紙の本
過去を語るにはまだ早い君たちに贈られた物語
2015/08/23 09:57
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投稿者:sin - この投稿者のレビュー一覧を見る
切ない残酷・標本箱:今の世の中、愛は大袈裟に喧伝されるし欲望は必要以上に強調されて、挙句いづれも商品化されていく…こんな生きにくい世の中を生きていく、そうだね過去を語るにはまだ早い君たちに贈られた物語。文体は徹底してシャープで泥臭さをすら美しく語っていくから要注意、物語の語られない部分に魔物が潜んでいる。
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さめない悪夢の中にほうりこまれたような気持ちになる、珠玉の短編集。趣向をこらしたさまざまなジャンルの作品は、どれも甲乙つけがたいですが、中でも『五色の舟』は陰鬱でグロテスクなのに美しい物語です。
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単行本を持っているが、こちらも購入。
何度読んでも『五色の舟』が凄い。『くだん』は怪談に取り上げられることが多いモチーフだが、まさかそれをこう扱うとは。
どれを読んでも面白いのは確かだが、『微笑面・改』の気持ち悪さ、『キリノ』の文体、『YYとその身幹』のグロテスク……等々、読みどころは様々。寧ろ多すぎて困る。
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短編集。津原泰水さん独特の「ないもの」が溢れている魅力的な世界だった。「五色の舟」は一度読んでまたすぐ読み返した。戦中の見世物小屋興行の一団(家族のような絆があるけれど家族ではない)が出くわした「件」誕生。件に載れば今いる「場」と未来を変えられるという。彼らが見た未来というのはわれわれが今いる過敏で潔癖で過剰な現在よりも、未熟かもしれないけれど素晴らしい世界だと思った。
あとは「微笑面・改」が恐ろしかった。
あのエッシャーの絵の喩え、すごい。津原さんはこういう「意識」の世界(形而上というほうがしっくりくるか)を素敵に創る人だ。
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津原泰水の作品は素材(金属か岩の塊か)から削り出したような印象を受ける。けど、ゴツゴツした荒削りということではない、余計なものをそぎ落とし繊細に磨き上げたものだ。それを素手でやるものだから、作者は血まみれ……。
大森望さんは「できあがった作品にその苦労のあとをいっさい残さない」というけど、どうだろうか。本人のブログを見ていたりするからかな。
単行本でサイン入り・なしの2冊を持っているのに、また買ってしまった。近藤ようこからの熱気のせいか。あとカバーの四谷シモンさんの人形、やはりインパクトは大きい。今回ビジュアル面の衝撃から購入に至ったようだ。
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まず思ったのは、すごいの読んじゃったな、ということ。
SFのようで現実のよう、現実のようでSFのよう。
自分がどこの世界にいるのかわからなくなります。
日本なのか外国なのかも。
(著者の出身が広島だからか数回“広島”という地名は出てきますが。)
タイトルの通り、11篇の短編が収録されています。
私が特に衝撃を受けたものは、
「微笑面・改」、「手」、「クラーケン」、「YYとその身幹」の4篇。
読み終わった後の余韻が、それはもう恐ろしいです。
それに比べると「琥珀みがき」や「キリノ」、「土の枕」は安心して読めました。現実っぽい。
著者による自作解題も収録されており、それによると「テルミン嬢」は「マトリョミン」が発想の原点となってるということで、最近私の中でマトリョミンが熱かったので「お!」となりました。
「五色の舟」は漫画化もされてるってことでちょっと気になるなぁ。
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近藤版「五色の舟」がよかったので。
こちらを先に読んだらまた印象が違ったかもなので忘れたころに再読したい。
ほかは「テルミン嬢」と「土の枕」がよかった。
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読んでいて後味の苦さが残る短編集。
解説を読むと、あらゆるジャンルの小説にチャレンジしている触れ込みだが、これのせいで逆に何を伝えたいのかがよくわからない短編集だった。
しかし、前半の数作はなかなか面白かった。
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収められた11の短編どれも違った味わいだが、共通して怪しげな輝き方をする。「バレエメカニック」のときもそうだったが、描かれた世界を頭の中に想像しようとするのだが、自分の能力を作品が遥かに上回ってできないことがもどかしい。降参しようとするのだが、物語が力ずくで脳を押し広げようとする。そんな、辛いながらもなかなか体験できない1冊だった。
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怖いのと怖くないのと。SFなのか、ホラーなのか。両方なのか。まぁ、そんな区分をあえてしなくてもいいかな、と思える短編集でした。
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11の作品からなる短編集。
大好きな伊坂さんが進めていた作家さんだと思い、読んでみた。
帯にジャンルを超えたと書かれているが、
まさにそのとおりというか個人的にはノンジャンルという印象。
正直SFというイメージで読み始めてしまったためかなかなか読み進められず理解に苦しんだ。
どれもそれぞれにインパクトがあるが、
最初の「五色の舟」がなんだかんだ一番好きかもしれない。
難しさを感じずにはいられないが、
時間をかけて2,3度読むと深まっておもしろいかもなと思える一冊だった。
「バレエ・メカニック」も読んでみようと思う。
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KL 2014.8.9-2014.8.10
台風で閉じこもっていたので一気に読了。
とは言えやはり国内ものはサクサク読める。
目当てだった五色の舟はよかった。
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心の奥の混沌とした暗闇の中から何ものかを取り出して、陽の当たる場所にさらしたような、あるいは胸にあいた風穴から欠落したしたものを丁寧に掬いあげて提示したような、そんな短編集でした。フィクションをリアルな物語として捉えられるのは、誰もが心の奥底に混沌とした部分を秘め持っているからなのでしょうネ。文学のジャンルを超えた、とても味わい深い一冊でした。
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「そんな人生は(中略)「よく人からエキセントリックな性格って言われます。自分ではそういうつもりはないんですけど・・・」なんてうかつな代物を顔文字つきで世界に向けて発信する、そのアップロードの一瞬を何十年にも引き延ばしたようなもんだと思うんだ。」
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五色の舟
なんなんだこれは
不思議な読後感
延長コード
これも不思議な話。結局何が言いたいのか・・・
追ってくる少年
う〜ん
微笑面・改
これ好きかも
琥珀みがき
なんとなく好き
キリノ
これは嫌い
読み辛い
〜的アトモスフィアってなんだよ
手
これは怖い
クラーケン
なんか気持ち悪い
YYとその身幹
結局気になってしょうがないという訳か
テルミン嬢
そりゃ薬漬けは嫌だろうけれども
土の枕
最後は歴史小説
これは面白い