紙の本
聖マリアンナ医科大学の精神保険医取消事件
2015/10/21 02:12
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投稿者:海神の声 - この投稿者のレビュー一覧を見る
クローズアップ現代で40年にも亘って精神科病院に監禁され、東日本大震災を機にやっと釈放された患者の件が報道されていた。その精神科病院監禁を正当化しているのが精神保健医制度だ。是に対して指導医を含めて精神保健医20名の取消処分に在ったのがカトリックの聖マリアンナ医科大学病院だ。中堅処の病院として知られる。ECTと称される電気ショック療法も行なっているとある。一罰百戒の意もあったのだろう。私自身今回始めて知ったことだが患者の「自傷他害の虞」は精神保健医による強制入院の要件にはなっていないとのことである。「自傷他害の虞」自体も天気予報みたいな概念だが、それすらも強制入院の要件になっていないとは、人畜無害な患者達が大量に精神科病院に監禁されECTや薬漬けの犠牲になっていることになる。恐ろしい日本の精神科医療の現状である。朝日新聞の大熊元大阪大教授が潜入ルポを書いた昭和大学附属烏山病院の教授に元東大助教授が就任したようだが改善はみられるだろうか?日本の精神科医療改革が遅々として進まないのは厚生官僚の怠慢もさることながら、医療全体の腐敗の象徴ではなかろうか?
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偏った解釈が多すぎて、嫌悪感をもった。こんな考え方や物の捉え方がある事を学んだ。一般の人が読むと信じちゃうからチャット危険な気がする。
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精神科における向精神薬の過量投与についての本。
やや扇情的な書きぶりだが、ベンゾジアゼピンの常用量依存や抗うつ薬の過剰診断問題など、現代的なトピックにも焦点が当てられている。
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日本の精神医療の現状とその異常さ。内容は衝撃的だが、露悪趣味でもセンセーショナルでもなくジャーナリズム。必読。
誤診、拉致、監禁、過剰投与、誤用、薬依存、薬剤師の阿諛、面接力不足。
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誤診・過剰投薬など精神医療の負の側面を描いた本
内容がセンセーショナルだけど、身を守るためにも知っておいた方が良いことばかり
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何となく知ってはいたけど、現実は想像を遥かに超えていた。日本の精神科医療の闇。「闇」の一言で片付けるにはあまりに悲惨な状況。誰でもが突然この闇の中に放り込まれる可能性がある、すぐ隣にある闇。これは「恐怖」てある。とりあえずこういう現実がある、ということを知っておくことは重要。知ってさえいれば、守ることが出来る・・・・かも知れない。
それにしても、精神医療って「科学」なのか? 利益を追求する製薬会社と精神科医が、新しい「病気」をどんどんつくっていく。
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これは、こわい…
日本の精神医療の現場の暗黒面を、実際の事例を交えて暴き出した衝撃のルポルタージュ。
誤診、過剰投薬、拉致・監禁など、医療現場でどのようなことが起こりうるのか、読者に警鐘を鳴らす。
極端な例が取り上げられているとはいえ、知識として知っていおいて損はない。
(院生アルバイトスタッフ)
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タイトル通り、精神科医療の失敗や悪事について〈のみ〉述べる、そういうコンセプトの本である。一口に言って、このコンセプト自体に高い危険性があり、問題が大きいと言わざるを得ない。
現代日本の精神科医療において、良識のある医師が心の病に苦しむ患者を回復あるいは改善につなげる事例の数と、能力に欠けあるいは悪意すらもつ医師が受診者を現状より悪い状態にする事例の数とを比較した場合、どちらのほうが多いだろうか。
正確な統計があるわけではないが、精神科医療の現実を知る者の大半は、前者のほうがはるかに多いことを認めるだろう(本書の著者佐藤氏も、そのことを認める旨の発言を、ある学会発表の場でなされていたと記憶している)。
もちろん、精神疾患は身体疾患と比べてその原因の解明や治療法の開発が進んでおらず、またスティグマの問題などにより、「ダークサイド」がいまだ残存していることは否定できない。その意味で、「やはり精神科にかかるのは危険だ」という言い方には一定の理がある。しかし同時に、精神症状が現れた場合に、その改善に関する技法を最も積み重ねているのが精神医学であることは疑いを容れない。つまり、不十分な面はいまだ多いにせよ、精神医学そのものを否定しても仕方がないのである(
医療全般を否定するなら別だが)。
しかるにこの本の構成では、おそらく、この分野の素人の読者の多くは、「精神科それ自体が危険と悪意に満ちており、自分が心の病にかかることがあっても、安易に(あるいは絶対に)精神科を受診することはやめよう」、そういう感想を抱くであろう。そのことはむしろ、社会にとって大きな損失であると考える。
おそらく著者の佐藤氏は、実際に被害にあった多くの人を目にし、そうした人をこれ以上増やしてはならないという正義感でこの本を書いたのだろう。それはよくわかる。しかし、それによって精神科医療全体への信頼を低めてどうするのだ? 被害者を増やさないためにすべきなのは、特定の加害者を証拠とともに弾劾することではないのか? それがジャーナリストの仕事ではないのか。
