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事前に知識があった方がいいと思って読んだのですが、読んで行くうちにしんどくなりました。「お父さんとお母さん、コロッと逝ってくれたらなぁ」と思ってしまいました。
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著者の遠距離介護体験を綴るマンガです。
チェックした経緯を忘れてしまったのですが、最後まで読んだら著者は自分の居住地在住とあったので、地方紙の広告で見かけたのだったのかもしれません。
自分はおひとりさまではないのですが、もしも実両親の介護をすることになると、おそらく遠距離介護になるでしょう。兄夫婦が両親の近くに住んでいるので、自分ががっつりすべてを担う可能性は非常に高いわけではないかな、とも思います。
・・・が、先のことはわかりません。
実際、先のことが見えないのが介護なのだなぁとも本書を読みつつ思ったりします。
本書の著者は介護者です。要介護者は母。父が死亡した後、「箱入り」奥さんだった母は身体状態が悪くなるにつれ、精神状態もあやしくなっていきます。そんな母の面倒を見ることになったのが娘である著者です。
おひとりさま生活が長かった著者はかなりドライで独立心の強い人です。著者は同居の選択肢を考慮にいれず、自分と母のそれぞれが一人暮らしを続ける道を選びます。
著者が母に持っている感情は相当「辛い」です。
とはいいつつ、淡々となすべきことはなし、友人の助言を受け、制度についても学び、さらには自分の体験をマンガという形にする、という姿勢から、デキる人なのだなぁという感じを受けます。
母は美少女風の「かわいいキャラ」で描かれていますが、もちろん、本当はおばあさんです。本物の母の姿に似せて描き続けることはできなかった、とのことですので、そんなところからも何となくこの親子関係の「苦さ」が浮かび上がります。
そんな2人の日々のあれこれがメインに描かれ、病気や介護制度についての解説が差し挟まれる形です。
100の家族がいれば100の形があります。介護もまたしかり。
まずは要介護者の身体状態がどのようであるのか、ですが、さらに家族関係がどうであるのか、似たような症状でもそれに対して本人の精神状態がどうなのか、経済状態はどうか、家の造りはどうか、などなどで対処が変わってきます。
副題は「あるある」ですが、確かに「あるある」と思うところもありつつ、やはり「そうなのか、こういうこともあるんだな」というところもあります。
そんななかで得られる一番普遍的なメッセージは、制度を知り先手を打っておくこと、でしょうか。とはいえ、制度も流動的なところがあり、素人が完全にすべてを追っていくことは不可能であるようにも思います。そうなると、頼りになる病院やケアマネさんとつながることが大事なのかなぁ・・・。何にせよ、1人で抱え込まず、相談できる窓を持って置くことが肝要かと思います。
蓋を開けてみなければわからず、さらには蓋が突然開く(!)ことも多々ある介護道。実際には慌てるのでしょうが、なるべく慌てず、介護者にとっても要介護者にとってもつらすぎない状態を目指していきたい、と今のところは思います。
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『愛ちゃんのボランティア神戸日記』のマンガの人や~と借りてきて読む。『ゆうことカリンのバリアフリー・コミュニケーション』でもマンガを描いてはった。
「はじめに」で、こんな風に書いてある。
▼…(略)… 親の面倒を見なければならない日が、いつかは来ると漠然と思っていましたが、…(略)…その日がいきなりやってくるとは想定外でした。地震や洪水は、遭遇せずに済むこともありますが、親がいる限りは、その老いや死に否応なく付き合わねばなりません。…(略)… 産み育ててもらった感謝はあっても、「この人みたいな人生は絶対、ごめんだ」と思っていた人と、死ぬまで濃密な付き合いをしなければならなくなりました。
転んでもタダでは起きたくなく、描き始めたのがこのマンガです。(p.1)
これまで決して良好とはいえなかった親子関係。それでも、否応なく「親の介護」はやってくる。「うっとーしい」母、「次第にモンスター化していく」母の遠距離介護を、「自分の生活は別の場にある 帰る家があるから我慢できる」(p.14)と、あくまで「訪問」でやってきた著者。
「解説ページ」を挟みながら、その母との日々がこまごまと描かれている。ことしは80になるひとり住まいの父のことを「そのときになったら」と思い、この数年は妹と連れだって(1人で行くのは正直きつい)月に1、2度くらい様子見にいくことで過ごしてきた私は、あーそう遠からずこういうアレコレがやってくるのであろうと思いながら読んだ。
マンガのなかで、著者の母は"童女のゆるキャラ着ぐるみ"を被った姿として描かれている。ところどころで「現実はこんな」とリアル風な母が描かれているが、その姿で描くのが著者には耐えられなかったという。過保護・過干渉で異常なほどの心配性だった母のうっとうしい性格が年をとってさらにヒートアップ、「どーしよ どーしよ どーしよ」とうるさい。
▼子にとって親はいつまでも大人であるから
あーうぜー どーにかなんじゃない?
