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晦日の話になるともう、九死に一生を得た体験談や逸話になってしまい、伝承というか不可思議性が失われてしまうのが、近代化とともに怪異は役目を終えてしまった、痛感させられとても物悲しい気持ちになりました。
それは兎も角、各エピソードはとても短いため、作家や漫画家が読んだたら面白い話の種になるんじゃないかと考えてしまった。そんな話を読んでみたい気分。
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『遠野物語 remix』に続く京極夏彦版『遠野物語』。前作である『remix』は文庫化されるようだ。
原典と同じことを書いているのだが、表現が違うと雰囲気もまるで違う。京極夏彦版は実話怪談を読んでいるような気分。
民間伝承というのは不思議なもので、『そんなアホな』と思わずツッコんでしまいそうになるものから、他の地域でも見られるもの、当時の習俗や流行り廃りが窺えるものまで幅広い。
何処かのんびりしていて笑える話が多いのは時代というものだろうか。
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「遠野物語remix」に続き、『遠野物語』の増補版である「遠野物語拾遺」の京極バージョンです。
前作に比べて、この土地の人々の慣習的な話が多く、これまた興味深く読ませていただきました。
色んな意味での遠野郷の“深さ”に、感じ入る次第。。。
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感想はブログでどうぞ
http://takotakora.at.webry.info/201406/article_3.html
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拾遺の厚い世界も京極さんで
堪能できて大満足の遠野の時間。
山男、天狗、青入道、天女、河童。
昔の話には欠かせない怪異なる
生き物と人間が平地を共に生きていた時代。
大男は餅好きで、蛇を殺すと祟られ、
狐はなぜ人を化かすと謂われたんだろう。
たくさんの言い伝えられてきた怪異は
恐ろしい話もたくさんあるけれど、
今も昔もやっぱり一番怖く残酷なのは
人間をおいて他になく…。
自分は罪深く、業深い生物であることを肝に銘じて、
感謝の気持ちを大切に生きていきたい。
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とても興味深く面白かった、『遠野物語remix』の続編である。原著は柳田國男による『遠野物語拾遺』だが、これは『遠野物語』の復刊に当たり追加収録されたものであり、位置づけはあくまで『遠野物語』のおまけである。それなのに前作より随分長い。
今回も京極夏彦さんが現代語に書き改めているのだが、前作同様に面白い。また、前作では収録順が原著と異なることに疑問を抱いたが、本作では各章が似た話でまとまっており(狐狸に騙されるなど)、収録順の変更にも何となく意図は感じる。
遠野は実家から近く、知っている地名が多いのも前作同様。実家がある大槌の名もしばしば出てきて、前作より馴染み深く読めたかもしれない。大槌から遠野に抜ける最短ルートである笛吹峠に、そんな恐ろしい由来があるとは知らなかったぞ…。
でもねえ、ちょっと長すぎたかなあ。前作は250p程度だったが、450p超と倍近い。短いものは数行しかなく、次から次へと流し読みしていくのだが、全部読み終えてみると印象に残ったエピソードは前作より少なかったかもしれない。
大体、京極さん自ら、本作は『遠野物語』より出来が良くないと明言しているのである。そんな身も蓋もないこと言わないでくださいよ…。大正以降の比較的近代の話も多いためでもあるか。柳田國男としても、話の収集を依頼した手前、ボツにはしにくかったのだろう。
それにしても、最後の章はどうしてこんな俗な話ばかり集めたのだろう。怪異の「か」の字もなく、遠野じゃなくてもどこでもありそうな話ばかりで、苦笑させられる。結局、一番怖いのは人間であるということなのか。
本作の初版に挟んである遠野の地図は、京極さんが師と仰ぐ水木しげる先生が手がけている。遠野市では世界遺産ならぬ遠野遺産を制定しており、デンデラ野など本作中に出てくる場所もある。本作が遠野に興味を持つ一助になることを願いたい。
なお、前作は文庫化されたので、読み物としてはそちらをお薦めします。
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京極夏彦によって手が加えられた事によって非常にわかりやすく、読みやすいので読み出すとページを捲る手が止まらなくなった。分厚いので敬遠をしていたのだが読む価値のある一冊。『遠野物語』というものをよく知らないので少し勉強をして読めば良かったと後悔もしているが京極夏彦がきっかけでこの作品にめぐり合えたという事もあるので時間があるときに調べようとは思う。
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『遠野物語remix』http://booklog.jp/users/melancholidea/archives/1/4046532777の続編というか。
