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SFマガジン創刊700号記念ですから、それなりのラインナップ。
ページの使い方がおもしろい『上下左右/筒井康隆』と、ざっぱざっぱと切り裂き続ける『さいたまチェーンソー少女/桜坂洋』がお気に入り。
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普段、SFマガジンを読んでるわけでもなく、特に思い入れもないけど、新旧SF短編がたくさん読めるということで。大森望による編なら面白いだろうと。
比較的、新しいSFのほうが好みなものが多かった。
SFは登場人物混乱しがちなので、メモ。
手塚治虫 緑の果て ★★★★★
* ちゃんとSFしてる漫画も書けるのかと。面白い。
平井和正 虎は暗闇より ★★★★☆
* 主人公が事故によって能力開花。見られた人は欲望を解放してしまう。
伊藤典夫 インサイドSFワールド
* エッセイ。パスした。
松本零士 セクサロイド ★★★☆☆
* 漫画。
筒井康隆 上下左右 ★★★☆☆
* SF要素はだいぶ薄いし、物語も短くて展開は少ないけど。実験的な形態が面白い。もっと長くすればよかったのに。
鈴木いづみ カラッポがいっぱいの世界 ★☆☆☆☆
* なぜこれが入ってるのかわからない。昔のロック音楽オタクたちの会話。
貴志祐介 夜の記憶 ★★★☆☆
* 2つの全く異なるように感じる物語が、実は時間軸が異なる繋がった物語だったと最後にわかる形式のやつ。
幽かな効能、機能・効果・検出 ★★★★☆
* パイロン星人が残した物体は、実用品か美術品か。
* コーパス・ヤゴト:泥棒。
* ジェイク・スズキ:その相棒。
素数の呼び声 ★★★★☆
* ファーストインパクトもの。面白い。地球外生命体モノは、どうな造形なのかで創造性が試されてるよねと。
* 桂木惣七:公認研究士。SA (AI的なもの)の追実験などを行う。
* 佐伯美佳:新人だがキレものの助手。
海原の用心棒 ★★★★★
* クジラのスピードアイが岩鯨にまつわる過去を回想する形式。岩鯨というのはどうやら人工物である巨大潜水艦のことで、著者の他の作品から考えて、自ら意思を持つ(AI的な)潜水艦と思われる。(じゃないとSF的じゃない)岩鯨同士の対決は迫力がある。
* スピードアイ(疾眼):わし。金切り声族42番群の生まれ。
* タイドミュート(潮寂):42番群零番隊の長。
* スリフト(倹約家):後に42番群の隊長になる
* ダッパダン(伊達男):42番群の長。
* 岩鯨 4兄弟:敵役。
* レッドライン(血嵐):岩鯨。4兄弟と対決する。小説冒頭の潜水艦と思われ。
さいたまチェーンソー少女 ★★☆☆☆
* ラノベSFって感じ。
Four Seasons 3.25 ★★★★★
* 奇天烈。しかし、円城塔にしては珍しく、一度で理解できる設定。
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平井和正「虎は暗闇より」かっこイイ。秋山瑞人「海原の用心棒」待ってました。「オレはミサイル」を読んだ時から、ずっと読みたかったので。何か最近寄りなチョイスではあるけど、日本SFの魅力がギュッと詰まったお得な一冊です。
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海外編に引き続き国内版も読んだ!どれもこれも面白い傑作ばかり。特に書籍未収録の作品が多いらしく、お得な気分。漫画やエッセイなども含まれる多角的な短編集だった。解説や作者紹介で名前だけ出てきた作品にも気になるのが多いので、また読みたい本が増えてしまった。以下は特に感想を述べてみたいものに少しずつコメントを残す。
上下左右
あまりにぶっ飛んだ寄想。日本SFのビッグ3、その一角の実力を叩きつけられた感覚だ。
夜の記憶
不思議な海洋生物の文明と未来を生きる二人のカップルがまさかあんな決着を迎えるとは!自己同一性と連続性、自我と感傷と何やらサイバーパンク的なテーマでもある。
海原の用心棒
西部劇めいた内容だが、ならずものと用心棒は無人と化した人工知能付き潜水艦 市民はクジラという面白い内容。クジラの言語や名前、価値観などの文化の描写が面白く、緊迫感ある戦闘描写も楽しい一冊。自分がポストアポカリプスとそこにある人類の遺物がどんな風に捉えられるかの描写が好きなのもあり、岩鯨すなわち潜水艦の描写も良かった。ラストの寂しくかつ爽やかな結びもヨシ!
さいたまチェーンソー少女
タイトルからしてパワーに溢れている。臓物とバトルと少女の情念をここまで見事に描き切るとは素晴らしい。
Four seasons 3.25
理論が難しいが中々の楽しい 現実を文章の記述に準えるような設定と理論、それを全ての民意による願いが叶うユートピアとしている舞台設定が面白い。ラストに主人公の願いが別の願い、どこか彼もまたどこかで望んでいたかのうよな願いに書き変わるシーンはなかなか鮮烈だ。