となるのである (p.51)
「親だと思うから昔のあつれきが生々しくよみがえる」(p.51)という著者は、いっそナースのコスプレでもして「この人は親じゃない アカの他人 かわいそーでアホなおばーちゃんと思えば も少しクールに やさしくなれるのではないか?」(p.51)とも考える。その著者の気持ち、わかるなーと思う。
こまかくてうるさかった、まだ若かった頃の父を思い出して、メラメラというほどのことは今の私にはないけれど、それはせいぜい月に1、2度、父を「訪問」してるからだろうと思う。その限られた時間でも、ときに父の物言いに「いらっ」とすることはあるのだから。もっと頻繁に行き来が必要になってきたら、イライラがつのるだろうなーとも思う。
父はすっかり耳が遠くなり、電話が鳴っていても気づかないことが増えた。玄関のインターホンの音もこの頃は怪しい。足元も危なげになってきて、家の中でさえすり足のように歩いているから、外での転倒もあるだろう。ふだん何を食べているのか、学習を疎外された世代なだ��に献立や栄養の知識は乏しく、血圧や血糖値を慮ってそこだけは異様なまでに節制していたりするものの、栄養失調気味にも見える。
とはいえ、母が死んでからもう15年以上も1人で暮らしてきた父の生活に、口出しや手出しがそうそうできるわけもなく(口を出したところで、それを父が受け入れることもめったになく)、様子見に行ったときにいくつか頼まれる用足しをして、(じじい、がんばれ)と思って、帰る。
かなり実用的なマンガ。いざ!というときにはココロの支えのためにも、手元にと思う。
(12/15了)
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遠距離(中距離?)介護の実録。母親が可愛く描かれているのは、性格的に相容れず、始終不安を訴えてストレスを与える母親を、リアルに描く気になれなかったからとのこと。 適度な距離を取って、できるだけ自立させながら介護するスタンスは、昨今の状況ではベストな選択なのではないかと思う。母親を膝の人工関節手術で入院させるのが、後半のクライマックス。介護制度などで苦労したポイントの解説もあって参考になる。
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ひとりぐらしの娘が、夫に先立たれた母と同居せずに介護する物語。同居しようとすればできなくもないけど、あえてしない選択はなかなかできるものではないと思う。
内容はとても興味深いのだけれど、作者さんが年老いたお母さんをリアルに描きたくなくて、うるうるの大きな目、ふわふわウエーブヘア、フレアスカートの「童女」として描いているところがどうしても違和感でした。リアルでなくても、途中で1回だけでてくる元気なころのオカン仕様とかじゃだめだったのかなぁ。
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読んでいて苦しかった。介護は大変だし、それまでの親子関係が浮き彫りになってくるからしんどいとはわかるけれど、つらかった。マンガにしたって、母親を若くゆるふわに描いたって、それはなくならない。つらいな。