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ありゃりゃ、今日も夜なべです。もうすぐ日付が変わりそうです。
今日の二冊目の書評は「鈍足バンザイ!僕は足が遅かったこそ、今がある」岡崎慎司著です。
岡崎選手と言えば、ダイビングヘッドが有名な、日本の至宝のストライカーですが、決して今までの道のりは、平たんではなかったようです。
まず、フォワードなのに、足が遅い。滝川第二高校から清水エスパルスに拾ってもらって、数年間泣かず飛ばず、その傍ら地道な努力でブンデスリーガ・プレミアリーグ・日本代表として活躍してきました。
この本を読めば、岡崎選手のすべてが分かり、おまけに笑いあり、涙ありの素晴らしいご著書である。私はすっかり岡崎選手の魅力にノックアウトされました。
まず、岡崎さんは「ネガティブ志向」であるという。これは単なるマイナス思考でなく、
①負けた時、落ち込まなく次の試合に臨める
②勝った時も「ホッ」と出来、次の試合、ステージに臨める
だそうです。
足が遅くて、割とネガティブ。このほかに岡崎選手のような、一流プレイヤーにもコンプレックスの塊と言えるような、事象が多数あるという。
この著書は、上記のようなコンプレックスにどう対処してきたか、岡崎選手流のユーモアと愛にあふれる物語なのだ。
プロになったばかりのころ、浜松大学の女子陸上部の女の子と坂道ダッシュをしたが、何べんやっても、負けたそう。
プロに入って、専属コーチもつけ練習して多少鈍足は解消されたが、ブンデスリーガでも短距離走をすると、全体で二番目に遅いタイム。
しかし、そこから岡崎選手は考え抜いたのだ。どうすれば一流プレイヤーになれるのか?
今でも、チーム練習が終わった後でも最後まで居残りのトレーニングに臨むのだ。それは小学校でサッカーを始めてからずっと。さすがトップを張る方は、違うのです。
岡崎さんは、また自分の事を「臆病」といってはばからない。
「試合、始まらんでほしいなぁ...」
「相手のディフェンダー、ごっついやん」
しかし、これは自分のハードルを下げておくということで、これにより謙虚に戦える。ダイビングヘッドがトレードマークの岡崎さんは、一面冷静なのだ。
したがって、ゴールを決めれば「ホッとした」
試合に負けたら「悔しい!」よりも「反省を次にいかそう」という感じなのです。
岡崎さんのストライカー観は
ゴールを見ることだけに集中する→多くのゴールを決める→そこから余裕が生まれる。
つまり「ゴール」を中心にとらえることによって、枝葉末節が目に入るようになったのだという。
彼のゴールのパターンは主にディフェンダーの裏をとって、得点するというものだ。これなら鈍足でも通用するというのだ。
彼の恩師はいう。
岡崎選手が成功した理由として以下の四つが存在するという。
①課題意識:岡崎選手はプロになってからもうすでに、自分の欠点を知り尽くしていた。そこにお金と時間をかけることにより、徐々に一流選手の仲��入りをした。
②取り組む姿勢:岡崎選手は練習に対してとにかく熱心。
③貪欲な目標設定:岡崎選手は恩師に会った時から、明確な目標(夢ではない)を持ち合わせていた。
④身体の強さ:上記の事柄を遂行するにあたっては、とにかく体が丈夫でないといけない。岡崎選手は体が強かった。
とこの辺でブログは終わるが、彼の人柄(服のセンスや友人との交際の仕方、愛する家族についてやドイツでの選手生活、A代表での逸話等)自体が、岡崎選手のプレーそのものだということが、よ~くわかる著書である。サッカー選手の著書としては白眉の内容です。
これからサッカーを始めようかと思う、お子さんの親御さんは「自分の子供がサッカーをやって大成するだろうか?」と思ったとき、この本を読んで内容をお子さんに聞かせてやってください。日本代表、次こそW杯予選突破だ!頑張れ、岡崎!また頼む!