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タイの格闘技ムエタイについて書かれた本。
ムエタイの歴史から現在のムエタイの位置付けまで詳しく書かれていて、実際にタイでムエタイを見たりしたときに疑問に感じたことの理由がわかりました。
たとえば、今ではムエタイというのはギャンブルと切っても切り離せないものとなっているため、貧困からの脱出に一役かってはいるものの、ホワイトカラーなどある程度以上の層からは全く興味を持たれていないのだそうです。どおりで、タイでムエタイを見た話をタイ人の友人にしたら「日本人はムエタイが好きだね」と微妙な表情でつぶやき、すぐに話題を変えられてしまいました。
また、ムエタイの試合を見ているとクリンチが多く、激しく撃ち合ったりノックアウトしたりすることがあまりないのは、ギャンブルのために勝敗がはっきりすればそれでよく、お金を稼ぐため頻繁にリングに上がるためには選手同士で壊し合うようなことは誰の利益にもならないからということでした。
やはり、ギャンブル化したことが、スポーツとしてのムエタイをボクシングやその他の格闘技と大きく変えてしまったようです。
タイでムエタイを見たことのある人や、格闘技に興味のある人におすすめです。