワたちの食生活/プチフールの楽しみ/サロンの繁栄/パリの輝きと中央市���/フラヌール(散策者)の出現/知識人たちのパリ散歩/美食家グリモのグルメガイド/ブリヤ=サヴァランとデュマ/カフェ・ド・フォワとル・プロコープ/カフェという楽園/パサージュと菓子店/乗合馬車の登場と鉄道の敷設/パリに集まる名産品/プルーストとマドレーヌ売り
第6章 フランスの現代とお菓子
第三共和政とフェリーの改革/二つの大戦/戦時中の菓子とウェディングケーキ/戦後のフランス/技術革新とお菓子/ムースの舌ざわり/フランス人パティシエの時代――エスコフィエとルノートル/フランスとお菓子の未来
あとがき
フランス史年表