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僕は身の回りのものは大抵チープでも構わないのだが、一部の文房具だけはどうしてもこれ、というものがある(って書くと偉そうでしょ? でも大抵はチープなんだよ)。だから描き下ろしの文具技術、萌えるではないか。
シャープペンは使わないのでどうでもいいが、フレフレとかクルトガとか、そういう新しい技術が載っている。これって日本っぽいよね〜なんて、ひとりで口に出して突っ込みながら読む。
だが進んでいくと完全にコモディティな文具ばかりが並ぶ。たとえば、三角定規。しかし、タイトルは「スゴい技術」であり、別に最新技術とか製品とか、そんなことは言っていない。三角定規の◯はなんでついているか知ってるかい?
というわけで、アイテムごとの温度差はそこそこ激しいものの、決して読んで後悔はしまい。
ちなみに僕がすきな文具のジャンルは、この本で言えば、ゲルインクのボールペン、接着剤、カッターナイフ。そのジャンルについていえば全然足りない。足りない、足りない!
重ね重ね思うのは、日本以外の国でここまで文具を高められただろうか、ということだ。多分、多くは日本だと勝手に思い込んでいる。特に近年の、いってみればなくてもいいような技術の数々は。火薬も羅針盤も発見できなかった我が国は、しかし接着剤やらセンサーやら、頑張っているはずではないか。
我が国を、せめて文房具立国と思いたいのです。