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以前、文春文庫で刊行されていたものの再刊。
帯の惹句に多少の違和感があるが、内容は面白い。『騙される』は違うんじゃないかw
しかし、文春文庫版も読んだ筈なのだが内容をすっかり忘れている……この、『大体覚えてた』と『すっかり忘れてた』の差は何処から来るのだろうw
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心理描写が生々しすぎて、読んでてしんどい。
強すぎる自意識、若い頃特有の万能感、他人への嫉妬と羨望、挫折感や絶望感、それを隠し通すための自己欺瞞。
たぶん誰もが若い頃に感じたことのある感覚で、大半の人はこういう感覚となんとか折り合いを付けて大人になったんだと思うけど、ここまで精緻に、執拗に描き出せる作家はほとんどいないと思う。
だからこそ、読んでてしんどいし、痛いんだけど。
ただ、同時に、ここまで徹底して描かれることで、「でも、自分はここまでひどくないから大丈夫」とも思うわけで、そういう意味では、恐怖を提供すると同時に安心も提供していて…マッチポンプwww
まぁ、その安心もまた、自己欺瞞なわけだけどw
と、まぁ、ふつうの小説として読んでもかなり面白いけど、
ミステリーとしても、やっぱり面白いです。
…中公文庫版でないなら。
***以下、中公文庫版以外の人にとってはネタバレを含みます***
中公文庫版には、帯がついていて、そこに「一行目から、だまされる!」って書いてあるんだけど…いやいやいやw
乾くるみの『イニシエーション・ラブ』の文春文庫版の裏表紙にあった「最後から二行目で、本書は全く違った物語に変貌する」もそうだったけど、ミステリ・ファンにとっては、ネタバレ甚だしいから!
読み終わっても、ミステリ部分に関しては、「ですよねー」っていう感想しか出ないから!
西澤保彦はミステリー部分だけが持ち味ではないのでまだ救われるけど、他の作家だったらと思うと…。
売り出す側がネガティブ・キャンペーンをしている気がしてならない。
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ミステリと思って読み始めたけど何だ?青春小説?
いくら若いからって自己中すぎて不愉快。勘違いを気付けない鈍感さにあこがれる気持ちはわからなくもない。
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今まで読んだ西澤作品と違う!!
完全にミステリーだけど、ミステリーと思えなかった。
とにかく主人公の思考が痛々しい。
青春小説として頭に残りそう。
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若い時期の自意識と他人視点の無さ、楽な方へ流れたい弱さ、ナルシズム、人に追い抜かされる恐怖辺りをものすごく露わに書いている小説。
いわゆる今風の臆病な自尊心と尊大な羞恥心。
読んでて辛いものが有りましたが、他者のこのような思考を登場人物のものとして辿れるのも小説の良さと思います。(エッセイとしてなら面映ゆくてムリかな)
謎要素についてはオマケみたいなもの
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そこそこブラスバンドで金管をこなせる器用な主人公。後輩の面倒見もよく、次に部長になるのは自分と思っていたが、部長に選ばれたのはユタカだった。。。
後味が悪い嫌ミス。初めて読んだのは学生の頃で、自分が思っている自分像が人からは全く異なる認識されていることが往々に有りそうで怖さすら覚えた記憶がある。
それにしても、周りは主人公が勘違いしないように、もっとはっきり言ってやれよ、とは思う。