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再読。伯母さんとの戦ごっこと、お兄さんとの「なにをぐずぐずしてる」「お星様をみてたんです」「ばか。星っていえ」のシーンをよく覚えていた。それにしても、主人公、めっちゃ泣くなぁ。このままでは落第してしまうほど頭が悪かったのに、先生に(憐れまれて)怒られないから1番だと思ってたって、なんて幸せな性格。この先大丈夫なんだろうかと心配になりながら読んだ。晩年の伯母さんと出会うところが切ない。
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驚くほどに細やかで美しい子供時代の描写だった。ひ弱な子供だった主人公の視点で描かれているにも関わらず全く卑屈さが無いところが好き。
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最初読みはじめた時は、こんなに人間味あふれてて面白いとは思わず、何年か放置してしまっていた本。
今回、三月暇なのでこの本と橋本武さんの授業を自分なりに理解しようと思い、関連の本2冊とともにこちらも初めて読了。
まず思ったのが、使わない言葉がポロポロあって日本語として何より興味深いし面白い。
初めて聞いた言葉など、つい線を引いてしまった。
意味が想像できるものもあるしそうでないのもあった。ちょっと余裕あるときには辞書引いたりした語もある。
そしてつぎに、登場人物の描写が優しいのか、みんな魅力的に感じた。キャラクターがわかりやすい、というのか。
主人公の兄のツンツン優等生男子ぶり?も、お国ちゃんおけいちゃんも、富公も、伯母さんも、なんだか懐かしくちょっとこっぱずかしいような、温かみを感じる。
小さい時なんでも世話してくれた心優しくて世間的には人が良すぎる伯母さんが、のちのち目も弱くなったところへ主人公が訪ねた場面では泣いてしまった。
あとがきにあった、夏目漱石が、本作の伯母さんと(坊っちゃんの)清を重ねて、、云々の話もなんだか納得できた。
音変化したであろう日本語にも興味がいった。
今とは一音だけ違う単語、意味は通じてくるけどそういう音だったのかな、など日本語の変化にも興味が持てる。すぼめるをつぼめる、ゆでだこをうでだこと書いていたり等。
あとは擬音語擬態語も予想外で聞いたことなくてなんだかほっこりした。
まろまろした声とか笑
なんか、いいですねぇ。答えも納得もなく、ただ不思議と懐古的で優しい気持ちになれる文章だと思った。
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素晴らしかった。大正時代の終わりに書かれた本。知ってはいましたが初めて読みました。日本語が美しい。描写が沁みる。描かれている世界に心温まる…現代と比べてなんと豊かな世界が広がっているのだろうと、胸が詰まりました。”美しい国”とはこういうことを言うのですよ、偽造、捏造しか術のない醜い安倍晋三さんとその一派の皆さん。
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橋本武先生の著書から知り読みました。なかなか文が難しく読み応えがありましたが、一区切りが短くまとめられているため、少しずつ読み進めることができました。はじめての文学作品らしいものを読みました。
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著者の自伝的小説。感受性が豊かで繊細、そして涙脆い少年のお話。描写がとても独特で「その人のまろまろした声」とか「とろとろとほほえましめる銀色の陽炎」とか。
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明治から大正にかけて没落したとはいえ、士族の子供であった作者は、彼だけを愛してくれる叔母に庇護されながら、いじめられても、不登校になりながらも、表現手段を獲得するまでに成長できていた。そのことを肯定的にとらえられる物語だった。
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今で言えば足りない世界だけど、わたしはその足りない世界が好きだ。
この世界と、人の想いがこもった言葉を愛する人に、読んでもらいたい本。
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確かに起伏はない自伝であるが、観察眼描写力が素晴らしい。今の時代の生徒に1年かけて学ばせるものがあるかといえば疑問だが、これは、声に出して詠むと良さがわかると思う。
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文学とは「何を書くか」ではなく「どう切り取るか」ということだと感じた。たとえ私が同じ半生を送っていたとしてもこんな繊細に煌めく文章は書けない。中勘助が今の自分と同年齢の時の作だと知り、色々と思うところがあった。
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読んで数ページで、なんて美しい世界なんだろうと思った。ひ弱な少年から見た世界が、鮮やかで繊細に切り取られている。世界は、ありのままで充分美しいのかもしれない。
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この世界観が大好きで何度も読み返す。
昭和をまったく知らない世代にはなかなか想像し難いかもしれないけれど、こんなふうに育てられた子供が豊かな情緒をもち、味のある大人になるのだなと思う。
このような幼少期を過ごしたからこそ、『蜜蜂』他数々の名随筆が生まれたのだと思うと、中勘助を育ててくれた伯母さんに感謝、感謝。。
日常の描写
微笑ましい光景
幼き日の中勘助が可愛くて可愛くて。。
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明治時代の子供達の生活がよくわかる小説。
何度も買っては読まずに放してしまった小説だったが、
美しい文章に今回大事に読むことができた。
老いさばらえた伯母との再会には、大変ジンとさせられた。
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こんなに素直に自分の感覚を受け止められるのが羨ましい。目や耳など、どこから入ってきた情報でも全てを左脳に流し込んでしまう自分にとって、これほど羨ましいことはない。それと表現の優しさ。この本の要点をまとめることは、きっと出来ないような気がする。仮に出来ても、大事なことは何も伝わらないだろう。
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表紙が美しい。和紙のような手触りがいい。
漱石が「きれいだ」と称賛した文章は読みやすい。今と異なる生活の様子も目にうかぶよう。