紙の本
ラストで覆る!
2021/04/20 23:39
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投稿者:昼休み - この投稿者のレビュー一覧を見る
穏やかなミステリーのように思える話も、ファンタジーのように思える話も、ラストで絶望を感じ、ゾッとして現実に引き戻される。
初めて読んだ時は怖さがちゃんと理解できなかった「妖精の学校」のラストの意味もちゃんと理解できたと思うし、表題作のタイトルの意味にもたどり着いた。
一番好きな話は「終の童話」。
紙の本
叙述じゃなかった
2015/06/07 18:11
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投稿者:一匹狼 - この投稿者のレビュー一覧を見る
帯に最後の一行で全てが覆る、みたいなことが書いていたので北山猛邦が叙述トリックを書いたのだろうか? とおもったら違いました。
正統派なミステリーだったりファンタジーな世界観だったりホワイダニットだったりとバリエーション豊富で楽しかったです。全体的にえげつない話でしたが。
それと二つ目の妖精の学校だけネットか何かで調べないとわかりにくいかも知れません。
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2014/4/24 Amazonより届く。
2021/1/7〜1/9
城シリーズでお馴染みの北山氏の短編集。2012年のこのミス15位にランクイン。「恋煩い」、「妖精の学校」、「嘘つき紳士」、「終の童話」、「私たちが星座を盗んだ理由」の5編。帯にある麻耶雄嵩さんの「彼らは未熟で純粋な故に、ラストの一行まで掌上に運らされてしまう」という推薦文の通り、最後の最後に世界がひっくり返る。
個人的には「恋煩い」と「終の童話」が好みか。
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不思議な後読感の残る短編集でした。
少女漫画風な世界観で、少し心が痛む作品達。そんなイメージでした。
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北山猛邦の短編集。城シリーズとはまた違った、上手さがある。表題の「私たちが星座を盗んだ理由」は、兄弟姉妹がある人なら感じたことのある、幼いころの兄弟に対するやり場のない感情が描かれていて、とても切なかった。
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5編すべてがどんでん返しのファンタジック短編集。
ラスト一行どんでん返し、というよりはそうだなラスト一行で握り潰され、あるいは踏みにじられ、あるいは打ち砕くといった方がよろしい。崩壊。
純粋さ故に残酷なラストをむかえる彼らが。
思っていた方向の結末じゃなく、良い意味でも悪い意味でも裏切られた。残酷エンドだと知っているのに。
わりと気になる作家さんになりました。
「躍るジョーカー」も読んでみようかな。
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ミステリーというのかサスペンスというのか。
表題作は切ない。私は断然一話目の「恋煩い」がゾワッ。残酷だぁ〜
次いで二話目の「妖精の学校」も。
それがどこで、何を意味するのか分かった時に寒気がした。怖すぎ。
ホラーとは違う、背筋がゾワッとする感じ。
ただ、どこかファンタジーの様な、異世界の様な雰囲気を醸していて、とってもミステリアスな空気を纏った一冊。
どのお話も初めの流れから一転、覆される感じが共通してる。
でも可愛らしい装丁とファンタジーな題名に惹かれて、ほんわか系のお話を想像して買ったから、そこが一番覆された!
やられた〜!
