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大正末から昭和の初めくらいの時代設定だろうか。最初は理解できなかったが、進むにつれてなんとなく色々と分かってくる(分からないこともある)。淡々と進むとこが良い感じだった。細かい設定はあるが、陰陽師的な主人公が穢れ的なものを祓う的なことをしたり、季節を楽しんだり、妻が猫になったり、猫の家族が増えたり。にゃーん
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恩田陸さんの常野物語をちょっと思い出しました。
悪いものを祓う力を持った地域の出の主人公の妻がある日猫になってしまう。
そしてそこにある日子猫の多美も加わってのんびりとお話が進んでいく感じです。
悪いものを祓いながらものんびりしたお話です。
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猫が登場する物語を探していて辿り着いた。
物語に盛り上がりは全くないのだけれど、兎に角私の好きな世界観だった。
蘆野原出身の長筋である和野和弥と事の見立てをする美津濃泉水の関係性が、陰陽師の安倍晴明と博雅の関係性を思い出す。
しかし陰陽師ほど生々しい怪異が起こる訳ではなく、淡々と事を為していく様が爽やかだった。
猫好きな作者さんの目線も好ましかった。
全てをあるがままに受け止めていく、そして自分の宿業を粛々と成し遂げていく生き方も良い。
韻を踏む呪文も面白い。
こうしてどこかで誰かが知らない間に災厄を祓ってこの世が回っている事を想像すると、何だかとてもありがたいなと思う。
『書物の中にだけ存在する〈よみのくに〉への門。蘆野原は、あの世とこの世を繋ぐ境目にある土地。 そこに住む人たちは、神様と言葉を交わす。』
とある様に、「蘆野原」は古事記の『豊葦原の中つ国=高天原と黄泉国の間である地上』を意識して
付けられた名前なのだろ。