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全編、楽しく読めました!
老人ホームに暮らす老人が100歳の誕生日に、題名の通りに窓から逃げ出すのですが、逃げ出したあとの大騒ぎと、老人が100歳になるまでのいろいろが交互に章立てされています。
老人は単なる(?)長生きの人だけではなくて、そうとうプロフェッショナルな人だったので、100歳になるまで世界の著名人といろいろな出会いがあり、それがちょっとした現代史になっています。
そんな人なので、逃げ出す前も後も大変おもしろいエピソードが満載。そういう小説です。
オススメの一冊。
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「100歳男児はおしっこ履きで出立した(おしっこ履きというのは、高齢男子のほとんどが、用を足すとき履物をぐっしょり濡らすからだ)」。老人ホームではもうすぐ彼の誕生日パーティーが催されることになっており、女所長や市長も出席するはずだったが、彼だけは「そこへ顔を出すつもりはなかった」。
逃げ出した100歳老人の道行きは、支離滅裂・行き当たりばったり・抱腹絶倒の、さながらロードムービーだ。犯罪に冒険、出会いに別れ、友情、恋愛なんでもありで、中でもウォッカは欠かせない。そしてこのでたらめな逃走劇が進むにつれて、この100歳老人がスターリンやフランコやトルーマンやドゴール大統領らとともに20世紀の歴史を作ってきた、トンデモ人物だという過去が明らかになる。
シャンホール(18世紀のフランスの文人)は、「最も無駄になった一日は笑うことのなかった日である」と言った。この文言に同意する方のみ、本書を開いていただきたい。
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スェーデン国内を逃げ回る100歳の老人と20世紀の歴史を丸ごと描くハチャメチャな笑撃小説。一人の老人が100歳の晴れやかな誕生パーティの日に老人ホームを逃げ出す!ギャング団の金を強奪?、殺人!?そしてギャングや警察に追われ、逃亡につぐ逃亡。それにしても逃亡中の老人は若かりし頃、爆弾製造の専門家として、フランコ将軍、毛沢東、スターリン、トルーマン大統領など各国の首脳と親交を結び、歴史上の事件の重大な鍵を握る人物でもあったという回顧録が同時にスタートする。。幾多の偶然が織り成すデタラメな物語ではあるが、この作家の凄さは、歴史上の事実という点をほんの少し入れ替える事で、完全無欠な新たなる歴史上の物語を形成した事にある。世界で売れに売れているのも頷ける、一気読み間違いなしの冒険歴史小説です。
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大人の与太話、大法螺小説。「踊る黄金人形」D・E・ウエイストレイクぽい。日本人作家だと誰だろう?筒井康隆?
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スウェーデンの作家ヨナス・ヨナソン、2009年発表の小説。とてもスケールの大きなホラ話。楽しい物語です。
2005年のスウェーデンが舞台。アラン・カールソンは100歳の誕生日に老人ホームから逃げ出します。行きがかりで大金の詰まったギャングのスーツケースを持ち逃げしたことからギャングと警察に追われることになるアラン。100歳老人の珍道中が始まります。
まともな教育は受けていないけれど、爆弾のスペシャリストで語学の達人というアラン。彼の1905年からの100年の歩みと現在の逃避行の物語が交互に語られて行きます。
警察小説のパロディーのようなハチャメチャな現在の物語も面白いですが、それ以上にアラン100年の物語の大風呂敷を拡げたホラ話が冴えています。スペイン内乱でフランコ将軍の命を助け、第2次大戦ではアメリカの核爆弾製造に決定的な役割を果たし、中国内戦では毛沢東夫人江青の命を助け、ソ連の核開発にも協力、シベリアの強制収容所に入れられるものの脱走し朝鮮戦争下の北朝鮮で金日成に面会・・・現代史の重要な局面の全てに関わるような超人的な活躍をし、しかし政治や宗教には全く興味を持たない完璧なリアリスト。皮肉と諧謔、パロディーの精神に満ち満ちた怪作です。
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めちゃくちゃな爺さんの珍道中。
ピタゴラスイッチ的な、話がコロコロ進む感じが好き。
生徒におすすめされた本。続編も読みたい。
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これは、評判だったから読んでみたけど、お国柄が違うのか、笑も関心もちょっと的外れ。乗れない一冊でした。
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出鱈目に面白い。「なるようになる」「気にしない」「まずはウォッカで乾杯」。いくつになってもスタイルのある生き方をしてると、人生いいもんだと思えるんじゃないかな。
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歴史や世界情勢にさっぱり興味が持てず流し読みになっていたためか、最後の辺りの伏線回収もいまいち楽しめず「ふーん」で終わってしまった。いまいち主人公に親しみが持てず、語り口もどうにも合わなくて、すべっているギャグを延々読んでいるような気分だったのがいけなかったかも。
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真面目に読み始め、デタラメなのに繋がってる歴史に疲れ、いい加減に読み進めると、面白さがわかってきた。
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好みの本ではなかった
ジャンル関係なく、行間を読むことが読書の楽しいところなのだけど、その必要がなくて残念だった
歴史上の人物との出会いや展開も予測できるし、ストーリーも同じようなことが繰り返されるばかり
そういうこともあるよね〜って感じでした
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ちょっと読みにくいけど、この100歳の老人がホントに居るような気がした。
前向きでハチャメチャな老人に脱帽!
