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歌舞伎もの。
タイトルに「殺し」とあるがミステリーではない。
歌舞伎役者である市川萩太郎は、父親が急死した秋司の後見人になる。萩太郎には秋司と同学年の息子・俊介がいるが、秋司のほうに才能を感じる。
予想のつかない話の展開で、とても面白かった。
惜しむらくは、ミステリーでないことか。
(図書館)
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出来すぎ感なきにしもあらず、だけど、
読後感がよくて満足度高かったので、私的には言うことないです。
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タイトルが気になってビクビクしながら読んだけど、なんの、なんの、いい話でした。
親が子を想う気持ち、子が親を想う気持ち、友が友を想う気持ち、それぞれ納得の作品でした!
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歌舞伎役者の物語。ややミステリ要素もあるにはありますが。タイトルから連想されるような、分かりやすいミステリではありませんでした。殺人も起きないし。
歌舞伎役者の父と、歌舞伎にいまいち興味を持たない息子。一方で才能が有り、しかし後ろ盾である父を亡くした少年。美しいながらも厳しい梨園の世界での、主人公の葛藤が切実に描かれます。こういう世界では親子より師弟の関係が重要なのですね。
なんともつらく痛々しい展開になるものの、ラストはほっとさせられる読後感でした。
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歌舞伎子役と親同士の確執を描くミステリー
「美しい夢ならば、夢の中でも生きる価値がある」
『サクリファイス』で大藪春彦賞、第5回本屋大賞2位を獲得した、近藤史恵氏が長年温めてきた、歌舞伎の子役を主人公にしたミステリー。
市川萩太郎は、蘇芳屋を率いる歌舞伎役者。花田屋の中村竜胆の急逝に伴い、その息子、秋司の後見人になる。同学年の自分の息子・俊介よりも秋司に才能を感じた萩太郎は、ふたりの初共演「重の井子別れ」で、三吉役を秋司に、台詞の少ない調姫(しらべひめ)役を俊介にやらせることにする。しかし、初日前日に秋司のおたふく風邪が発覚。急遽、三吉は俊介にやらせる。そこから、秋司とその母親由香利との関係がこじれていく。さらに、秋司を突然の難聴が襲う。ふたりの夢である「春鏡鏡獅子」の「胡蝶」を、ふたりは舞うことが出来るのか…?
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内容紹介にはミステリ、とあるし、ある意味ミステリと言える部分もあるが、一般的なミステリとはひと味違う物語である。梨園という一般人にはなかなか理解の及ばない世界に生きる子どもたち。いずれ名を継ぎ、大舞台に立つために、ほかの同級生たちとはいささか違った日々を送る幼い者たちであるが、親たちの思惑とは別に、彼らにも興味や喜びや悲しみがあるのである。6~7歳の子どもだからと言って侮ってはいけない。ある時は大人よりも深くものを想っているのである。俊介と秋司、そして彼らを取り巻く大人たちの後悔と希望の一冊である。
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歌舞伎の2人の子役が主役ですが、1人の親であり、他方の後見人でもある市川萩太郎のめを通して物語は進んでいきます。
親の立場ではどうしても我が子を客観的に見ることが出来ないですよね。自分が間違っていたということも多々あるはずです。それらの想いがきれいに描写されています。
歌舞伎の演目がたくさん出てくるので、素養がある人はより楽しめると思いますが、そうでない一般の人でも十分楽しめました。
でも、雨の五郎、重の井子別れ、春興鏡獅子はあらかじめ知識があると楽しめると思います。
歌舞伎の見方も変わる一冊かもしれません。歌舞伎を見に行きたくなりました。
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【ネタバレ】梨園が舞台の「サクリファイス」。父親を亡くした御曹司の秋司と、その後見人になった萩太郎の息子、俊介の成長物語。特に俊介のキャラクタが秀逸です。
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表紙が不気味だったので、子役たちがものすごく極悪人で…みたいな感じだったらどうしようと不安になりながら読んでいたけど全然そんなことはなかった。
読みやすい上質な作品。
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不穏な雰囲気にハラハラしながら、一気に読んでしまった。
梨園の人たちの関係性が、知らなかったことばかりで興味深かった。芸能の世界っていろいろ大変なんだな。
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2014.8.2歌舞伎役者中村竜胆が肝臓癌で急逝。遺児の秋司の後見を引き受けた萩太郎。同学年の息子俊介がいること、秋司の母親由香利はそのエキセントリックさで悪評が立っており戸惑いを感じるものの、秋司の才能を前に驚き、俊介と大切に育てていこうとを心に誓う。二人の初舞台を前に起こった思いがけないことの前までは…。
近藤さんの梨園もの、以前も読んで面白かったので、期待していました。同学年の息子、エキセントリックな秋司の母親という設定からいろいろ想像していましたが、読み出したら、秋司も俊介も可愛く、なんとか無事に育ってほしいと一気読み!面白かった。ネタバレ厳禁!是非、たくさんの人に読んでもらって、歌舞伎、読書の面白さを知ってほしいと思いました。もっとも私は歌舞伎に疎いので、大昔にしか見ていない歌舞伎、また、観てみたいと思いました。
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初読。図書館。タイトルに「殺し」が入っているので、不穏な空気を勝手に感じながら読み進めていく。この何か起こりそうな雰囲気を醸し出すのは、近藤さんは本当にうまい。でもこのあおり方には好き嫌いが出るかも。だって結末は明るい未来への希望に涙するから。梨園の常識が描かれているだけなのに、近藤さんの手にかかるとドラマティックな物語に仕上がっている。。『鏡獅子』の胡蝶に、片岡千之助くんを投影しながら読んじゃいました。歌舞伎をみるとき子役にいっそう注目しそう。
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歌舞伎の世界かぁ〜。
どの世界も極めようと思ったら、並大抵の努力ではあかんということね。
それが好きかどうかというもの重要だと思う。
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良かった。ドロドロした人間関係の殺人を彷彿指せる題名だったけど、読後感も良く、読んで良かった。
世界観に入り込んで一気に読んでしまった。
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ミステリではなく、歌舞伎界の子役の運命を描いた作品。
親が子を思う気持ちもすごいけれど、子が親を思う気持ちもすごかった。タイトルの意味は漠然としかわからなかったけれど。
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梨園の世界にうまれる、ということ。
相変わらず人間模様が秀逸。
先がきになって一気に読んでしまった。
この世界はかなり特殊で、その中でも子役というのは特別なんだろうなあ。