投稿元:
レビューを見る
杉田 雄二『医師崩壊』
本書は主に勤務医を想定した医師の勤務状況の問題点指摘と改善策を提示した書。
普通に考えれば激務だと思うのだけども、それをするのが当たり前だと思われてしまう”医師”という仕事。
あるいは、医師の健康についてほとんどの人が顧みることなく、仕事を求めてしまっているのが現状ではないだろうか?
労働組合だって、ほとんど医師の勤務状況についてはスルーしてしまっているんじゃないか?
「患者を人質にとられているから・・・」という言葉があったけども、まさにその通りで、その中で医師たちは自分の身を削って仕事をしていると思う。
この本には医師が疲弊せずに働くためのマネジメントについて、いくつもの指摘と示唆が記されているのだけども、それを行うための素地をつくるにはまだまだ意識改革と制度改革が必要に思われる。
けども、”はたしてそれが可能だろうか?”
と思わずにはいられない。
少なくとも、医師の働きぶりに思いを馳せて、気遣うことはできると思う。
そこからスタートだな。
それにしても、どんだけギリギリのところで仕事をしている医師が多いことか。
----------------
【内容(「BOOK」データベースより)】
勤務医の平均労働時間は過労死水準認定をはるかに超えている。医師が疲弊せずに働くためのマネジメントとは。———————
【著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)】
杉田/雄二
1975年生まれ。大学卒業後、医療コンサル会社勤務を経て、2003年株式会社メディカル・ステージを設立。代表取締役に就任
————————
【目次】
はじめに
第1章 勤務医の5割が過労死予備軍
・「厳しい働き方」が常態化している勤務医
・労働基準法では、規制ができない!?
ほか
第2章 心も体も壊れていく医師たち
・疲弊して離職する医師と、そうならない医師
・仕事が好きだからこそ起こる「過剰適応」
ほか
第3章 医師の心と体を守るマネジメント
・過酷な労働環境を「人助け」と思わせない
・適切な勤怠管理を行う
ほか
第4章 医師を健康にできなければ、患者を健康にできない
・医師の健康や医療の質を守るのは、医療機関の役割
・医療事故や患者からの暴力・クレームには組織で対応
ほか
おわりに
————————