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私にとって、この作品はいったい何なのだろう。
シリーズ4作目からかなり時間が経過して、久しぶりに大輔や栞子に会ったはずなのに、彼らの古書店も住む街の空気も知り合いたちも、全てが自分の内側に確かな記憶…いや、経験としてこびりついていたかのように、扉を開いたとたん、胸の奥からざっと流れ出て、次の一瞬には、私はその中に立っている。まるで最初から、北鎌倉に生まれ育ったかのような穏やかで満ち足りた心持ちに微笑みながら。
ミステリーとしてのこの作品の素晴らしさは、栞子さんが謎を解くのに用いた情報のすべてが、ちゃんと私たち読者にも等質等価等量で提供されてゆくところではないか。つまり、私たちにも栞子さんと同じく、謎を解くチャンスが与えられている。
作中人物と傍観者という立ち位置の違いではなく、栞子さんは栞子さんだけの明晰な頭脳と記憶力、愛する本の膨大な知識…本をこよなく愛し、すべてを体の中に取り込んでしまいたいという貪欲さで、謎を解いてゆく。ミステリーとして、これほど公平なものはない。同時に、栞子さんへの崇敬は日増しに高まっていく。
折り返し点を過ぎ終焉に向かっているこの物語はもはや私の一部だし、読み始めたとたん、私がこの物語の一部になる。
私には特別な本。私が現実には生きてはいない多重世界を見ているような感覚。手放せないシリーズである。
栞子の母・智恵子が滝野リョウに譲った、「黒いハンカチ」を読もうと思う。栞子さんも好きな本だから。
いろいろなことが再び動き始めた5作目。栞子さん、気をつけて。
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本にまつわる事件を縦軸にゆっくりと確実にストーリーが進んだ5巻目.黒幕もはっきりしてきたのでそろそろクライマックスでしょうか.栞子と大輔の関係もいい感じです.
栞子さんのうんちくも毎回楽しみなのですが,事件で取り上げられる本は純文のようなカタいものばかりではなくコミックなど手広くテーマにしているのが面白く新しい発見があるのがいいです.今回は個人的には寺山修司の詩がとても印象的.天井桟敷のアングラなイメージしかなく(別の劇団による再演を昔見たけど駄目だった…)寺山修司の本は手に取ろうとは思ってなかったのだけど,ちょっと興味が出てきました.
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相変わらずの本についての知識はさることながら、全体を通して栞子さんの心情が始めてしっかり描かれたような巻で、するっと入り込めた。
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シリーズものとして一番の山場であった母親との邂逅から、その後の展開は難しくなるだろうと思っていたとおり、本作では脇役の過去と恋愛絡みとかで話を繋いだ感が強い。あまり安易に母親を出さないほうがよい感もあるが、母親の失踪にも何からの裏がありそうというところで次回に続く。それにしても面白かったのは本筋ではない手塚治虫の作品に対するクリエーターとしてのこだわりに関する薀蓄。流石に神様。
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今回は智恵子がまた出てきて、栞子の周りの人から様子をうかがっていました。
グズグズしていた栞子だけれど、大輔と一歩進んだのは本当によかった◎
智恵子のように自分もいなくなってしまうかもしれないと大輔に話した時の大輔がかけた言葉、なんか読んでいてニヤニヤしちゃいました^^
この二人のやりとり、読んでいてもどかしいのに、
時々甘々で照れますw
エピローグでは、接近禁止命令が出ている田中敏雄からの宣戦布告めいたものがあり、ちょっと怖かった。
6巻はこの対決がストーリーのメインになりそうですね。
今回作中に出てきた作品の中では、
寺山修司の『われに五月を』が気になりました。
読んでみたいです。
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ブラックジャックはだいたい読んだと思っていたが「植物人間」は知らなかった。また、読みたくなってきた。
ん〜、栞子さんカワイイฅ( ̳• ·̫ • ̳ฅ)にゃ♡
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「ビブリア古書堂」の5作目。当初からするとだいぶ発売がズレちゃったみたいね。
相変わらず本に関する謎解きは栞子さんには付いていけず、あれよあれよと解き明かされるのを読んでいくしかないけれど、手塚治虫のマンガが題材になったりで、確かに私が小学生の頃は貸本屋でマンガを借りて読んでいたよなぁと思い起こすのも悪くない。
この巻で最終回と何故だか思い込んでしまって読んでいて、色んな展開がそれらしくて、フムフムと納得していたところ、最後に不気味な予告編が出て来て、あれっ思ったら、あとがきによると折り返し地点を過ぎて終盤に入ったところということらしく、もう暫くのお付き合いということね。
最初の頃と比べると、本にまつわる謎解きよりも、もはや栞子と大輔、栞子と母を巡る話に比重が移っていて、どんな展開が待っていることやら楽しみ。
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子供の頃から大好きだったブラックジャックが題材の章があって、ウキウキしながら読み進めていった。知っている事柄にはそうそう!と頷き、知らない事柄にはそうだったんだ!と、またブラックジャックの知識が増え嬉しくなった。二人の恋も進歩アリで嬉しい♪一気に読み終えた。続きが楽しみ♪
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「ビブリア古書堂の事件手帖 (5) ~栞子さんと繋がりの時~」
お久しぶりです。
第4巻を読了してから随分経ってしまった。なんと読んだのは2013年。経ち過ぎだろっ!前巻は江戸川乱歩を扱っていて、ざっと書評を見て物語を思い出せたくらいだから面白かったはず。であれば次を読む流れなのに、どうして手が止まってしまったのか。色恋沙汰展開に嫌気が差したのかな?