あるいは、精神医学界全体の体制や思想を批判したいと考えているのかもしれない。しかし、それにしては調査も論述も稚拙にすぎる。
生理検査の所見によって病理を確定できない精神疾患では、診断は主に患者の主観的体験の記述に依存せざるをえず、だからこそ、その限られた材料の中で診断をつけ、治療方針を決め、場合によっては診断を途中で変更しつつ回復への道のりをサポートする、そういう技術の修練を精神科医は積んできている。そういう基本的な考え方や、それが奏功して患者が治癒した事例を一切紹介せず、どちらかといえば例外的な悪質例のみを取り上げることが、精神科医療全体への批判になりうるはずもない
(悪質例は例外的ではないというならば、悪質例が全体のどれほどの割合を示すのか、推計くらいは示すべきだろう)。
また薬物療法に関していえば、たとえばうつ病の場合、薬物療法は最小限にすべきという考えをもつ医師がいる一方で、典型的な例では抗うつ薬を規定量・規定期間服用させることが必要であ��、という考えの医師も少なくない。これは個々人の信念の問題でもあるが、両方を支持する学説が存在しており、つまりどちらが正しいか、現状ではわからないのである。そうであれば、両方の主張を取り上げたうえで、そのうちの一方を支持することを根拠とともに示さねばならないはずだが、本書ではそうなっていない。
最後に、精神医学がかつて、そして一部では現在も過ちを犯していることは事実である。そのことに関しては、然るべき形で責任をとっていかなければならない。その点の弾劾としては、本書は意味をもっている。ただ、当該分野の知識がない読者も多い新書という形態で、この内容を出版するのはデメリットのほうが大きいと思う。
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著者のネットの記事を読んで気になって購入した本。
記事はこちら→http://gendai.ismedia.jp/articles/-/38315
ここで取り扱われているケースは、あまりにも衝撃的で、今の日本で起こっている現実とは思えないものばかり。
もちろん問題提起のために、こうしたケースを中心に取り上げるのは当然のことなので、すべての精神科でこうした問題が起こっているわけではないとはいえ、信じられないものばかりでした。
ただ、自分に合った医者と出会うことの難しさはどの診療科でも同じなので、精神科だけに問題があるような扱いは不公平ではあると思うけど、精神科の不透明性や精神福祉法の問題点を踏まえると、もっと多くの人が関心をもっていなければいけないなと。
世間では「うつ病はこころの風邪」とか、「睡眠キャンペーン」とかが広く行われているけど、その裏に隠されている製薬会社の売り込みや、DSM-5への動き等、様々な動きがあることを知りました。
現実として、近年、処方箋薬による依存症が増加していることを考えると、患者だけの問題と考えずに、もっと大きな視点で考えなければいけない問題だと勉強させてもらいました。
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まあダークサイドっていうことなんで、悪い側面がたくさん書いてあります。他の精神科医療バッシング本に比べると詳しい話がのっているので、そこはいいと思いました。全面的にはもちろん賛同できない箇所あり、持ち上げて賞賛している点についてもどうかなと思うこともあり、ダークサイドにしても極端すぎるケースばかりだなあとも思いました。このような意見があることについては参考にしつつ、精神科医療に関しては過大な期待をしない、しないでほしいということですね。
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抗精神病薬の副作用の怖さ、その薬を大量投薬する精神科医たち。精神医療を巡る闇を描いた一冊。
読み進めるほど抗精神病薬の怖さを感じる。薬が廃人を生み出す。
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面白おかしい表現がされていてとても面白い。
また、薬物に頼る精神科医療の問題点が分かりやすく記載されている。自分も仕事でうつの診断を受けた人や統合失調症の人の話を聞くときがあるが、病識がないとされている人の話も真摯に聞く必要があると反省した。
また、法律家と違い慢性疾患を扱う医療従事者には案件のクローズという考え方がないことがよく分かった。その点では話が合わないことも理解した。
精神科医のほとんどが知識、技量不足であるかの表現が散見されたが、そうではなく極端な例を取り上げているに過ぎないと信じたい。
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精神医療の未成熟な部分や製薬会社キャンペーンによる過剰な薬処方について知ることができる。鬱病が身近な今こそこれを読み、理解を深める必要があるように感じる。
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精神科医って、ある種の読心術てきな力を持っている、そこまで極端ではなくても話をじっくり聞いてくれる、という能力を持っているものだとばかり思っていたが、いたって普通の、というかいろいろなしがらみに縛られた人たちが多いということがわかる。
それにしても国の司法機関すら、精神病が関係すると言い分を聞き入れてもらえないという、なんともお先真っ暗な現状に、憂鬱な気持ちにさせられる。
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誤診や過剰投薬といった精神科医療の問題点と、その事例を数多く紹介している。兄の保護入院の手続きにてこずった経験から、拉致監禁と過剰診断の章については改善されているのではないかと思う。患者自身が日本語版のマニュアルを作ったという記述はメディカルコミュニケーションの必要性について考えさせられる。