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全体的に中途半端な感じがぬぐえない。物語の根幹たる「小説のとおりに殺人が起こる」ことの理由付けがあいまいだし、それの原因でもある実験を行った医者もなんだかよくわからないまま登場しなくなるし。
あと主人公の性格上仕方がないのかもしれないけど、文章がひたすらに鬱屈していて読んでいてつらい。特に冒頭から最初の事件が起こるまではつらかった。文章のテンポが悪くて読みづらい。結局何が言いたかったんだ、という感じしか残らない作品でした。
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面白かった!
今回の話は好きだなーなんか。いやまあ色々なことに説明がないままなのはアレなんだけどさ。あと最初の方ちょっとしんどかったけども。
あとがきも本編の一部ですよね?と信じてみる。やっぱりバッドエンドよりはハッピーエンドが好きだ。まあ何がハッピーかなんて知らんけど。
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入間人間の作品の中で久々の良作!
登場人物も入間らしくて良かった。
ただ最初は少しだれるとこがあるけれど、中盤のからは一気に面白くなる。
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自虐ネタ全開。そういう意味ではバカが全裸がやってきたの続編と言えなくもない気がする。
良い結果が自信にならない人もいるって感覚はわかるなぁって思った。
王道でないひねくれたものはひねくれた人に支持されるのですよ。
入著者が描いた小説家がこの一冊を再び作り上げて別のオチをつくり上げるのを期待している。
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主人公の書いた小説を模倣する殺人犯… 帯や裏表紙に書かれたあらすじなどから興味が出、手に取ってみた本作。ニヒルでプライドが高い主人公の一人称で語られる内容と雰囲気は、伝奇風ラノベのそれでした。
本格ミステリと勝手に思い込んでいたので、その雰囲気や珍妙な人物名などに最初は違和感を覚えましたが、読み進めて行くうちにそれは薄れて行きます。一件目、二件目と事件が起き、ストーリーが進行するに従い、徐々に「どうなる?どうなる?」と先の展開への興味が沸々と湧いてきます。
ところが…第四章はまだしも、五章はマジなのかギャグなのか…。コミカルなアニメだったらアリな展開なのかもしれませんが、シリアスな内容なら絶対共闘しなさそうな二人が協力プレイするという流れは笑えば良かったんでしょうか。
中盤までに抱いた期待感が最後にちゃぶ台返しされたような気分で、ちょっと残念な読後感でした。
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主人公は小説家。ある時、インスピレーションのままに書いた自身の小説のとおりに殺人事件が起きた。犯行が似通っているというだけではない。被害者氏名、犯行現場の間取り、犯行の背景……。何から何まで、小説のとおりなのである。これは「模倣」か。はたまた「予知」か。
正直に言うと、本作にはあまり乗れなかった。主人公の長く重たい自分語りに嫌気が差したのかもしれない。残忍な事件を扱いながら、あまりにも軽すぎる「ノリ」に嫌悪したのかもしれない。様々な要因によって、本作を「面白い」と感じるツボを押さえ損なってしまったのである。
だもんだから、本作に散りばめられた――いかにもライトノベルらしい伏線も、検証しようという気も起きなかった。
よく練られた作品なのだろうが、残念ながらこの「ノリ」によって損している。「マジになんなよ」と言われたらそれまでなのだが。
そういえば、本書には変換ミスによる誤植が何箇所かある。なんだか、本書の作りから考えて、こんな「ミス」すらも意図的なものに感じてしまう。真相やいかに?
