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読んで良かった。推理の描写はそんなに楽しくなかったのだけど。中盤にあった友人の姪御さんの演奏描画で落涙。読んで良かった。
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イギリスの作家ポール・アダム、2004年発表の小説。主にイタリアが舞台となるヴァイオリンにまつわる歴史ミステリー?怒濤の蘊蓄が楽しめます。
イギリスの作家が書いたとは思えないくらいのイタリアンな作品。主人公は初老のヴァイオリン職人。超一級の腕前の職人のようです。友人のヴァイオリン職人が殺され、彼がストラディヴァリの最高傑作と言われる「メシア」と同等のヴァイオリンを探していたことから、警察に協力、彼の足跡を辿ります。しかし、その過程で有名なコレクターがまた殺害され・・・。
一応殺人事件の捜査の話なのですが、物語の焦点は完全に失われたヴァイオリンの探求です。イタリア各地を飛び回り、イギリスの荒涼としたヒースの丘の朽ちかけた屋敷へも足を伸ばし、古文書や古い絵画に手がかりを求め・・・。
ヴァイオリンやその職人の技、ヴァイオリンの音楽、さらにはこの業界の裏の部分にまで蘊蓄が語られ、音楽好きにとっては非常に興味深く楽しい作品です。イタリア人が主人公ですがイタリアの風土への舌鋒も鋭く、特にヴェネツィアへの批評はなかなか厳しくて、訪れたことの無い私には真否の程はわからないものの痛快。またクラシック音楽への溢れるような愛情もひしひしと感じられ、読んでる途中でバッハのシャコンヌが無性に聴きたくなって来ます。
犯人探しは付けたし、みたいな感があり、ミステリーとしてはどうなのかなと思う点も無くはないですが、でもとても面白く興味深い作品。良いです。
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老人が探偵役のスローペースなミステリなので、途中で飽きるかと思ったら意外に最後まで面白く読めた。
殺人事件の謎解きとしては面白味に欠けるけれど、ヴァイオリンの歴史とそれにまつわる謎としては、新鮮で面白い。ただシリーズとして読み続けるには少し飽きるかもしれない。
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主人公は63歳のヴァイオリン職人というところが斬新で、現代の殺人事件を追いながら過去のヴァイオリンの謎を解いていくという設定がつぼでした。ジョン・ダニングのヴァイオリン版という感じ。次作も期待。
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オーケストラ仲間から勧められた本。
ストラディヴァリ、クレモナなど、名前だけは聞いたことがあったものの、それ以外は全く無知だったので、そちら方面の知識を得ることができたことが、まずは収穫。
ミステリーとしても堅実でなかなか面白く、エアイタリア旅行も楽しめる。
ゆったりとした職人気質の主人公も、生真面目な警官も(ほんとにイタリア警察か、というツッコミも)。
柔らかい中に、きちんと芯が通ったような印象だが、その分、インパクトには欠ける感もあり。
2作目を読んでみたら、また分かってくるものがありそうだ。
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ストラディヴァリほかの有名なヴァイオリン職人が過去に作った伝説のヴァイオリン(それが現存するのかは不明)をめぐる殺人ミステリー。現代のヴァイオリン職人と刑事が謎を解いていくのはまさに「探求」そのもので、読み応えありました。ひたひたと感じるスリルも心地よかったです。
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ベタなミステリにヴァイオリンのうんちくをちりばめた小説。幹の部分がいまいちで、味付けのうんちくにもそんなに関心をもてませんでした。(2017年12月16日読了)
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ヴァイオリンの謎に迫りながら、ヴァイオリンの絡んだ殺人事件にも迫っていくお話。
親と息子のような年の差があるコンビが面白く、主人公もハイパーヴァイオリンスーパーマンではあるけど普通のじいさんで、派手なシーンなどはないが、じわじわと謎に対していったり来たりするのがもどかしく、また面白かった。
イタリア人の名前は覚えにくいのでメモしながらのほうがよかったかなぁ
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読もうと思ってから読了までに4ヶ月もかかってしまった。謎解きの部分で引き込まれるものがなくて何度も中断。
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読了。ヴァイオリン職人の探偵本格ミステリー。
クレモナを舞台にして、ストラディヴァリの製作した幻のヴァイオリンをめぐる殺人事件を、主人公がヨーロッパを廻り推理を紐解いていく。
ヴァイオリンが好きな人は楽しく読めると思う。
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2019/10/28 読み終わった。
バイオリンの先生にこの本の翻訳が素晴らしいと言われたので読んだ。何が素晴らしいかというと、音楽用語や表現に関して全く違和感なく読めるのだけど、一箇所だけ、バイオリンを弾く人間なら間違いなく絶対に知っている用語を誤訳していたから。
つまり、この翻訳者は音楽やバイオリンに詳しいのではなく、すごくすごく調査をして訳出したんだという事がわかる。その調査力に先生は感動していた。
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図書館で。
有名(で高価な)ヴァイオリンと言えばストラディバリぐらいは知ってましたが…色々あるんだなぁ。ル・メシーか。ちょっと興味あるけど…日本で公開はされないだろうなぁ。
ヴァイオリンに関わる事件なので主人公の関わり方がそんなに不自然ではないのが良かったです。そして行方不明のヴァイオリンの行方を探すのも。でもトマソ?はどうやってこれをかぎつけたんだろうなぁ?