遠野物語(原作)には収録されなかったものを何年もたってからまとめた遠野物語拾遺のretelld。
よみやすく整理した書きなおし。
こちらは風習や伝説もあるけれど、近所の人の伝説(武勇伝)なんかもあって、いい加減さが親しみやすい。
「どういうわけかこうなったけど、なんでそうなったのかはわからない」みたいな、それだけの話が結構ある。
日本昔話で聞いた話がいくつかあって懐かしい。
神様の扱いが案外ぞんざいなのも面白い。
ご利益はないのに禁忌ばかりで、うんざりしたから鹿鍋(禁忌事項)にぶっこんでやったとか、
お神楽が始まるとご神体がはしゃいでうるさいから閉じ込めておいたとか。
その後たたられることもあれば何もないときもある。
神様は神様で、家人がみんな倒れたからかわりに田植えをしたとか火事になったから消火したとかのありがたいお話があるかと思えば、
ご神体をひきずりまわす子供を注意した大人を「せっかく遊んでたのに邪魔しやがって」と祟ったり、
神様同士でケンカして耳を食いちぎられたり、
お堂が火事になって飛んで逃げようとしたけれど飛べないのでゴロゴロ転がって池に飛び込んだりする。
庶民派で身近で好きだ。
現代の無信心な私の目から見ると、なにも起こってない話がけっこうある。
因果が逆じゃないかなとか違うことが起こっているんじゃないかってところもある。
物事の解釈が、ここに暮らした人たちの生き方や考えを見せてくれる。
そういうのを感じるのが楽しい。
外国の昔話を読んで、「え、それだけ?」とか「なにそれひどい話」と思ってしまうことがたまにある。
ああいうのもこうやって、その人たちの解釈を読めばいいのかと、ちょっとわかった気がした。
いくつか文章がへんな部分があった。
最初から自分で考えたものではなくて翻訳的な作業だからだろうか。
京極夏彦なのに初歩的なミスがあると何事かとうろたえてしまう。
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淡々とした昔話、怪談のたぐいは好きな部類なので楽しく、ときにはぞっとしながら読んだ。
神話というのは、国が成り立つために必要なものなんだなということに思いを馳せました。
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やはり話がぷちぷち切れる話がにがてなので斜め読みでサクサクというよりは目を滑ら感じに。
長編が読みたい。。。
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なかなか旧文体とか読めないので(本当に近代文学専攻していたのかよ通常より3倍時間が掛かるんだよなあ)、こうして読み易い現代文になっているのは大変有り難い。これで柳田先生の方も読み易くなるわって何時読むつもりだよ。
私が幼い頃は近所や友人ちで養蚕やっているのが当然だったので、オシラサマ信仰の話は面白かったなあ。
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「遠野物語remix」続編。
今回も不思議な話が盛りだくさん。恐ろしい話、奇妙な話、ほんわかする話、くすりと笑える話などさまざまな民話、そして風俗の描かれた一冊。遠野がますます気になってしまう一冊です。
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前作『遠野物語remix 』に引き続き、
「遠野物語拾遺」を京極夏彦が読みやすく直したもの。
似ている内容・系統の話なのに、バラバラになっていたものを
同じジャンル・カテゴリごとにまとめ直してくれているので
その点はかなり読みやすくなっているが、
遠野物語のときに比べるとテーマがかなり
幅広く雑多な内容になっているように思う。
今回は遠野訪問と合わせて読んでいたので、
遠野伝承園でオシラサマの実物を見たり、
カッパ淵を見に行ったりして
物語のイメージと現物のすり合わせができたのが
良かった。
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昨年出た、「遠野物語 remix」の続編?
はてなを付けたのは、そうでもないから。
なぜかといえば、柳田國男は遠野物語の続編を出していて、この本もそれを基に編集しているからだ。これは初めて知った。
個人的には前作よりも好きだ。遠野地方にまつわる昔話が広く採られているからだ。
前作は怖い話が多かった気がするので。
読み終わったあと、少し心温まる気がした。
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大学生の頃、遠野物語を読んで今ひとつしっくりこなかったのですが、京極夏彦による書き直し「遠野物語 remix」が腑に落ちるものでした。先日、岩手県を旅行したきっかけのひとつがこの続編「遠野物語拾遺 retold」。この本を読みながらの旅でした。
遠野の町を歩いて、物語に登場する地名とその土地の形と距離感を知りました。おかげで本当によくわかる物語に変化しました。巻頭のかつての遠野の地図も実に役に立ちます。