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光秀の中国出兵は三河への軍勢用で家康を
暗殺する信長の手筈が光秀と家康がくんでいたって話。
眉唾ってぽいけど読むと意外と考えさせられる。
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真実と見るかはさておき、丁寧に追跡し裏取りをしているので、これが真相でもよいのではと素直に受け止めることができました。
本能寺の変という衝撃的な事件が謎のままということ自体、実は真実が集約された結果だということでしょうか。
最近、NHKで本能寺の変に迫った番組がありましたが、あまりにも薄っぺらだったので、こちらの充実度がより際立っていました。
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状況証拠からジワジワ固めていって真実をあぶり出す。犯罪捜査の手法で本能寺の変が何だったのかを明らかにする。
当然ながら現存する史料が手がかりになるのだけど、当時の常識や利害関係と照らし合わせて虚実ない交ぜになってるところを丁寧に解きほぐしていく。
そういうときの指標は「蓋然性が高いかどうか」で考えるらしいです。難しく言うと。
だからここに書かれてるのは本能寺の変の「新説」ではなくて、蓋然性が高い「復元された真実」。
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この本は明智光秀の血を引かれる方が書いた本で、4年前に「427年目の真実」という本で単行本で出されました。今回はその文庫化にあたり4年経過したのでタイトルを少し変更しただけだと思い軽い気持ちで読み始めました。
はしがきにて、この4年間に調査した内容を踏まえて追加したとありましたが、私が4年前に読んだ記憶がなくなったせいなのか、新たな事実に触発されてなのかわかりませんが、4年前に受けた以上の衝撃を受けました。
勝者は歴史を捻じ曲げることは十分にあると思われますので、いわゆる通説通りに本能寺の変が起きなかった可能性もあると思いますが、この事件をひとつの刑事事件と捉えて捜査をしてそれらを上手にまとめています。
信長は日本統一の後は、明国まで攻めるつもりだったのですね。それは秀吉がやって失敗しましたが、考え方を変えさせる(より大きな土地を得る)のは難しいようですね。その難しいことを覇権を握った徳川家康がやったのは、一目置かれることだと思いました。
以下は気になったポイントです。
・光秀と信長の確執が書かれているのは、秀吉が宣伝した「惟任退治記」である、秀吉がそれを真実として流したことも、世に知られていない(p23)
・光秀が有名な歌を読んだのは、5月28日とされるが(本能寺の変と2日違い)、当日の天気は快晴である(p29)
・秀吉は、信長の忠実な家臣でもなく信長を慕っていたわけでもない(p35)
・謀反に踏み切る必要条件は、1)謀反を起こさずにいれば一族が滅亡する、2)謀反を成功させる目算がたつこと(p52)
・足軽は、応仁の乱を契機として活躍した新しい形態の戦闘集団で、非武士身分によって構成される非正規部隊、いわゆる傭兵であった(p65)
・幕府の足軽衆に取り立てられ、まっさきに義昭から離れた光秀は、幕府に対して強い忠誠心や義理は無かっただろう(p76)
・光秀と長宗我部の畿内、四国同盟崩壊というのは明智一族には重大な問題であった(p125)
・信長を支えて天下統一すれば百年続いた戦国が終わり平和な世の中になると信じていたのに、異国の地で戦うことになる、この流れを止めたかった(p139)
・信長は当日、本能寺で何をしようとしていたのか、信長が家康を本能寺に呼び出して、光秀に討たせようとしたと考えるとつじつまが合う(p151)
・光秀・筒井順慶の軍勢を徳川領へ侵攻させる命令を発していた、これが家康と順慶が呼び出された理由(p153)
・黒人であった「やすけ」のみが本能寺から脱出して生き残ることができた唯一の信長の小姓であった(p188)
・信長の家康討ちの計画を乗っ取れば間違いなく信長は討てる、信忠討ちも政権維持も家康が味方につくのでうまくいくと考えた(p199)
・西陣を様子見にして、甲斐・信濃の織田領で策動したということ自体が、光秀に味方していたことをはっきりと証明している、家康が東陣に深入りせず初めの計画通りに6月9日に西陣を進めていれば山崎の合戦は大���く変わっていただろう(p241,244)
・斉藤利三が口を割らなかったことを知って家康や安堵しただろう、この恩義の念が、彼の娘の福(春日の局)を孫の家光の乳母(教育係)に採用することに繋がったのだろう(p248)
・光秀の謀反に加担した家康、謀反計画に係わりながら光秀を裏切った藤孝、謀反を知りながら信長に通報せずに乗っ取った秀吉、三人が密約を結んだ可能性がある。(p287)
・当時の名前の付け方は、父祖の名前からの一字に、偏き、といって説きの権力者から一字をもらう組み合わせが行われていた、家光の元服が4年も延期されたのは、当時の権力者である「頼」をつける必要があったから(p299)
2014年3月9日作成
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歴史捜査という、今までと少し違う手法、角度から本能寺の変を読み解いていく本。
著者は『驚く』事のように書かれていたけれど、信長、光秀、家康、秀吉。それぞれの人物像は、思った通りでむしろ『やっぱり』と思うことの方が多かった。
後半はちょっと強引な部分が多かったと思う。
やっぱり私は『あの人が犯人』だと、改めて思った。
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本能寺の変は、歴史としてあまりにも有名で、数多くの小説やドラマで描かれてきており、小心なインテリ武将明智光秀が無謀にも自分が取って代われると思って織田信長に謀反を起こし、秀吉にあっけなく敗れて三日天下に終わったというエピソードについて、これまでさほど疑念を感じたことはありませんでした。
