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献本で届いた本。
戦国時代は読んだこともないし、読もうとも思わなかったですが、やはり当たって送って頂いたブクログの方々に感謝してちゃんと読みました。
正直、面白かった!!!
戦国武将はまったく知らず。言葉が理解不能なものがありましたが、勝頼、信長、秀吉、家康のやりとりはアツい!!
でも、戦国と言う時代は、幕末より凄いと思った。そして信長という人物に惹かれた。。。ちょっと戦国時代かじってみたいと思うのでした。
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長篠の合戦を取り上げた作品。
信玄亡き後を継いだ勝頼と、信長との最後の一戦。鉄砲を用いての戦い方を変えたと言われる戦いではあるが、歴史の教科書などではほぼ概要というか、そういう戦いがあったということしか知らなかったもの。
しかし、こんなにも様々なドラマが秘められていて、且つ用意周到に準備されて起こるべくして起こり、想定通りの結果となったと言うのは非常に興味深い。
その準備の中で不可能を可能にすべく働いた男たち。簡単に諦めない事で未来を切り開くことの大事さ。
本当にそう思ったのかはわからないが、不可能を可能にする事で、将来の戦い方が人間にコントロールできないものとなる可能性を示唆するようなコメント。
人間の欲が争いを産み、守るために戦う。勝たなければならないが、負けるまでいつまでも繰り返される争い。
欲が無ければ、今以上のよい状態にはならないと思うし、その結果様々な利便性が産み出されて来たのだが、その結果繰り返される争い。
なんだか侘しさを感じる。
でも、今より良い世の中を創り出すことにチャレンジし続けたいと言う想いを持ち続けようと改めて思う。
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超有名な「長篠の戦」前後を書いたものでありますが、そこに恋愛模様など羽を休める隙も全く無く徹底してハードボイルドで、信玄亡き後の武田家家臣の諸武将や細かな地名・城名も飛び交い歴史者初心者には少々ハードルが高いように思います。が、それだけ戦国の世の非情さが浮き彫りにされ臨場感があります。“武田勝頼”“家康”“秀吉”などの各視点から交互に話が進み、各陣営を冷静に俯瞰できる構成なので、贔屓の武将に肩入れする事無く、そこにもし自分が居たらどう感じどう動くか想像しながら読むのも楽しいです。(献本当選)
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伊東さんの長篠合戦本!ということで読んだ。
やっぱり面白い。
長篠を勝頼・信長・家康・秀吉とその他の人物の視点で描いていく。
伊東さんの描く家康は、前作「峠越え」と同じなので、
一般的な家康のイメージだとびっくりするかもしれない。
でも、信長と家康の対峙するシーン、伊東さんが書くとすごく緊張感があって面白い。
秀吉と秀長のやり取りが面白くて、秀長も読みたいし、小牧長久手のあたりも読みたいなぁと思う。
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この歴史小説がすごい!2014年版の1位だそうです。
歴史的にも有名な、長篠の戦が描かれた歴史小説。
信長、秀吉、家康、利休VS武田勝頼。
単純な【戦い】ではなく、人間臭くドラマチックの描かれています。
もう、散々書かれ尽くした戦国時代の歴史小説なのに、また、こうやって面白い本んが出てくる。
沢山人が死んだ、歴史的に暗黒な時代なのに、これほど惹きつけられるって、やっぱ日本の男子のDNAに、絶対何か入ってるな!!