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うーん、期待してたんだが。荒唐無稽すぎるというか、ノリがちょっとついていけず、途中で飽きてしまった。現代史との絡め方とか、過去と現在が交互に進む構成は面白いんだが。
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原爆の発案者が主人公の話。あらすじ読んだ時は、てっきりタイムスリップの話かと思ってた。実際には、仲間を増やしていく大脱走話だった。
話題になってるから読んではみたものの、翻訳小説(というより、翻訳本)って、どうしてこうも読みにくいのだろうか……。視点がコロコロ変わってわけがわからなくなってくる。
内容としては窓から逃げた現在の話と、100年間を振り返る話に分かれているのだけれども、もう少し何かそれぞれの話に関わりがあってもよかったんじゃないかと(最後のほうで一応、結びつくのだけど)。
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【長文注意】100歳のアランの冒険譚。ただのホームに住む老人じゃない。老人ホームの窓から逃げ出し、ギャング団の金の入ったボストンバッグを持った彼に着いていくのは負けず劣らず癖のある者たちばかり。彼らを追う警察を大いに悩ませる。3人を殺害(事故)して逃亡、のうち1人は生き返っていつの間にか仲間に。年寄りに男に女に犯罪組織のボスに、あとは象とか犬とか。
アラン・エマヌエル・カールソン。1905年5月2日、スウェーデンに生まれた。父は思いやりと怒りの両方をそなえた性格。母の言葉「世の中こういうもの、これから先もなるようになる。」
10歳から両親が死んだ後まで、爆弾を作る会社で働く。爆弾のプロ。
20歳の頃、爆弾の事故で人がひとり死に精神病院に収容される。恐らく24歳の頃、去勢手術をされる。家に戻り壊れた自宅を爆破し警察に捕まる。
工場に雇われ同じ仕事をする仲間が出来るも爆死。
戦争で爆薬を使う仕事を得る。各地の橋を爆破するなど。
スペインのフランコ将軍とのディナーと酒で親密になり、大元帥の無条件保護の書状を貰い国に帰ろうと船に乗る。
スウェーデンには着かずニューヨークに上陸。原子爆弾の使い方を示してアメリカ合衆国のトルーマン副大統領と親友になる。ここでも食事と酒。そのときルーズベルト大統領が死去。
蒋介石の妻・宋美齢に手こずるトルーマン。日本軍はじき降伏するだろうが中国で内戦が起きるだろう。アランに中国で橋を爆破してもらいたい。だが宋美齢に良く思われない。政治的なことは好きじゃない。いつもの酒は出ない。総司令官の蒋介石はなにも理解していないようだ。長江を船で四川の方に行くが、港が多く着く度にボディガードたちは羽根を伸ばす。2か月かかって四川省へ。
「せっかくの機会に酒を飲まない人間は信用するな」6歳のアランに父の言葉。それが幸いしたのか、いろいろな国の言葉を覚えたお陰か。
「神父には気をつけろよ。それにウオッカを飲まない大人。最悪なのはウオッカを飲まない神父だ」
(彼もノンベコに、いや時期的に、ノンベコがアランに似てると言うべきか。ただ話せない言語も時々ある)
「酔っぱらいには気をつけるんだよ、アラン。わたしはそれができなかった」と言うのは母。
