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樋口達郎・・・元恋人を小口テロで奪われた青年。元恋人は経済的不安から樋口と距離をおいた。
小村・・・樋口の恋人を殺害したテロの首謀者。ワーキングプアで、唯一の希望だった野良猫が死んだことでキレてトベにそそのかされ、事件を起こす。
二宮麻衣子・・・トラックが突っ込む事故にたまたま遭遇し、そこで同じ会社の変わり者 ヘイトさんと仲良くなる。しかし、ヘイトさんが亡くなったことで、トベになり、日本転覆をはかり本人はマレーへ。。
北島和歌子・・・専業主婦のバブル女。旧来の考え方を崩そうとしない。
猪原公平・・・公安の刑事。娘がトベと接点があると気が付き、トベを逮捕する。トベは、前トベから増殖していくと知る。
伊藤圭輔・・・トベの一人。
川渕(妻)・・・夫はトベ一味ではないかと怯える。夫のフェイクにひっかかりただの浮気と知って、安心するも泣き崩れる。
川渕(夫)・・・トベに誘われるが、従来のテロを呼び掛け失敗。
奈良坂・・・息子がトベに唆され、小口テロを起こし自殺し、トベを見つけだし殺害するが空しさを覚える。
片倉・・・マレーで二宮麻衣子と知り合う。両親を小口テロで失ったことを話し、麻衣子は自分がトベだと告白。片倉は復讐は選ばず、麻衣子は生き続けることを贖罪とすると決意。あ、動機は喘息で倒れたヘイトを無視した日本人が許せない!でした。。
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前の章にでてきたひとが次の主人公(語り手?)になっていく連作短編集。名前は出ているものの一部を除いて誰なのかわからず話が進むので興味をひかれました。
たくさんの視点を盛り込んでいるためひとりひとりの語りは短く物足りなかったけれど少しずつ明かされていく展開に期待して読み進めて、ラストでどうくる!?と思ったのですが、そのラストがいまいち。張りっぱなしで放置された伏線と突然の真相にただただ驚いて、それはずるい!と叫びたくなりました。騙すために無理矢理作った感じがどうにも納得いきません。こうだと断言してないんだからこれもありだろ!みたいなせこいトリックです。ミステリとしては汚いと思いました。
文章の読みやすさとか時代背景とかいいところがいっぱいあっただけに残念。無理にミステリにしないほうがいい気がしました。
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日本の貧困層の割合の増加は、最近よく取り沙汰されるようになった。そこに目をつけたのはよいけれど、そこに虚構を混ぜることで、なんだかお話し自体はとっても薄っぺらいモノになってしまった。
時代設定の曖昧さが功を奏することもあるけれど今回は完全に失敗と言っていいだろう。
貧困層を描く場面では、まるでNHKの番組を見てそのまま書いたような境遇や心理描写で、切迫感など一ミリもない。こんな距離感で人の生死や殺人を描くなんて愚の骨頂だ。
以前のこの作者は本当に丁寧に(時に辟易するほど粘着質に)心理描写をした。そういう路線に戻ってくれることを切に願う。
ちょうど私個人、貧富の差についていろいろと考えていたときであったので、思考の材料としては面白く読んだので☆3つで。
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直木賞候補作品
登場人物は色々な形で社会に不満を持っている。
それを「小口テロ」という形で行動に移す人、うつさない人。
そう 題名にある通り、私も様々な登場人物に共感する部分も多いけど、なぜか(いっしょになりたくない!!)と思う、嫌な気分が残る。
話の中ではヘイトさんが一番、正義感があって気持ち良い人だった。
あとは・・・・嫌。
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#読了。直木賞候補作品。社会に不満を持つ貧困層の人々による小規模なテロが頻発。彼らの背を押したのは、ネット上で知り合った謎の人物「トベ」。警察の捜査で、「トベ」は複数いることが判明するが。。。ほんの少しのずれで、被害者にも加害者にもなるような世相をうまく描いている。
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貫井さんの本は大昔に「慟哭」読んで以来。
文章がとてもうまいので、性格・立場などまったく違うどの人物の話でも違和感なく入り込めた。
小口テロ自体についてはうやむやに終わらせるのかと思っていたが、最後の話でそうきたか!と。
他の作品も読んでみようと思う。
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どうにもならない憤りを感じる作品を手がけたときの貫井氏は最高です
最近の作品の中では一番興味深く、引き込まれましたよ~
個人的には終始重苦しい中で訪れた最終話・・・・・・
ちょっと意外な感じでしたが・・・・・
テロが頻発する世界で生きる10人の人々を短編形式で追っていきます