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長年興味を持っていた「長篠の戦い」に関する歴史小説で、この本の特徴は、武田勝頼・徳川家康・豊臣秀吉と、もう一人の隠れた主人公(武田信玄の治めるある地域の国人)達の、心の思い・つぶやきをメインにしている点です。
この本で認識を新たにしたのは、この戦いは「徳川vs武田」が当事者で、家康が当時の同盟者である信長に援軍を要請しているものだということです。桶狭間の戦い直後になされた同盟は、締結された当時は同盟でしたが、この時期には実質的に家康は信長の命令(要請、提案)を受けるしかない関係になっています。
この状況での小説なのですが、この本を通して、なぜ武田軍は無謀と思われながらも、三段馬防柵に突撃しなければならなかったか、それまでに何度も戻るチャンスがあったのに、そうできなかったのか、もし戻ったとしたらその後にどんな運命が予想されたのかが、私なりに理解できました。
戦いが始まるまでは、苦言を呈して消極的な発言が多く見られていましたが、いざ全員で決議すると、命を顧みず(本当に命を落とします)突撃していった姿、大将である勝頼を守ろうとした姿は素晴らしかったです。
また、実際の戦闘には参加せず、コンサルタントのように、戦略のみを勝頼に提言した「釣閑」は、この小説でイイ味を出していました。どんな結果(今回の戦いで大敗して有力宿老がいなくなった)になろうとも、自分の非を認めず考え方を変えてよい方向に考える姿は、物語として読む分には反面教師的にためになる部分が多かったです。
今回のように、当事者の勝った方の視点からではなく、ある事件(戦い)に巻き込まれた人達の思いを、それぞれの視点から書いたこのスタイルで、他の戦い(桶狭間、本能寺、関が原、大阪の陣など)についても取り組んで欲しいと思いました。
以下は気になったポイントです。
・元亀4年に武田信玄が没し、甲斐・信濃・駿河3カ国、飛騨・上野・遠江・美濃の一部、合計130万石、3.4万人の兵が勝頼に譲られたことになる(p10)
・武田家と他家が異なるのは、宿老たちのほとんどが武田家と重代相恩の間柄にはなく、信玄の抜擢人事によるもの(p15)
・この頃の徳川家康は、三河・遠江両国で50万石、1.3万人ほど、拠点は、岡崎・吉田・浜松・高天神の4城(p21)
・この頃の羽柴秀吉は、北近江3郡を保有、信長は、尾張・美濃・伊勢・山城を中心に11カ国400万石、10万の兵(p35、39)
・北条氏は、細部まで整備された法制と評定制度で、武田・上杉の精神的主従関係に対抗した(p38)
・戦国大名は、他国の侵略者から領民を守る見返りに、年貢・賦役といった税を徴収していた、その約束が果たせない場合は、領民は耕作地を放棄して欠落逃散、領土に荒地が広がる、戦国大名は、政治・軍事両面において競い合う存在であった(p55)
・信長は、家臣個々の適性を見抜き、適材適所を心がけていた。桶狭間で今川義元を討ち取った毛利新助は、馬廻りで後進指導をしている、今井宋久は、摂津に2.2千石の所領、摂津5箇所の代官職など(p65、83)
���応仁の乱により、幕府と大内氏の関係が悪化し、瀬戸内通商航路が閉ざされたので、紀伊水道から土佐沖を通る南海航路が使われた、これにより尼崎、神埼がさびれた。それまでは堺よりも栄えていた(p136)
・この時代の銀1貫目は、約100万円相当、3000張の鉄砲に銀15貫目と信長は宋久に交渉した(p141)
・玉薬の欠乏と信長の勢力伸張は、真綿で首を絞めるように武田家を苦しめており、それを打開するには徳川領奪取しかなかった(p218)
・酒井忠次に率いられた部隊には、鉄砲500と4000の兵であり、大野川南岸の諸砦に陣をしく武田軍はひとたまりもなく蹴散らされた(p311)
2014年5月4日作成
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長篠の戦いにスポットを当てた小説。人物の描かれ方が他とは大分違うので新鮮でした。退路を断たれたから突破を図ったというのはなかなか新しい解釈だと思いました。ただ武田の宿老が大した活躍もないまま炎に飛び込む蛾の如くホイホイ死んでいく描写は武田贔屓の自分にとってはちょっときつかったです。
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武田信玄の死~長篠の戦いまでの2年間を、
勝頼と、家康・信長・秀吉の思惑を中心に、
各々が時系列に交錯しながら描かれており、
少し砕けてますが、本格的な軍記物でした。
特に、物語の中心となる4人の戦国武将が、
それぞれに特徴的に設定され描かれており、
単なる合戦記に止まらないストーリー性は、
読み飽きさせない面白みがありました…。
「長篠の戦い」は…、
日本史の教科書では必ず記載される戦であり、
鉄砲の活躍など歴史の分岐点ではありますが、
その内容まで知る人は、多くはないでそぅ…。
最近では、有名な「鉄砲三段撃ち」の実在が、
学説では、疑問視もされてはおりますが…、
本作では、鉄砲の三段撃ち説を採用しており、
且つ、物語全体の重要な鍵ともなっています。
一方で、
有名な鳥居強右衛門のエピソードなどは、
時系列の中で触れられている程度であり、
あまり欲張り過ぎてない点もよかった…。
文体も含めて、とても読みやすい作品でした。
伊東さんの作品では、既刊『武田家滅亡』で、
長篠の戦い~武田家滅亡までが描かれており、
この後、引き続き読んでみよぅと思います…。
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伊東潤らしくないエンタメ感抜群の歴史小説。
あまりにも有名な長篠の戦を信長、秀吉、勝頼、下っ端の土豪、の視点から見る。
均一な品質の鉄砲をいかにして3500丁揃えるのか、短期間にいかにして射撃を習熟させるのか、武田に無二の一戦をせざるを得ない、そして頑丈な馬柵に向かって突撃せざるを得ない状況をいかにして作り出すのか、が刻一刻と描かれる。
盛り上がることおびただしい。こんな着眼点があるなんて!