最後のセラフィン?とのやり取りはえ?それで良いの?とは思いましたが猫好きの老婦人の補修費になったなら良いの…か?良いんだろうか…(笑)
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偶然見つけた名前も知らないイギリスの作家。久しぶりに没頭するように読んでしまった珠玉のミステリー。最近北欧のミステリーにはまっていたが、同じ欧州であっても全く異なる深みに満ちている。舞台はイタリア、主人公はバイオリン職人。訳者の後書きにもあるが、欧州らしい長い歴史と現在がつながっていることが主人公を通して感じられる。「過去があって、現在の自分たちがあり、その上でどう生きるか」、日本人に相通じることだけれども、米国には決してない上手く表現できないが、人生、価値観といったものだろうか。様々な意味で豊かな人生を歩んできた人物像が見事に描かれている。音楽、ミステリー、歴史、イタリアが大好きな方々にお勧めの一冊です。シリーズ化されていて3作目が刊行されています。早速2冊目を読んでいるところ。
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ヴァイオリンという楽器そのものにスポットライトが当たっていて珍しかった。曲名や演奏シーンももちろん出てくるけど、それよりも楽器の製作者や所有者が出てきて、それらを歴史に失われた名ヴァイオリンを探す主人公とその友人の警察官が紐解いていく。
時代の流れや話の展開は面白く、ドキドキしながら読み進められた。でも犯人の動機や人となりや感情の描写が少なく、ちょっと残念。
続編が出ているそうなので、そっちも読みたい。翻訳はもう出ているのかな。
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初ポール・アダム作品。
ヴァイオリン職人が、殺人事件と幻のヴァイオリンを探すミステリ。随所に語られるヴァイオリンに関する伝説・逸話が時代を超えたロマンを感じる。と同時に、ヴァイオリンの職人、ディーラー、コレクターとその価値(鑑定や贋作など)について、不可解な(何とも言えない魑魅魍魎の)世界観を垣間見せる。
最後、主人公の語る「自分の良心を開放するためです」の真意(良心)には、己の贋作に対する後悔だけに向けられているのでしょうか?親方の贋作の売却や発見した幻のヴァイオリンを猫糞して姪にあげてしまうことは含まれないのでしょうか?あるいは、これは、次回作の伏線?すこし、違和感が残る結末でした。ただ、ヴァイオリンを貸し出す活動には心を打たれた。
私自身は、ヴァイオリンのことは不案内であるけど、「無限に広がっていくヴァイオリン演奏で、そこではテクニックは指ではなく、演奏家の心にあり、それこそがただ音符を弾く者と音楽を奏でる者の違いだった。」の一言にあるように、芸術品のような楽器は芸術家(演奏家)の手にされる(ガラスケースの中に飾られるだけより)ほうが、よいことだとは思うが…。
魑魅魍魎に加担した気がしました。
気になったフレーズは以下:
★どんな職業にもそれぞれの神話、伝承、過去からの物語があり、それがその職業の神秘さを簡潔に伝え、大部分は退屈で単調な仕事にロマンチックなオーラを投げかけているののである
★我々は皆、どこかに自分のしるしを刻み、自分の通った跡を残したいと思う。しかし、どうやってそのしるしをつければいいか?
★本物だと信じられる偽物を持っている方が、その逆よりずっとよかっただろうよ
★きみはあの曲を伝えていた。それが上手なヴァイオリニストと芸術家の違いなんだ
★博物館にて:「釣りだろ、たぶん」…「インスピレーション。…。だから何かが――何でもいいから――ひらめいて、その手がかりをくれないかと博物館へ来てみた」