投稿元:
レビューを見る
旭山動物園の前園長の著書。
当たり前だけど忘れがちなのが、「人間も動物」なんだよね。
けど、普段の生活でそれを実感することはほぼなくて、昔娘息子に授乳するとき「ああ私って哺乳類なんだ」と感じたくらい。
この本を読んで改めて「動物としての人間」を考えたくなった。
以下、私なりの解釈もまじえて印象に残った本の言葉をメモメモ。
・動物に争いはない、例えばエゾシカのオス同士のツノの戦いは優劣が決まればそこで終わる(勝者が敗者を痛め付けたり命を奪うようなことはしない)
・種を、命を繋げるために生きているんだということ
・生き物は自意識(自分は○○という生き物だ)がなくとも、自然のなかで同種のパートナーを見つけ出せる、これはすごいことだ
・オスが子育てする、メスが子育てする、あるいはしない。全て種を存続させるための合理性に敵った選択であるということ
・生の延長に死があるということ。生にしがみつくとか精一杯生きるとかではなく、自然とは、平気で生きて平気で死ぬことだ。
投稿元:
レビューを見る
旭山動物園の前園長が、動物たちの生きざまから教わった事ごとを記している。
本能、子供の育て方、特に老いや死に関しては“悟り”としか思えないような潔さがある。
人間も同じ動物のはずなのに、どこでどう違った道を歩くことになったのか…。
エピローグの「そして夢へ」では、野生動物保護の観点から、理想の動物園像を紹介している。
一つの動物園が動物を所有するのではなく、日本全体、そして野生動物の生息地をも含めてネットワークを作る。自然環境の保全を行いつつ、動物園で繁殖を行い、ゆくゆくは環境の整った生息地へ繁殖した動物を還していく。
川端裕人著『動物園にできること』でも読んだが、動物園は、ただ見せるだけではなく、地球規模で動物たちを守っていく役割も大切だと思う。
投稿元:
レビューを見る
あべ弘士さんの著書にも「獣医のコスゲ」として度々登場する、旭山動物園の元園長、小菅さん。
旭山動物園へ向かう往復の飛行機で読んだ。
「本能だから」だなんて言葉じゃ納得できない行動や、
「誰が考えたの!?」と叫びたくなってしまうような身体や生殖の構造など、
生き物っちゃすごいなぁと感じる話の連続。
旭山動物園も「すごい!」や「なんで?」を沢山感じた動物園だった。