そしてクライマックス、武田騎馬軍団は死を顧みずに吶喊していく。この辺は「影武者」を彷彿させる壮絶な情景です。
史上類を見ない完全勝利を治めた織田・徳川軍団。ここから武田家滅亡に向かう武田家。
う~ん、上手いこと著者の代表作「武田家滅亡」に繋がります。やるじゃん、伊東潤!
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各人の視点で綴られる長篠の戦い。
各人の思惑が絡み合い、戦いは仕組まれていく。
戦う前に勝負が決まるというのは本当だなと感じさせらた。
面白く読みやすい。
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長篠の戦いをメインとし、家康、勝頼、秀吉、帯刀(武田の一兵士)の視点からの話でした。主人公(話し手)がコロコロ変わる小説というのは、あんまり好きzyないのですが、これは非常に読みやすく、そして展開も早くすぐに読んでしまいました。
秀吉の信長の無理な注文や家康の管理職的な悩み、勝頼の2代目のつらさ、帯刀の一兵士の気持ちが非常にわかりやすかった。
個人的には、武田家というのは好きなんで山県・馬場がもう少し前に出てきてもよかったのではないかなぁと感じましたが・・・この作品の釣閑は非常にいい味を出してました。信長以上の濃さでした
伊東さんの作品の武田家滅亡も読んでみようと思います。
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武田信玄の死から長篠の戦いに至るまでを、勝頼、信長に仕える秀吉、家康、それぞれの視点から描いた歴史小説。
自分はあまり戦国時代の歴史に強くないので、歴史解釈についてはあまりどうこう言えないのですが、話としては非常に面白かったです!
それぞれの武将の心理描写が濃密です。勝頼は偉大な父信玄の後を継ぐわけですが、父が偉大すぎるために父の時代から活躍した家臣たちをまとめるのに苦労します。そうした苦悩とともに見えてくるのが宿敵信長への想い。突撃を決意する場面も非常に読みごたえがありました。
一方で家康は信長とともに武田軍と対峙するわけですが、自分の弱さを認め強いものに巻かれるため、不本意ながらも信長に振り回される家康の心理描写もとてもしっかりと書き込まれています。
秀吉が信長からの無理難題に対しての活躍っぷりも楽しく、そしてそれぞれの武将視点から、信長像というものも浮かび上がってくるようにしっかりと描かれていました。読み終えたとき、歴史上の名前だけしか知らなかった人物に、それぞれしっかりと人格が与えられたような気分になりました、
そして武将目線だけでなく、武田軍の兵士の視点を取り入れているところもこの本の良さであると思います。仲間のため、家族のため生きようとする姿や、戦に対する思いを語る場面はとにかく切なく、戦国時代の話とはいえ、こうなることを避けることはできなかったのかな、と思いを馳せてしまいました。
長篠の戦は有名な戦いで、どちらの軍が勝ったか知ってる人も多いと思います。それでも戦いに向かって進み続ける男たちを真正面から描き切ったこの小説は、結果が分かっていても、楽しめる小説だと思います!
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長篠の戦いの詳細な物語。
信玄なき武田家の葛藤。
家康の信長への劣等意識。
秀吉の「否」と言えない信長への忠誠心。
そして鉄砲の玉の調達で雌雄が決した戦い。
小説としての面白さという視点からはいささかスピード感に欠けるが、多方面で歴史を分析してよく描かれている秀作です。
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信玄の亡き後、勝頼の武田と信長、秀吉、家康のその後の時代を築く面々との長篠の戦い迄を描く。家康、秀吉がカリスマ信長に逆らえ無い中、上手く使われ戦略、武器、戦力を優位に戦う。史実上の真意は?だが、この時代小説は始めてだったので面白く読めた。信玄がもう少し生きていたらその後の時代が違っていたのか??
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勝頼、信長、秀吉、今井宗久などお馴染みの連中が登場して、それぞれの駆け引きをするさまが、弱者の視点で描かれていて楽しめました。なかでも家康の信長に対する劣等感と畏怖する気持ちが面白かった。そんな彼が最後の餅を食うのだから歴史は奥深い!