それから約6年ぶりのビブリアシリーズ(シリーズものでこのスパンは最高記録なはずだ)。良い感じのところまで読んだ故の完結まで読もう!と言う思いと「もういいか」&「手を止まらせた何か」の競り合いの末に、遂に手に取った。実は、図書館でちらちら目に入っていたので、それはCMの刷り込み効果みたいなもんで、あれ?ビブリアこれ読んだっけ?→読んだはず?→読んで無いな?→気になるな→読むかになったと言うのもある(今振り返れば)。
前置きが長くなったが、本作である。無骨な青年五浦の栞子への告白。その答えは今は待って欲しい、で止まっていた前作から動き出す。ぎこちない時間が過ぎる中、どきどきしながら待つ五浦に対して、栞子には彼女なりの考えがあった。この考え(と言うか悩み)には、母から受け継がれた本から人の心の奥まで読んでしまう力と本への飽くなき探究心、が深く関わっており、それに悩む栞子には等身大の女性らしさを感じた。しかし、かなり前から恋の火はついていたとは。それは意外だった。五浦と栞子の関係には一旦回答が出るのは読んでからのお楽しみに。
また、そこに繋がるまでの母からの挑戦状的な依頼も特徴だ。今までの智恵子からすると、今回も栞子をパートナーにする為の試験のようなものではないか?と推測したのだが、母らしい別の意味もあったようだ。ただし、まだ裏があるかもしれないが。
最後には、因縁のあいつが登場する。物語は終盤へ。
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古書店で働く青年が主人公。店長の若い女性が本の知識や本の状態から事件を解決していくのを彼が見守るという、いわゆる安楽椅子ものミステリーです。この巻でも紹介されている本は未読のものばかりでしたが、面白いストーリーで楽しく一気に読み終わりました。
凡人の青年は、人間離れした洞察力を目の当たりにした時に気持ち悪さを覚えるのか、それとも、それを上回る魅力に引き込まれるのか。そのあたりの葛藤は「喫茶タレーラン〜」にも通じる気がします。最近のラノベ的なミステリーのテーマなのかしら。
物語のキーとして、寺山修司の著書が登場します。恥ずかしながら、寺山修司をまともに読んだことがなく、これを機に少しかじってみようかと思います。
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ビブリアの5巻め。
今回は短編が3つ。五浦との関係進展を縦軸に話が進み、最後ははっきりと口に出す。
母親も登場し、次回への伏線も貼られて、シリーズも終盤へ入って行く。
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栞子さんが抱える母と同じ衝動に対する不安と大輔との関係が決着して、一安心。
今まで栞子さんの本が好きというところも容貌も素敵だと感じていたのに、この巻読んでたら、随分と面倒な性格だなと、惹かれる大輔よりも辞めていった歴代のバイトたちの気持ちに同意したくなった。
大輔のフィルターを通して見ない栞子さんは、印象がガラリと変わる。恋は盲目とはよく言ったものです。
「晩年」を手に入れるために栞子さんに怪我を負わせた田中敏雄が再び登場──となりそうだし、この事件が決着するればシリーズも完結かな?
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今回も本の知識が詰め込まれていますね~。
特に手塚治虫のあれこれは「へ~」の連発。
私は長く続くシリーズものって、案外途中で飽きたりするのですがビブリアシリーズは中だるみなし!
面白いです。
個人的に大輔と栞子さんの「もじもじプレイ」←いいネーミング!!
にはあんまり興味ないのですが、この先どうなりますか。
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五浦さんとの距離が少し進展したけど、刑務所に入ってた田中の今後が危ない感じで終わりました★
しかし、栞子さんの母は凄い人だなぁと、改めて感心しました~
次回も楽しみです♪
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やっと読めた!大輔の真っ直ぐな性格好きだなー。ちょっと怖いとこもあったけど、ちゃんと終わりに向かってるから、今後も楽しみ。記憶の新しいうちに次巻が出たら良いな。