【目次】
エウロパの底から
一章 『よみがえるのだ、この電撃で』
二章 『悪事を重ねて出世したい』
三章 『私はすげぇ! すげぇから正しい!』
四章 『お尋ね者との戦い』
五章 『お尋ね者の戦い』
あとがき
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私は小説家だ。そしてこれは私の小説だ。私が心血を注いだ惨殺があり、私が身を削るように描いた苦悩がある。文の始まりから果てまで、すべてが私だ。
事件は私の書いた小説の通りに起きていた。犠牲者、殺害の方法、現場の描写。すべてが私の描いた通りに。
私の見る『小説』通りに。
こんな殺し方ができるのは誰だ。こんな小説が書けるのは、なぜだ。警察も、被害者も、加害者も私を疑う。『犯人』と決めつける。
だが私は『犯人』ではない。
私は、小説家なのだ。
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後半の無茶苦茶な展開や主人公の過剰なまでの鬱陶しさ&自虐はいつも通りの気がしてきた。
予知能力とどう向き合うか、というよくある考えは抱かずに読む方がいい。
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過去作ディスと自虐ネタでマイナスポイント獲得しまくりの本作だが、やっぱり安定して面白い。
読み始めてしまえば入間節満載の飄々とした語りでグイグイ持っていかれるし、中盤から終盤にかけては無理やり収束する展開で否応なしに盛り上がる。
厭世観と裏腹な焦燥感、自己肯定への行程。
ところどころ本当に切実で泣ける。
P320が自分の中でこの作品のハイライト。
「やっぱりどれもこれも、私の小説だったんじゃないか。そうなれば話は別だ、と散らかっている小説に微笑む。愛しているぞ、お前ら。」
ブレないんだよなあ本当。
この「心のブレなさ」が入間作品の根幹の魅力になっていて、いつも心を揺さぶられる。
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この主人公のモデルはやっぱり入間さん本人ですよね。類似点多かったですし。
なつきさんが再登場してくれたのは嬉しかったです。
(2014/04/05)
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彼が書いた小説を模範したかのような犯行。
これから起こる事を知り誰かに話したところで、どれだけの人間がその発言を信じるだろう。
結末を知っているからこそ、それを変える事の出来る唯一の人間でもあるのだろうな。
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単純に面白く、一気に読んでしまいました。
序盤は小説家である主人公の鬱屈とした心情を細かく描いており、なかなか事件は起こりません。心情描写の表現の割合は好き嫌いがあるかもしれませんが、私はその描写があるからこそこの物語に引き込まれました。
好きな箇所は
「進歩のない毎日だ。六十年後に死ぬことと、今の私がこれから死ぬことになんの違いも感じられない。よくないことだ。それは、とてもいけないことだ。
私の人生は私を満たすためにある。誰だって自分を満たすために生きている。それは、なぜ、とか。どうして、とか。理由や起源などに有無を言わさず存在する、人間に課せられたルールであるように感じる。」という部分です。
残された時間が自分の価値であり才能であると感じていた時代を経て、過去の自分と未来の自分に挟まれて今を否定してしまうことは誰もが経験あることなのではないでしょうか。人間らしい描写でほっとします。
ストーリーとしてはやや強引な展開も多く、普通の小説では絶対に有り得ない設定なのになぜか納得させられてしまいます。やや刺激的で残忍な描写もあるのに重く感じないのは、物語自体を書きたかったわけではないからなのかなとも思いました。
そして終盤自信をもって生きる主人公の心情の変化は、つい応援したくなります。
「自分が何をしたいのかわからない」「自信をもって生きるとは」そんな悩みをかかえていたら、ぜひおススメしたい一冊です。
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30歳を迎え、みずからの才能に疑いをいだきつつある一人の小説家が、ある日近所の医者のすすめで脳に電撃を流し込む治療を受けます。これで才能がもどるという医者のことばに半信半疑だった小説家に、とつじょ天啓のように殺人事件の映像が思い浮かび、さっそく彼はそれを小説にしたためます。
ところが、小説家の物語とまったくおなじ舞台設計の殺人事件が現実に起こったことがわかり、彼の周辺はにわかに騒がしくなります。さらにつづく作品でも同様のことが起こり、女刑事が彼のもとへやってきたり、事件の被害者の少女が家に押しかけてきたり、果てはテレビ出演することになったりと、小説家は面倒な出来事に巻き込まれていきます。
作品がどのような方向に進むのかなかなか判明せず、リアリズムの枠内に収めるのか、それとも幻想的な風味が入るのか、両方に保険をかけるような読み方をしていたせいかもしれませんが、意外に無難な着地点に行き着いたことにすこしがっかりしてしまいました。