全く関係のない10人の人間がテロとそのきっかけを作った人物を通して繋がりを持っていく
現代において爆発的な普及を遂げたインターネットにより、かつて起きるはずもなかった形式の犯罪が連鎖的に発動する
中間層と貧困層の格差から社会のありかた、日本自身を問う興味深い作品であります
世界に認められる日本人のやさしさや真面目さっの矛盾ってのも指摘されていて
確かに他人を思っての思いやりって少ないかもね~
自分にどんな見返りがあるのかを考えているところって大きいし
何てことも考えさせられた物語でした
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日本各地で小規模なテロが頻発する。
実行犯は、派遣社員やアルバイト店員として働いてはいるが貧困から抜け出せない、ワーキングプアと言われる人たちだった。
彼らは、自らを“レジスタント”と名乗り、歪んだ社会を正すためという大義名分のもと犯行に及んでいた。
このテロに何らかの関わりを持つ10人の人々の目線で物語が進む。
全てを世の中のせいにして加害者となる人。
人づきあいが苦手でネットの中でしかコミュニケーションを取れない人。
ニュースで事件を知っても、自分とは関係ないと無関心な人。
無関心な世の中に憤りを感じている人。
そういう人物を描くことで社会の闇に迫ったんだろうけど、彼らの人物像や考え方や発言がどこかで聞いたことあるようなステレオタイプで、どうも薄っぺらく感じてしまった。
偏った人ばかりなのが気になった。
作者の感じている社会への憤りは十分に伝わってくるし、その思いにはとても共感できる。
もう少し登場人物たちが多面的に描かれていたらもっと面白かったんじゃないかな。
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「小口テロ」と呼ばれる小規模なテロが起こるようになった日本のお話。
テロの被害者になった人、テロの加害者になった人、はたまたテロと直接的な関係はない人など
ハッピーエンドだったりバッドエンドだったり、いろいろな10人の物語が書かれてあります。
個人的にはすごくおもしろかったのですが、最後は「うーん」という感じでした。
意外とあっさり終わったので、もう少し後味悪い方が私は好きです。
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なかなか考えさせられる話でしたね。短編集のような形式をとっておりますが全体的には1つの長編といった小説です。ある首謀者が社会の弱者たちを使唆して小口テロを引き起こし、社会に一石を投じる事件を頻発させることで社会全体として弱者に対していたわれるようにいい方向に変えていこうという話ですが、格差社会に対する警鐘、特に日本人中流層のあかの他人に対する冷淡さ(自分さえよければ主義)、憎しみの連鎖からは何も生まないなど日本人としての深い難題にメスをいれた社会派小説で私的には非常に面白い内容の一冊でした!オチもなかなかの短編トリックであったと思います。
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私も目の前で展開する事件に身を投じることができなかったことが2度ほどある。とても危険だったし、周囲の連中もその判断は正しかったと評価してくれたけれど、今でも軽いトラウマになっている。都会に住んでいる人ならば、多くの人が経験したかもしれないテーマだと思う。ストーリーは問題を提起しつつ、エンターテイメントとしても楽しめる絶妙の仕上がり。締めも良かったです。
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社会の底辺で苦しむ人々が、唯一の楽しみであり逃げ場でもあるネットの世界。そこで知り合った相談相手に、世の中を変えろと唆され、身を犠牲にしてテロに走る。
自爆テロを勧めるだけの黒幕は、いかに正義を振りかざそうとも、卑怯でしかない。疲れ果て、守るべきものもなく、テロに走ることでしか自分をの存在を確認できない人々の哀れな姿がやるせなかった。
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複数同時進行ではらはらさせられ、つい読み進められてしまったが、ちょっと竜頭蛇尾・・・
壮大なスケールを匂わせながら最後はあっけないと言うか少しガッカリな感じ。
吉田修一の「怒り」と似た「釣り」のテクニックなのかなとも思うが、レベルが違うな。
残念
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友人に勧められて読みました。
リアリティのある人物描写で、飽きずに読みきりました。
最後の話だけは、あまりリアリティが無い(こんな人はいなそうという意味で)かもしれません。
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面白くなくはない、かなぁ。けどこの並びでこの時系列は卑怯よなぁ。もうちょっとうまく作ってほしかった。