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ニキと加賀美くんが距離を縮めてく過程に幸せな気持ちになる反面、片方の気持ちが離れてからはリアルで胸がキリキリしてしょうがない。
「私は、人間として自信がないことに集中していて、他人を愛そうということを思いついていなかったのかもな」というニキの言葉がガツンときた。読みやすいのに、自信が持てない人間にはとても胸に堪える恋愛小説だった。
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憧れの人気写真家ニキのアシスタントになったオレ。だが一歳下の傲慢な彼女に、公私ともに振り回されて……格差恋愛に揺れる二人を描く、『人のセックスを笑うな』以来の恋愛小説。西加奈子さん推薦!
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物凄い共感と既視感と。
どきどきして、ひりひりして、もうなんか…
眩暈がするほどでした。
このタイミングで読めてよかった。
ありがとう山崎ナオコーラ。
クリエイターとかアーティストって実はただの職業で、
結局の中身はただの人間なんだよね。
その肩書きや役割に、羨望とか嫉妬とか傲慢とか
歪んだフィルターを通して見てしまいがちだけど。
ニキみたいな自分もいれば、加賀美くんの気持ちも分かる。
どちらも責められない。
それでいいんだと思うけれど。
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恋愛小説と銘打ってはいるが、これは違う。
確かに要素としてはニキと加賀美の恋愛は小説の軸をなしているけれども、恋愛以上にどちらかというと、終盤に入ってからの認識のズレ。人間関係の波について言及されるべき。
それぞれ勝手に相手のことを理解した気になっていく。
相手のためという言葉を腹のうちに潜めている。
別れ際の加賀美とニキとの会話。p145~149に関しては巻末で演出家の宮城聰が「ことばと身体感覚の同時性」「ことばが、語られる瞬間に身体感覚を喚起してゆく、そのなまなましさ」を戯曲における魅力として語っているが、山崎ナオコーラという作家の生命線はこの「会話文の読ませ方」にあるのではないかと思う。
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芸術とは自由なことだ。自由なことは捕らわれないことだ。捕らわれないことは慮らないことだ。
そんな芸術家二人の恋愛模様。感性に生きる芸術家たる主人公が付き合うことを言葉で確かめあい、写真で思われていたことを理解するってのはなかなか。
主人公のとる写真は見てみたい
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ニキは痛々しい。
全編を通して痛々しい。
使っている言葉が汚いし
人間関係を上下で考えているところが(映画のポスター写真を撮るチームで、身分が最下位だったというシーン)がばかばかしい
似合わないお化粧してもう写真撮らない宣言をしてしまうところに到ってはみじめだ。
だから、タイトルは「ニキの屈辱」
でもニキは強いから大丈夫だ。
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ここ最近で1番スピーディーに読み終えてしまった1冊。芸術家、若くして成功、格差、才能、自由などなど20代の若者がきっと憧れる仕事に就いている人の話。もともと誰もが人間だということ、「好き」になると怖くなったり、いつも通りができなくなるということ。加賀美の美しい!と思う瞬間が素直でまっすぐで伸びていく光のようで、いいなあと思いました。
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世界一好きな本屋で見つけて、即購入。タイトルと作者にキュンときたから。結果、大当たりの本だった。
ニキはひどくめんどくさい性格だけど、どこか共感できる部分もあった。恋愛してる自分は友達や家族に見られたくないとか。向こうから自分を好きになったのに自分がどんどん相手を好きになってしまうニキのことが好きだ。
加賀美はどうしようもない奴だけど現実的でそこが好き。
加賀美の頭ん中には恋愛ごとしかないのかもしれない、って思った瞬間もあったけど、彼が仕事にのめりこんでいく姿はカッコよかった。だけどやっぱり気持ちの悪い奴だとも思った。
喧嘩のときに加賀美がニキの喜ぶことを“してあげていた”と言ったのは良かった。愚かさが全面に出ていて非常に愛しい。ニキも中々に欠落しているし、その二人が合わさっていく感じ、そしてまた分解していく感じが、なんというか、すごく好き。
この小説を読めて良かった。私はこういう話を待っていたんだな、と思ったほど。また読み返そう。
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こわい恋愛小説でした。
わたしも恋をするとそうなりがちで、ああ鬱陶しがられる、捨てられるんだろうなぁというのがわかって、読んでいて辛かったです。
山崎ナオコーラの恋愛小説はどれもそんな感じで、自分の未来もきっとこうなるっていうのが想像しやすくて嫌ですね。
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一気に読んだ。西加奈子「白いしるし」みたいな、芸術家のはなし。ぐぐっと引き込まれて、切なくなったけど、むくむく湧き上がるものもある。
「どうして気がつかなかったんだろう」
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タイトル名が面白かったので読んでみました。『ニキの屈辱』なんて、なかなか秀逸なタイトルですね。
性別を離れて一人の「写真家」として生きたいニキが「女性」となった時、下剋上となってしっぺ返しを喰らった・・・という感じなんでしょうかね。
そのニキの人物設計は、上に媚びて下に厳しいという、いかにもフリーランスの仕事人間という感じが出ていてなかなか良かったです。それに反して、一人称目線の加賀美は今風の若者っぽさを演出しているようで、ちょっと共感しづらかったかな。(笑)大体、将来を目指してがんばっているなんて、ありきたり過ぎる。(笑)そして、すんなりいくところなんかも。(笑)この加賀美の存在が物語全体として軽いノリの雰囲気となってしまった可能性もあります。ですが、今時風の、そして、一見陳腐な関係を装いながら、実はこんな2人の関係なんて現実にはあまりないような気がして、こういう設定自体はなかなか面白かったと思います。
しかし如何せん、こんな恋愛関係って本当に成り立つんかいな?と思えるような展開になっていて、いまひとつニキの変節にも理解し難たくて、こんなところにも共感しづらい部分がありました。どうせなら、関係性を維持したままSMっぽく突っ走った方が面白かったかも。(笑)
本書では2人の会話が重要な流れを形作っているのだと思いますが、その会話や情景描写は、山崎ナオコーラならではの読みやすさと文章の感性が上手くフィットしていたように思います。ともすると軽い関係性の物語のようにも思えてしまいますが(笑)、本来は展開が難しい、移り変わる2人の関係性を何気ない形で表現できていたとも思います。
しかし如何せん、メインの流れがね・・・。(笑)
ラストの場は良かったですね。
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文芸雑誌で読んで、文庫も購入。ナオコーラの文章はさらさら読めるけど、好きなのか好きじゃないかはよくわからないかも。さらさら読めるのは好きってことなのかな?
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写真家同士の格差恋愛小説。作中に出てくる「フラットな間柄に対する憧れが強いからこそ、関係が上下に揺れるところに、どきどきを強く感じてしまうのだ。」という一文が格差恋愛の妙味を表しているように感じたけど、じゃあフラットになったら、もしくは上下が逆転したらどうなるか。社会的に女扱いされるのは嫌だけど、たった一人には可愛い女の子として大切にされたいニキの不器用さが愛しくて痛くて、彼女の幸せが永遠に続いてほしいと思うと同時に、加賀美は良くも悪くも"男"なんだと強く感じた。だからこそのラストに切なくも納得。
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ニキのビジネスクールから甘くなる瞬間。「好きな人ができた」ってニキの友達を思う加賀美は酷い男。どんな女の子も可愛いが一番の賛辞。加賀美は酷い男。
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どちらも好きになれなくて、何をそんなに片意地張ってるんだろうって思ってしまった。温度差もちょっと受け入れられない