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百貨店の外商担当の森は、顧客に切れて、勢いで退職してしまう。
寮も出ることになり、住むところのなくなった森は、友達の元を訪ねて1週間を過ごした。
著者の作品だから、と期待しつつも、表紙に不安を覚えながら手に取りました。
いやいや、とてもいい話でした。
森くんには、彼を助けてくれる友達が沢山いて、初めて会ったカナちゃんにも信頼される。
人徳だと思います。
退職のきっかけは、タイトル通り甘くないか~という所ですが、この1週間で、彼は一皮むけて成長します。
自分の失敗、自分の甘さと向き合う勇気を持った森くんはとても魅力的です。
彼の更なる成長を応援したいと思いました。
それにしても、表紙は前島氏ですよね?
怖すぎですから…
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職と家を失った26才が知り合いの家を毎晩泊まり歩く話。
状況はヘビーなはずなのに文章と人物達がほのぼのとしてて、楽しく読めました。
別な作家が同じような話を書いてたら「もっと切羽詰まれよ」なんて思ってたかも。私はそうは思わずに楽しめました。
社会人になると学生時代の友人とも連絡をとらなくなったり、同僚ともそこまで打ち解けなかったりするよな。
今あの人達はどうしてるかな、なんて思いながら縁の大切さをしみじみ考えたり。
がんばれ、森くん。
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内容(「BOOK」データベースより)
会社を辞め、知人宅を泊まり歩く。それはちょっとした休暇のつもりだった。だが、ある日、「樹里ちゃん」という小さな女の子を預けられ、森くんの放浪生活に異変が起きる―。街の灯りが流れ飛ぶ、哀愁と希望の青春小説!
表紙でちょっと読む気無くしそうだったんだけども、表紙から想像するドタバタ感は無く、短いモラトリアムの数日を彼と一緒にフラフラ彷徨う楽しさと不安感がなんだか心地よい。
結構な期間ふらふらしてた私からすると、めっちゃ真面目なオトコだし、連絡取れる友達が複数いる時点で全然追い込まれてないのが癪に触るとこでもありますが、テンポの良い場面展開が小気味よくて、さらりと読みました。でもなんだか心に何かが残る本でした。こないだ読んだこの作者の「ひと」もそんな感じだったかも。
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百貨店をクビになった森が宿無しで放浪する7日間。
・水曜日、第1夜 揺れ動く 高田馬場の 橋の上
・第2夜 彼方には 東京タワー 車中泊
・第3夜 川の字で ほとりを往くよ 江戸川の
・第4夜 世田谷の 壁の向こうに 妻がいる
・第5夜 焼鳥の 煙にむせぶ 町屋かな
・第6夜 天王洲 高みに浮かび さわさわと
・第7夜 地に潜り スマホが灯る 日本橋
・もう一度、水曜日 何やかや 始まりもまた 橋の上
客の傲慢に耐えられず百貨店をクビになり、宿無しになった森は、高校や大学の同級生、姉の友達、先輩などの家を泊まり歩く。
再起を図るも、起きることは良くないことばかり。
皆が世の中の理不尽を受け入れつつ、生きていることを感じ、少しずつ自分の根っこを見つけていく。
上がりも下がりもしない、皆が経験する人生。
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この本を読んでたら遊覧船に乗りたくなった。あとはなんだか歩きたいなった。
啓太や根本も後から出てきて安心できた。
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3月-17。3.0点。
百貨店に勤める主人公、行き先決めずに退職。
寮も出て、知り合いの家を転々とする。
ゆるーい成長物語。はっきり言ってそんなに成長しないが。
ありそうな感じが意外と共感出来た。
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社会人としての考えの甘さから職住を失くしてしまった青年が、いろいろな人たちとのふれあいを通して成長していく青春小説。
* * * * *
作者の初期作品。いかにも小野寺氏らしいストーリーでした。
森は甘い。もともと働きがいを感じてなかったとは言え、退職が衝動的すぎるでしょう。
退職すれば社員寮を出なければならないことや、頼みの姉が海外から帰るのは1週間後であることはわかっていたはずです。
なのに待てない。自分を抑えられない。短気だし思慮が足りない。なんとつまらない人物が主人公だろうと思いました。
