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夏になって各出版社が文庫フェアをはじめると、その冊子をてきとうにめくって開いたページにある本を読む、という遊びを数年前からしている。読んだことのない作家、ジャンル開拓のためにやってて、これは去年引いた本。まさに初めて読む作家で、ちょっとおいとこう…と思っているうちに1年経ってしまっていたよ。今年のを引いたので、それを読む前に読んどかんとな。
主人公に共感できない(考え方とか価値観だけじゃなくて、なんていうか場面場面での思考や行動にも共感できない。主人公がそうしないと話が成り立たんから仕方ないとこなんやろけど。)のと、その主人公の自分に酔ってる感じの地の文がしんどくて積もり積もって終盤になると萎えてしまったので評価低めなんやけど、ドキハラ展開もあって中盤は面白かったし、分かりやすくて読みやすいし、83年ていう時代設定もよかったと思う。あまり昭和感は感じられんかったけど。主人公のその後のどんどん黒くなっていく姿が思い浮かぶラストもいいんじゃないかな。上(明るい方)に行きたいから頑張るのに波田くん自身は黒く暗いところに潜るようになるんだねえ。
しかしこの時代、公務員や教師は仕事量に余裕があったのかな??今はキツいことで話題になったりするけど。