信頼できる人間はフルーツジュースなんぞ飲まないという父。たとえいささか飲みすぎたとしても行動を慎まねばならないと母。
この辺にすべてのことがはまってる気がするよ。
宋美齢と酔っぱらいたちに協力する気が失せる。捕虜になった毛沢東の妻・江青を連れ出し、食堂給仕と共に船を脱走。
蒋介石は敗北し、一族は台湾に逃れる。毛沢東の勝利。
西安に着けば江青の夫、毛沢東がいる。江青、給仕と別れる。
その後アランはチベットを抜けヒマラヤ山脈を越え、歩いて国に帰ろうとするが、道を間違えてイラン領土に入る。国境を越えたため逮捕されテヘランへ。
トラックの荷台に乗りテヘランへ移動。テヘラン拘置所でニトロを爆発させ、ファーガソン牧師と共に逃げる。
スウェーデン大使館では身分が証明できないので帰国できな��。ワシントンのホワイトハウスに電話しトルーマン大統領に連絡しスウェーデン首相に連絡してもらう。
物理学者のユーリ・ボリソヴィチ。ソヴィエト、ベリヤ元帥の原子兵器グループの一員。アランはスターリンと元帥とユーリに囲まれまた酒と料理。そして歌と詩の朗読。ここでスターリンの機嫌を損ねる。政治のことにはまるで無関心なアランと話がこじれにこじれスターリンを怒らせる。
ウラジオストク収容所に輸送。ヘルベルト。ソ連の原子爆弾。脱走計画。ウラジオストクは存在しない。北朝鮮へ。
平壌で偽元帥と副官として、息子の金正日、金日成首相に会う。スターリンが死亡。元帥本物が乗り込む。毛沢東がいて、妻の命の恩人と言われる。
バリ。ヘルベルトが現地のウェイトレスと結婚。教習所と政治家。ヘルベルトは76歳で死去。
アメリカの秘密工作員としてモスクワへ。ユーリと再会しユーリの妻ラリッサと親密になる。情報を手に入れるため、ユーリにスパイになろうと勧める。アメリカとソ連と中国の動き。アランの情報を聞きながらいろいろあったニクソン大統領辞任。何人か大統領が代わり、レーガンの戦略防衛構想。ソ連崩壊の発端。ユーリ夫妻はニューヨークへ。
未払い給料受け取りとさらに年金受給重なりスウェーデンで家を買う。ソ連崩壊の始まり。飼い猫を捕った狐を爆破しようとしたのがダイナマイトと共に大爆発。鶏小屋も物置も家も吹き飛び、住まいを失って社会福祉士の手で老人ホームへ。99歳8か月。規則ばかりのホームに絶望し、100歳の誕生日に逃亡。
バリでベニーとベッピンの結婚。
未亡人アマンダと再会。これがもうすぐ101歳と85歳の恋。
アマンダ85歳の誕生日にアランにもらったパソコンでブログを立ち上げ、時間を前後しながらあれこれ書き込む。ブログを読んだインドネシア政府からの要請。
いつまでも冒険が続きそうな勢い。ただの100歳老人じゃなかった。アランは若い頃からずっとこんな風に生きてきたのだから。規則に縛られた老人ホームには合わない。歴史を駆け抜け、多くの親友と仲間を増やし、いろんなものを爆破しながら食べるしとにかくすごく飲む。
去勢手術のため、若い頃から女とのロマンスやいざこざがなかったのは良かったのかどうなのか。お楽しみはないけど面倒ごともなく、やっかいな冒険もテンポ良く進んだのだと思う。そしてまさかの100歳からの恋。友人の元妻ではあるけど、最後の大きなプレゼントかも。と思ったらまた仕事。終わらない冒険物語。
歴史的なことは疎いのでいまいちわかってないことも多くあります。