友人・知人に当たって1泊ずつ世話になろうとするなど、実に厚かましい人間だと呆れましたが結局、泊めてくれる相手は見つかっていくのです。このあたりでおやっと思いました。
森がいい加減でだらしない人間なら、親切に泊めてくれたりはしないはずです。「甘い」と森を非難した根本でさえ、森に再就職先を探してくれたりします。実は人から信頼されるに足る人間だったのだとわかりました。
そんな森だからこそ終盤の展開は圧巻でした。
一宿一飯の世話をしてくれたツネのために一肌脱ごうとする森に、多くの友人・知人が手を差し伸べていきます。このクライマックスは実にすばらしい。いかにもな感じの予定調和であっても感動してしまいます。
そして森が自分の甘さや偏狭さを悟り、リスタートを決意するラスト。職・住ともに目処がつき、恋まで始まりそうな森の明るい前途。満足しました。
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百貨店勤務三年目に個人外商部に出され、顧客の江上さんにキレて、その後課長と謝りに行った時に致命的なキレ方をして会社を辞めて社宅も出されて住むところがなくなった森が7日間に渡り友人知人の世話になる話。
いやあ、森、甘い。甘いわ。と読みながら思うんだけど森が東京の街を彷徨いながら垣間見るその人たちの様々な人生や、何故かあっさりと泊めてくれ、親切にしてくれるあったかさ。
読んでいると東京を歩きたくなったり船に乗りたくなったりしながら、最後森が成長したのか、そんなしてないのか、なんかよく分からないけど不思議と優しい気持ちになれる、そんな本でした。
表紙は前島さんか。怖いわぁ。
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図書館でタイトルと最初の2、3行を見て、衝動読み(?)した。タイトルからいい加減な男性主人公の話を想像していたが、いい意味で予想外の展開、ハートフルなお話で大満足。別の本も読んでみたい。
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「銀座に住むのはまだ早い」を読んで、この小説の事が紹介されていた。
というか、ご自身の小説の登場人物がこの街で暮してるとか働いてるとか、いろいろ紹介されてた。
森くんはデパートの外商で働いてたが、お客様とちょっとしたトラブルがあって3年勤めてたが辞めた。
自然と寮も出なくてはいけなくなり、友人の家に泊まらせてもらう日々。
海外旅行に出掛けてるお姉ちゃんが戻ってくるまで。
それぞれの友人にもいろんな出来事があり、考えがちょっと甘かった森くんも、この1週間で成長したようだ。
終わりはみんないい方向に向いて一件落着って感じ。
友達との繋がりっていいなって思えた1冊。
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「揺れ動く 高田馬場の橋の上」
友人を頼りに。
上手く売れないのは自己責任ではあるが、買いもしないのに粗品だけ受け取りしつこく誘われたら嫌にもなるだろう。
「彼方には 東京タワー 車中泊」
泊まる場所は。
住宅にお金をかけるならと考えるかもしれないが、問題は住所がないから働くことが難しくなってしまうことだよな。
「川の字で ほとりを往くよ 江戸川の」
突然預けられ。
いくら時間がなかったとはいえ、事前情報が0よりも二人の関係性ぐらいは伝えておいても良かったのではないのか。
「世田谷の 壁の向こうに 妻がいる」
隣の部屋には。
一度お互いに自分と向き合うために必要だったとしても、離れすぎてしまえば気持ちも同じようになりかねないよな。
「焼鳥の 煙にむせぶ 町屋かな」
嘘に嘘を重ね。
酔った勢いだったとしても、今まで飲んでいた店の前で突然殴り合いの喧嘩を始めるなんて迷惑でしかないだろうな。
「天王洲 高みに浮かび さわさわと」
緊急事態発生。
どれだけ久しぶりだったとしても、日替わりで色んな人に連絡し出会っていたからこそ出来た縁なのかもしれないな。
「池に潜り スマホが灯る 日本橋」
次へと進む為。
もしも姉の家に転がり込めていたら、早く自分の足で再び歩き出さなきゃとは直ぐに想うことはできなかっただろう。
「何やかや 始まりもまた 橋の上」
住居は決まり。
宿探しをし続けていた一週間の旅は無駄なものではなく、何か一つでも日々得ることが出来ていたのかもしれないな。
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仕事を辞めて寮から追い出された森君の一週間。確かに「甘いよね」森君。一夜一夜、知人を頼って泊まり歩くのですが皆いろいろな思いを抱えていても優しいし前に進もうとしている。誰も嫌な人が出てこないので安心して読めました。触発されながら森君も前に進める、先が見えだす希望というものが良かったです。