しかし、この著者が指摘するように、よく考えてみると、信長の元でそれまで輝かしい戦歴を挙げ、信長に信頼されて畿内の経営を任され、秀吉と並ぶ出世頭だった光秀が、なぜ一族滅亡のリスクを背負って謀反を侵さなければならなかったのか、信長はまだ戦乱が終わっていないのに、本能寺でなぜあれほど油断していたのかは、実は大きな謎と言えます。
で、この本の解釈は相当豪快で、読んだ最初はかなり驚かされました。が、確かに言われてみると、それでいろいろなことの説明がつくのも間違いないなとも思いました。
この解釈に本当に妥当性があるのかどうか検証するのは歴史学者の仕事でしょうが、真実であるにせよないにせよ、読者としては、歴史ミステリーとして実に面白く読むことができました。
大いにお勧めです。
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日本史上最大の謀反でありながら、いまだに謎の多い本能寺の変について、明智光秀の末裔である著者が「歴史捜査」という形で謎を解明していく。
著者の説は確かに史料との辻褄もあっていて非常に興味深いものだった。この内容をそのまま真に受けるのは短絡的かもしれないけど、一説としては大変おもしろいものだった。
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ふむふむふむ!と楽しく(という言い方もあれだけど)読んだ。とても楽しかった。
歴史ってやっぱり色んな考察があると思うけど、本当にすっきり読めたし面白かったし、これはもっと注目されてほしいと思った。ミニドラマとかできそうだね。
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明智光秀の子孫が文献を元に真実を解明。
織田信長と明智光秀のみが知っていた事実。明智一族の存亡、徳川家康と豊臣秀吉の関係と本能寺の変にからんだ経緯を詳細に解明している。
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現代もメディアによって事実がねじ曲げられて報道されてるように、昔から偉い人が都合がいいようになってたんですね。
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信頼性の高くない資料で打ち立てられてしまった定説を覆し、より信頼性の高い資料を踏まえて合理的に推論可能な範囲で歴史の真実を見定めようとしている著者の態度は支持するが、語られている内容に必ずしも同意できるものばかりではなかった。
以下、あまり納得がいかない点。
・何故信長が1582年の時点で、家康を暗殺しようとしなければならないのか。武田が滅んだとはいえ、いまだ毛利、北条、上杉、長宗我部といった敵が存在しており、徳川をわざわざ敵に仕立てる必要性が低すぎる。
・光秀の土岐氏に対するこだわりが理解できないし、ましてや土岐氏を迫害したわけではない信長への謀反のために、土岐氏が理由になること自体がよく理解できない。
・家康が本能寺後に織田領の甲斐、信濃に攻め入っているのは確かに怪しいので、光秀との間に何某かの蜜謀があったのは事実かもしれない。でも、それにしては光秀支援のための動きが遅すぎる気がする。
・光秀の計画の全体像が見えない。信長を殺し、それでどうしたいのか。織田家を乗っ取りたいのか、それとも分裂させてまた群雄割拠の状態にしたいのか。前者なら、徳川と組むだけではなく、長宗我部、毛利、上杉ともうちょっと連携して、秀吉、勝家、一益等との争いに備えるべきなのに、そういったことに関して言及されていない(実際ないのだろうし)。後者だと、著者がほめている割に、光秀はあまりにも無計画な気がする。
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読み物だが、修士論文を読んでいるようだった。平氏・源氏以来昭和までの日本人が、徳川家以外は歴史に学ばなかったという帰結もすごい。
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歴史ミステリーの一つである『本能寺の変』の解明に明智光秀の子孫である明智憲三郎氏が取組む。
憶測ではなく可能な限り史実に基づき検証を加えていくのだが、なぜあの明智光秀が織田信長を裏切ったのか?
天下を取りたかったのか?
信長についていけなかったからなのか?
創られた歴史というものが多くあるというが、本能寺の変も同様に作られた歴史である。
後の支配者が自分に都合の良い形に書き換えて、今に至る。
『愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ』というビスマルクが言ったとされる言葉を引用し、日本人が如何に歴史に学んでいないのかということを伝え、様々な難局面に晒されている日本において、日本人としてどう生きるべきかを問うているのかなぁ。
最初は光秀の汚名を晴らす事が目的の本かと思いましたが、そうではなく真意を掴む事を目的として様々な研究をなさってこられた集大成のような作品。
このような視点もあるのだなぁと勉強になりました。
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本能寺での光秀の謀反、千利休の切腹、豊臣秀次の切腹これらは信長、秀吉政権でおきた不可思議な事件である。
しかし、この本によるとこれらは「唐入り」で繋がっていた。光秀の末裔である作者の鋭い歴史捜査に驚き、感動する。
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この本の内容で大河ドラマを作って欲しい。織田信長、明智光秀、徳川家康、豊臣秀吉それぞれの企てがあって、話の辻褄はあってると思う。いろんな文献を調べて書かれてるから真実味もあるし。過去を振り返り後悔する主役は徳川家康がいいんじゃないかと思う。豊臣秀吉が疑い深いかなりの悪役で。途中で死ぬ英雄は明智光秀。織田信長は自己中の敏腕経営者って感じで。