投稿元:
レビューを見る
■高3の冬、俺は神を憎みたくなる事件に出逢った―
町に初雪が降った日、廃墟の塔で男が殺害された。雪の上に残された足跡は、塔に向かう一筋だけ。殺されたのは、発見者の高校生・祐今の父親だった。8年前に同じ塔で、離婚した妻を殺した疑いを持たれ、失踪していた。母も父も失った祐今を案じ、親友の烏兎と獅子丸は犯人を探し始める。そんな彼らをあざ笑うように、町では次の悲劇が起こり―。衝撃の真相が待ち受ける、青春本格ミステリ。
投稿元:
レビューを見る
麻耶雄嵩の学生シリーズは、世間でいう青春小説とはかけ離れており、非日常ミステリだ。運命であるかのように悲劇は繰り返され、自らの無力さを思い知るのに格好な舞台装置なのである。あいにくの雨の日に読めば、カタストロフィは3割増しだ。
投稿元:
レビューを見る
青春ミステリではあるんだろうけどそこはそれ麻耶先生だから、というミステリ。それにしても酷な結末だなぁ…。最初にいきなり密室トリックが暴かれる章が書かれているが勿論それも結末で読者が得られるカタルシスに一役買っている。これからこの二人はどうなるんだろう、という余韻がすごい。
投稿元:
レビューを見る
アンチミステリ等駆使しなくても、麻耶はこれだけのカタストロフを与えてくれるんだなと再度実感。とんでもない青春ミステリ。同作者の「蛍」並にオチでやられた感のある作品。言い回しの妙も含めて、好きだなぁ。
投稿元:
レビューを見る
ブクログの「雨の日も晴れやかな気分になれる小説10選!」で見かけて。
しかし、全く晴れやかな気分にはなれなかった。
とりあえず、海外ものでもないのに、
珍しい苗字と名前が多すぎて判別できず、
誰が誰なのか最初わからなかった。
次に、ミステリーにリアリティを求めている訳ではないのに、
高校生たちの生活に現実感がないというか、
良くも悪くも地に足がついていない感じが、
入り込めなかった。
なので、ラストにも衝撃を受けることはなかった。
主人公が、
冒頭から他人の宗教の軽く嘲笑し、
感情や気分にこねこねと理屈をつけ、
人を苦しめても学校内の情報戦を遂行し、
それでいて、友達思いの甘ったるさと、
人物像に整合性が感じられないのも
面白くなかった原因かもしれない。
彼だけという訳ではないが。
もうお互いの連れ合いが亡くなったのに、
駆け落ちを繰り返している老人と老婆の方が、
「本物」ぽかった。
あっさり殺されてしまったが。
投稿元:
レビューを見る
廃墟の塔で起きた密室殺人。被害者の身元がわかり、過去の事件との関連が疑われるなか、再び事件が起こる。被害者が友だちの父親だったことから、如月烏有の弟・烏兎は親しい友だちの獅子丸と共に、真相究明に乗り出す。
これまた救いのない話。如月家の様子が垣間見える。
真犯人の犯行動機がなんとも軽く、人に対する歪んだ執着も見えてつらい。
単行本で読んだものの再読。
投稿元:
レビューを見る
一応青春ミステリという区分にはなるんですけど、麻耶作品らしく一筋縄ではいかない作品となっています。
青春ミステリらしい爽やかさはほぼ皆無で、どんよりとした雰囲気が作品全体を纏っています(ある意味麻耶作品らしいちゃあらしいけども)
初期の頃の作品ですが、「翼ある闇」や「夏と冬の奏鳴曲」のような衝撃はないものの、作者らしい歪みに満ちたラストを迎えます。
中盤の生徒会のスパイ活動のくだりは少し読んでてダレましたが、それでもラストの展開や、余韻を残すラスト、全体のジメッとした雰囲気が個人的に好きでした
投稿元:
レビューを見る
獅子丸とか如月烏兎とか現実的でない名前のオンパレードである。烏兎はどうやら別作で既出の如月烏有の弟らしい。
名前の紹介が初めにフルネームで無かったりするので急に名字で呼ぶ人が現れた時に誰のことを言ってるのかさっぱり分からない。
最後にどんでん返しですっきり終わらせてくれないのは麻耶雄嵩節である。そこはけっこう衝撃を受けたので星4つ。