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個人的に短編集はちょっと苦手なのですが、本作は佳作ぞろいで、集中して夢中になって読んでいたように思います。
「恋煩い」は辻村美月「ふちなしのかがみ」に似た雰囲気で、こっくりさん的な“うわさ”を信じて自分の願いを叶えようとする少女の話。ミステリアスなお話ですが、どこかしら爽やかな青春感が漂っていたので、真相を知ったとき、そして最後の「ひとこと」を読んだときのおぞましい感覚には戦慄を覚えました。
「妖精の学校」これは苦手な部類のお話。現実なのか完全架空世界なのか、中途半端な舞台設定にちょっぴり読む速度がダウン。しかし、最後の一行は…あとで Google で調べてみたのですが、そのときに感じた恐怖感は新鮮でした。情報が遮断され制御されてしまうと、こういう世界が“普通”と感じてしまうんですね…
「嘘つき紳士」この結末は読めませんでした。乾くるみ「イニシエーションラブ」に近い、いや〜な感じの読後感ですね。もっとふんだくっておけばよかったのに、とか思っちゃいました。
「終の童話」悲しい話。「いなくなった人間のことは、忘れなきゃいけないのよ」は今を生きる私たちへのメッセージなんでしょうか。その人への思い入れが強いほど、それが難しいというジレンマ。主人公のウィミィに共感しすぎて、辛い気持ちになりました。
そして「私たちが星座を盗んだ理由」。他のいくつかの短編にも見られた、相容れない“望み”の良くないパターンの行く末を見たように思います。他を犠牲にしても手に入れたいものがある、という気持ちは分からなくはないですが、こういう結末を見てしまうと、そうした行動は後味が悪いだけのように映ってしまいます。
最も、現実ではそんなことはおかまいなしの人たちが、いわゆる勝ち組になっているという理不尽さがある訳で…
どの作品もため息が出るような重い終わり方だったのですが、夢中になって読むことが出来たのは、やはり純粋に作品として面白かったからなのかな、と思います。これだけ人を惹き付けられる力があるのなら、ぜひともポジティブな気持ちになれる作品を書いてほしいところ。
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1:おまじないに託した恋の行方
2:妖精さんになりたい少年少女
3:ケータイが繋ぐ遠距離恋愛
4:石の女性を愛し続ける少年
5:キミに捧げる夜空の星座
の5本からなるドキドキの短編集!
…と書くといかにもキラキラな恋愛小説のようだけれど
そんなことはなく
どの作品も思い描いた通りのラストではなくて
「えっ……」と一瞬思考を止めてしまう
読みやすい文章で、引き込まれて行く代わりに
突き落とされた衝撃がまた半端なく
ちょっと想像してたのとは違った短編集だけど
とても楽しめた
4つ目の話は、ラストどっちを選んだのかなぁ…
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5つの作品が入った短編集です。
『妖精の学校』と『私たちが星座を盗んだ理由』以外は、どれも、そうなのかな・・・?と、何となく思っていた事がそのままラストに繋がっていましたが、柔らか過ぎずハード過ぎず、絶妙なテイストで、全部面白かったです。
『妖精の学校』のオチは、「あーあ、そうか、成る程ね!」という感じ。
『私たちが星座を盗んだ理由』の方は、1段階目のオチは予想がついていたものの、ラストは、「あー・・・」と。
どちらも、良い意味で予想を裏切られました。
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面白かった。この人の描くメルヘンチックな世界は、観る者をゾッとさせると同時にずっと眺めていたいと感じさせる奇妙な毒を孕んでいる。ミステリのために創作された奇形の舞台は、そこに内蔵される不安定性さ(なぜこんな歪な世界が存在しつづけるのだろうか)、その残酷さ(なぜこんな理不尽な世界が存在しているのだろうか)を我々に訴えかけてくる、。そのどうしようもない負のエネルギーは、どこか我々が生きるこの現代に似ているのではないか?と感じさせる。
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どんでん返しが来ると思い身構えていても、そういう方向か!という驚きがあって面白かった。
恋煩いのラストが不気味で良かった。
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先が予想できないからこそ、物語というものは面白い。5編の短編には思ったほどのブラックさはないものの、読み進めてたどり着く結末に驚きを覚える意外性は大きい。「世にも奇妙な物語」のネタにもなりそうかな。
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短編ミステリー五編、まずはどれもシンプルに楽しめた。ある意味でお伽話とも寓話とも取れる構成で、展開の緩急も含めてそれぞれに個性がある。その上でやや釈然としない解や読者に判定を委ねている感はあるが、それもこの種のミステリーの楽しみ。
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初めての北山さん作品。
タイトルと『どんでん返し』の帯に惹かれて手に取りました。
とっても面白かった。
まさかこんなに面白いとは思っていなかったので良い意味で裏切られました。
個人的に一番好きなのは『終の童話』。
こういう小説ならではの世界が作り出されている作品大好きです。
『妖精の学校』もそういう意味で面白かった。
最後の緯度・経度は何だろう、と調べてみたら沖ノ鳥島なんですね。
成る程、それで鳥なんだな、と納得。
それを踏まえた上で読むとものすごく意味深な作品ですね。
心が少し痛む読了感の作品集。
とても良かったので他の小説も読んでみたくなりました。