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【ネタバレ】「小口テロ」と呼ばれる、一見無関係な人々が連続して起こすテロを巡る人々の物語。最終的な黒幕が誰なのかは簡単に予測できたのですが、最後の種明かしには大いに驚かされました。結末がちょっと物足りないので★一つ減点。
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小口テロ?規模が小さかろうがテロはテロ。
自分の境遇を不満に思っての抗議の行動なのでしょうが、
そのはけ口にテロを起こすなんて、甘ったれんな・
ふざけんなー!!です。
巻き込まれた人にとっては、たまったモンじゃありません。
背中を押したトベの責任は重大。
「そうだよね」とヒョイと実行しちゃう方もどうかと
思うけど、そこまでトベに洗脳されちゃってたのかなぁ。
世の中、何もかも平等というわけにはいかないと
思いますよ。どこかで何かしらの折り合いつけてなきゃ、
しょうがないんだと思う。
与えられたチャンスをモノにできなかっただけかも
しれないし、自分から逃げただけかもしれないじゃない。
(→この辺は自分に対して言っている。)
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第151回直木賞候補作。
社会に対する不満から「小口テロ」を起こす人たち。彼らの背景をしっかり描くことでリアリティが出ているが、「小口テロ」までの持って行きかたが些か強引なところも。
日本人の無関心さや同調性バイアス、自分さえよければのエゴイズム。
テロリストは間違いなく狂っているが、現場で助けもせぜに携帯で撮影などする奴も大分狂っている。
話の構成や人物の登場の仕方などはとても良かった。
「トベ」の由来は無いのかな?
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好きな作家さんなだけに残念です。
読んでいる間ずっと気持ち悪く、
最後も「えっ終わり?!」という感じでした。
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優遇される富裕層と、搾取される貧困層。そんな冷淡な社会への抗議として、立て続けに起こる「小口テロ」。貧困にあえぎ、自分の居場所を見つけられず、ただ社会への怒りを募らせたレジスタントたち。しかしその背後に彼らを操る存在があった。
タイトルの通り、どこかしら自分自身にも共通点を見出す登場人物がいるのかもしれません。テロに対する姿勢はさまざまだけれど、今の社会が完璧なものであるとはきっと誰もが思っていないはず。その不満をただ爆発させるのか、押し殺すのか、それとも変えようと動くのか。そしてその変え方は……決して賛同はできないけれど。考えは分からないでもない、かな。
各話の扉に描かれた黒い模様がどんどん大きくなっていくのが、まるで広がる「絶望」を表しているようで印象的でした。
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社会への恨みは誰の胸にも芽生え、何かをきっかけに爆発するのかな?
そういう意味でもタイトルどおり自分に似た人が大勢出てきて恥ずかしくもあり、あせった
単なる犯人探しの推理小説ではないけど一応事件の全貌も分かるようになっているところに魅かれた
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自分に似た人はいませんでした。余りいい読後感ではないので、気分がブルーな時は読まないほうがいいでしょう。
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「小口テロ」が頻繁に起こるようになった日本。
レジスタントと称し社会に抵抗する貧困層の犯人たち。
組織があるわけでもなく、犯人同士の繋がりはないかのように思えたが
実は「トベ」と呼ばれる何者かに教唆されていた。。。
読後感の悪い話が繰り返され、読み進めるのが嫌になった。
消化不良な感じが、いただけない。
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貫井さんらしい作品です。ラストは意表を突かれましたが、あっさりしていて、少し物足りなさを感じました。
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テロをめぐる10の物語。物語同士はゆるくつながってる。ひとつひとつが切ない。どこで間違っちゃったんだろうという感じで。最後の話には驚かされました。
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★2014年7月16日読了『私に似た人』貫井徳郎著 評価B
評価Bはちょっと辛めかもしれませんが、貫井氏であれば、サスペンスの視点からもう一歩踏み込んだ面白い作品が書けたのではないかという思いが、一ランク評価を下げさせています。
社会性、時代性を取り込みながら、一気に読ませてしまう作品の魅力は十分です。しかし、今回の話題も、格差社会、貧困層、若者の閉塞感、SNSの閉ざされた世界という読んでいて息苦しくなるようなテーマを扱っています。
従って、強く時代性は感じつつも、私などにはちょっとついていけない感覚の部分もあり、評価が難しい作品となっています。
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自分が不幸なのは社会のせいだとテロを起こす人、それを唆す人、巻き込まれる人、テロリストを追う人。
なんともやり切れない気持ちになります。
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貫井さん初読み。小規模のテロが頻発するようになった日本を舞台に、様々な人間模様を描いた10編の連作短編集。テロの黒幕に迫っていくミステリーの部分にやや物足りなさを感じるけれど、社会的・経済的弱者が抱える不安や社会の問題点をうまく描き出している。テロという殺戮行為にはもちろん共感できないけれど、利己的で冷淡な社会を変えたいという気持ちには共感を覚えるところもある。明日からもっと他人に優しくしてみようか。
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ワーキングプアとかバブル世代とか。なんでも時代の、世の中のせいにするのは、どうなの?と思っているけど。
歴史の教科書なんかを振り返れば、そう言えないこともないのかしら、と。
なんとも歯切れの悪い、後味の悪い、もやっとした闇。
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タイトルはこれでいいの?と思うけど、かなりの面白さ。あの「乱反射」の発展系ともいえる、様々なつながりの物語。まさに「小市民の観察者」(と僕が勝手に名づけている)たる貫井さんらしい繊細な心理の積み重ねで形作られた、パズル的要素も楽しめる一級品な小説です。
社会派とも思えるテーマが続いてますが、たぶん貫井さんの興味は人の心理と小説的な技巧にあるような気がします。無差別殺人=「小口テロ」という捉え方とその名称に違和感が拭えなかったことだけが惜しまれます。
殺伐としたお話ですが、ラストは希望をつなぐ苦肉の策か。いや、でも大満足の一冊でした。