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少しずつ読書
・前半〜ロシア・ピアノ音楽史。(モスクワ音楽院で実際に行われている授業のようだった。)
脈々と毛細血管を経て端々にまで血液を送り込んでいくかのように世界中(西欧〜ロシア〜日本、アメリカ)に受け継がれてゆくピアニズムに、改めて伝統芸術たる所以を確認。
そしてあまりに毛細血管が端々まで広がってゆく現実にやや気後れしてしまった。
どう受け取るかは読み手の感受性に掛かっているだろうと思った。
人との出会いで人生が決まる、か。。
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リヒテルやホロヴィッツのピアノは<これが同じピアノなのか>と思うほどの艶と輝きがある。そのリヒテルと若い時にコンテストで一位を分け合ったメルジャーノフに師事した著者は叱咤激励された。
腰から弾け!
ファンタジーレンせよ!
‥‥
ラフマニノフ、ホロヴィッツなどの巨人のピアノを想い起せば、よくは分らないながらも<なるほどな‥>と思わされる。
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とても丁寧に詳しく書かれている音楽書だった。ロシアピアニズムが師匠から弟子にら受け継がれていく系図、ロシアで学んだピアニストの個性など、詳しく研究されていた。
途中、ロシアピアニズムから離れてしまう章もあるけれど、全体的に意義のある、しっかりとした本だった。文章も、感覚を寸分違わず表現しようという思いが伝わってきて、その上美しい。
以下、自分の勉強のためのメモでもあります。
生命を宿した響きを生み出すためには、一人一人の精神的参与が必要。理性が采配を振るって正しいか正しくないかという範疇だけで音楽を聴くのではなく、演奏者自身がーエゴを外れてー音楽に生きていなければならない。
そうした音楽へのアプローチは、無意識に習慣化された脳の働きにストップをかけ、人生を変えるだけの力を持っている。272
倍音を響かせるには体の中は空洞になっていること。277
☆皮膚の力を抜く 皮膚に安堵感が起これば、筋肉の力も抜けてくる
☆ピアノは88人の合唱団だフェインベルク
それを指揮するピアニストの指280
☆中心点
胃に身体の重心をもってくる252臍へそを背中に寄せる感覚 背中側に意識を持っていく
☆左右腕が鎖骨のところから始まっていることを意識255(左右の移動がジグザグで続き、正確さを欠くとき、)
鍵盤を抑え込む速度を変える
☆上下の感覚
上から吊られ、操り人形のような感覚
膝をピアノ側に伸ばしていく感じ(スカートを膝で前に押し出す感じ)膝と股関節のあいだを皮膚の力を抜いて伸ばしていく感覚
骨の上に骨を載せるとき、体が最も力を発揮できる
260椀型の手
壁に向かって手を当て押そうとする。椀型→胸骨が凛として活発に使える
手のひらを全てつけたまま押す→鎖骨は動きをストップさせてしまう
胸の力を使う
メルジャーノフ 重みをかけているが、それと同じほど、下半身からの支えがあった263
全ての関節と筋肉が柔らかく、下半身からの支えのおかげで、液体状のエネルギーがひっきりなしに楽器に流し込まれ、音に還元されていた
ノンレガート 手首を固定してしまうので音を切ると言う感覚をまず捨てる。指の動きに合わせて、手首も肘も動く。へそを背中側に寄せることが役に立つ。さらに頭を固定しない。固定すると、首も固定され、手首も指も振動しなくなる。常に首筋に力みがないことを確認する。腕が鎖骨から始まっていることを認識し、その腕の下から動かすように心がける。
ジュ・ペルレ~指を第3関節から動かす。そうすると指の腹を使うことができ豊かでキラキラした音となる。
鍵盤は下向きに押すが、ハンマーは上向きに動いて音が出る。これを感じる。鍵盤間間する瞬間を、まるでパラシュートが着地するような感覚で弾くと、ハンマーは本と心地よく元に向かって飛んでいってくれる。何はともあれハンマーのヘッドが弦に当たるところまで付き添っていく感覚があるとよい。266
もしも心地よく演奏ができないなら、その方法は間違っているんだよ…メルジャー��フの言葉
野口三千三こんにゃく体操