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ガリ勉京大院生、キャバクラに潜入す__ 一流大学に通う筆者は、女らしさを売りにするキャバ嬢たちを〝そうするしかない人たち〟と哀れみ、自分とは違うと決めつけていた。しかし、ある時知人に「彼女たちもあなたも変わらない。違うと思っているなら、それはキャバ嬢を差別しているだけだ」と指摘され、愕然とする。真相を確かめるべく潜入したキャバクラは、想像以上の〝魔窟〟だった。女の矜持を刺激するランキング、〝全て自己責任〟のセクハラ対策、〝素人性を売りにするお水〟という矛盾。予想通りのくだらなさを感じつつ筆者は、徐々に夜の世界に〝ハマる〟想定外の自分に気づく……。キャバクラとは、病みとは、女とはなにか。八六年生まれの俊英が送る、〝武器としての社会学〟!
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著者自身によるキャバクラ潜入レポートである。キャバクラの内情やキャバ嬢としての技術や葛藤などが記載されており、見てはいけない裏事情が垣間見え興味深い。また、著者本人のキャバクラへ潜入にするにあたっての認識の変化も良いスパイスになっていると思う。
当たり前であり、節タイトルにもなっているが「客は客でもあり、人でもある。嬢も嬢であり人である」が私としては今回の副題として最もふさわしいのではないかと思った。キャバ嬢も人である以上、コンプレックスを持ち、人間関係に悩みながら、日々を過ごしている。特に「素人」という普通さ、極端に言えば幼さを売りにしていることで、大きな問題に直面してしまう危うさを感じずには居られなかった。
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ブクログのレビューを見ると、中身が薄い、という話が出ていて、確かに社会学の研究成果として読むのなら物足りないかもしれないが、それは新書というフォーマットに当て込んだからでは?という気はする。
彼女が生々しく提示するカネとカオの交換システム、あるいは「女性」というテーマ、上野千鶴子的でもない、サヨク的でも、フェミニズムとも何か違うような、若さでありカオであり、が消費される様、自己啓発との親和性みたいなものはこの参与観察だけにとどまらずにさらに広く、それこそ深く、掘り下げていってほしいテーマ。そこにどうしようもなく惹かれる一男性として。
近著として、水無田さんの無頼化した女たちと合わせて読もうと思う。
というわけで、今後にも期待してます。
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正直なじみのないキャバクラについてと、社会学ではこういう題材が修士論文になるんだ、という両方でためになりました
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卒論のためにキャバクラに実際入店して取材して、自らの体験を語る。彼女によるとアナウンサーなども「カオとカネの交換のシステム」だそうだ。その交換システムに自信のない著者が実際に入店してキャバ嬢になり、それでも、いいよられたりするところがなかなか。キャバクラが肉体労働でもなく、頭脳労働でもなく、感情を売る感情労働であるところは、CAなどにも通じていて、興味深い。キャバクラは素人で、クラブはプロみたいな言い方をしているが、どちらも感情労働であることは変わりなく、同様の苦労があるのだと思う。
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著者自身がキャバクラに勤め、キャバ嬢の事やキャバクラの事を書いてはいるがこれはどうなんだろうと首を傾げる。タイトルに『社会学』とあるが社会学?となる。
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普通に社会学的な本で、尊敬しました。
大学のときのディスカッションにこの文献使いたかったなー。もう大学離れて5年経ってしまったけど(´・ω・`)
おもしろかったです。
お金ないときに客に対して「お店来てよ」より「頑張ってお金貯めて、また来られるときに来てね」
→これ、ビジネスにおいても重要だと思った。長期的な視野に立った方が、win-winの関係にになれることだってあると思います。
ランキング上位のキャスト達は「キャバ嬢だけど、キャバ嬢じゃない」ことを理解してもらえることに長けてる
→これは普通の人間関係でも同じですよね。普通の人って所属するコミュ二ティによって人格が違ったりするけど、必ずしもどれが本当の自分とかって存在するわけじゃない。どれも自分なんですよね。
もちろん受け取る側の受け取り方によっては、それがネガティブなベクトル(この本の第5章の記述)に向いてしまうこともありますよね。コミュニケーションってむずかしいなー。
そして、自己啓発本に頼ったりする人もいるんですな。驚いたけど、仕事上のジレンマ?トラウマ?を、即効性のある本を読むことで晴らすのは、ビジネスマンと一緒だったりするのかも。
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キャバ嬢の中に潜む社会性について、著者自らキャバクラの世界に飛び込んで研究した、実験的な著作。
キャバ嬢の世界にある人付き合いの機微を知ることができ、教養として面白かった。
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タイトルみた瞬間興味が湧いて即購入。
キャバクラっていまだに行ったことが無いのでなんとも言えないが興味がでたのは間違いない。
内容としてはそんなに意外性のあるものではなかったが、読んで損はなかった。
キャバ嬢が素人性を売りにしてるってのがよくよく考えたらそうなんだけど、意外と盲点だったように思う。
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私はキャバ嬢だけど、あなたを騙す悪いキャバ嬢ではない。
本当は普通の女の子。
でもやっぱりキャバ嬢なの。
だからあくまで本気の恋愛感情は抱かないで、お店でお金を
落として欲しいの。
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大学院生が、無意識にキャバ嬢を差別していた反省から、実際にフィールドワークをしてみた話。
実際に行ってみて、そこで見たこと聞いたことを書いているのだから、手法はすごくまっとう。かっこいいなあと思った。
内容としては、もうちょっと深めてほしかったな。「キャバ嬢らしさ」と「素人らしさ」の間で揺らいでるところは興味深いけど、もっとたくさんのことを見てきただろうから、たくさんのことを聞きたかった。
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キャバ嬢が、というよりは、非正規雇用のジレンマがあぶり出されている。建前は「プロのホステスではない、あくまでも素人の女の子のアルバイト」。しかしゲーム感覚で煽られ指名数やドリンクの注文でポイントを稼ぐ為に頑張って、でも客との関係は自己責任。店もマネージャーも最後に自分を守ってくれる存在ではない。
だからこそキャバ嬢(業界では「キャスト」と呼称)達はそのジレンマの中で病んでいく。
「キャバ嬢であってキャバ嬢でない」との考察は面白いが、お金を稼ぐ以上それはプロであるべき、とはたから見ると思う。楽して高給取りになれる訳ではない。ベテランやナンバーワンのキャスト達はみな努力しているという。
”キャバクラ体当たり潜入ルポ”としては秀逸だが社会学的考察、ではないかと。新書で売り出すにはこの辺りの薄さ加減が限界なのか。
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キャバ嬢の社会学、ということで、キャバクラの中から見える女性性(女性の扱われ方)とかそれに対する考察とか、現代社会の風潮とかそういうのを期待していたのだけど、潜入ルポ!という感じが強かったかなあという印象。キャバクラの仕組みとか女の子たちの病みとか、そういうあっさりしたところからもっと掘り下げたものを読みたかった。
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女子の2割がキャバ嬢になりたい時代。
素人ブームによるキャバクラのブーム。
彼女らの多くは一時的なバイトのつもりで働いている。
キャバクラにはホステスクラブのように水商売の心構えを厳しく指導するママがいない。
店はキャストに対sて、あらかじめに偽の設定を細かく決めておく。それはいわば素人らしさを出演するためのノンフィクション。
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著者がキャバ嬢として働いた経験を基に書いた本で、ポイントが押さえられていて読みやすかった。さらっと読める。