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敗戦ですべてを失った日本で一人の男が立ち上がる。その男、国岡鐡造は、石油会社を立ち上げ、幾度となく立ちふさがる困難を乗り越える。そして、日本の未来のために世界との戦いが始まるのだった。
戦前から戦後までを通して、日本のために世界と戦い続けた一人の日本人がいたことを知り、とても感銘を受けました。
自分だけの狭い視野でなく、世界という広い視野を持って、日本のことを本気で考えることができるというのは、いつの時代でも大切な考え方であることを改めて思いました。
上巻では、国岡の若かりし頃の活躍と戦後の必死の復活の様子が描かれ、否が応にも下巻での展開が気になるところです。
彼の生き様を最後まで読み進めたいと思います。
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日経読まないとビジネスマンにあらず。と、いった風潮に迎合した内容。百田尚樹さん、どんどん嫌いになっていく。でも、読ませる力はさすが。
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人間尊重を貫く意思の強さが凄いと思った。本当に日本人のことを考えていたんだなと思う。
戦後の復興と時代の背景が重なって仕事への熱意も増したのかもしれない。今の時代でどう仕事に取り組むか、どう生きるか考えさせられる。
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1945年8月15日、敗戦で全てを失った日本で1人の男が立ち上がる。男の名は国岡鐵造。出勤簿もなく、定年もない、異端の石油会社「国岡商店」の店主だ。1代かけて築き上げた会社資産をほとんど失い、借金を負いつつも、店員の1人も馘首せず、再起を図る。石油を武器に世界との新たな戦いが始まる。
百田尚樹の文章。永遠のゼロと似た印象の作品。国岡鐵造の信念は常に正しく、理想的なもの。営利に走ってもおかしくなし、それが可能な中で貫く強い気持ちは他を圧倒していた。古き良き日本人の姿を見た気がした。
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作者も登場人物も熱い。
こんなに国を思い、人を思う経営者がいたのか、という思いだ。
おそらく下巻にクライマックスが来るのだろう。
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大きな想いを持って、一代で会社を立ち上げ、日本の敗戦でその全てを失ってもなおも立ち上がる。社員が財産であり、それをどのように財産になるように育てるのか。今の日本では見られることのない経営者がここには居ます。
前半は戦後直後。後半は戦前の話です。石油を扱う会社の話であるだけあって、なぜ日本が戦争に負けたのか、アメリカとの物量差をリアルに感じることが出来ました。
下巻も楽しみです。
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自身よりも自社よりも国益のために人生を捧げた男。言葉で言うことは簡単でも、実行は難しい。
どんなに困難でも、そして、手の届くところに道があっても、決して信条を曲げず、自らが正しいと思うことを貫きとおす。
そこに国岡鐵造の魅力が詰まっている。
またそんな国岡は日田、ユキ、数百人の店員を魅了し、国岡の無茶とも思える生き方を徹底的に支援する。
徳や仁では語り尽くせない国岡の「正しい」生き方を貫こうとする情熱が人を魅了してやまないのだろう。
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読んでいるだけで、勇気と希望が湧いてきた
企業を営みながら国家の在り方を常に考えているのが、
勇ましい。武士の在り方だと思えた。
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終戦直後から始まる国岡鐵造(出光佐三)の物語。
面白いけれど「ここで泣いて」「ここで感動して」っていうかんじがはっきりわかる箇所が多かったのには興ざめ。
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全2巻。
出光の創業者、出光佐三の生涯。
でも、作品中では別の名前で登場するので、
通勤中に歌舞伎座の隣のビルを見上げるまで、
出光の話だとは気づかなかった。
物語中の「国岡商店」ビルには、
今も「出光」の看板がデカデカと光っています。
や、
びっくりした。
どこまで史実か分からないけど、
とんでもない人がいたもんだ。
大きな企業の創業者には、
多かれ少なかれ逸話があるもんなんだろうけど、
この人のスケールは段違いなんじゃなかろうか。
物語は石油業界を舞台にした経済の戦い。
舞台が舞台だけに状況説明が少し多め。
物語が後半に近づくにつれ、
少し情報の羅列な印象を受けたりもする。
ただ、さすがに構成がうまく、
冒頭に最も熱いシーンを持ってきているので、
最初からぐいぐい引き込まれ、
その勢いのまま最後まで読まされた。
変な売れ方しちゃってる著者だけど、
やっぱうまいなあと思った。
まあ、相変わらずあざといけど。
目から鱗だったのが、
「世界」における「石油」の力学。
日本は先の大戦で、
石油によって開戦に踏み切らされ、
石油によって敗戦した。
それは知っていたけど、それだけでなく、
敗戦後の外資企業との攻防や、
今に続く中東vsアメリカな関係など、
石油を巡る競争はそのまま続いており、
それが現在の世界を形成している事実に
ハッとさせられた。
そして、
大戦の原因となった問題を放ったらかしに、
相変わらずエネルギーを海外に頼りっぱなしの
現代日本の危うさに背筋が冷たくなる。
本当に、戦後、出光が倒れていたらと思うとゾッとする。
そういや、
自分が子供の頃はそこら中が出光だったけど、
今やENEOSばっかだなあ。
大丈夫かしら。
本著の主人公のように、
戦前生まれの人達の中にたまに見かける「侍」な日本人が、
今後、日本に再び生まれることはあるんだろうか....
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明治生まれの主人公が見せる不撓不屈の姿は魅力的であり、彼と関わる篤志家や協力者の存在感も際立っている。彼の青年期から太平洋戦争後間もない時代までを描いた上巻は、著者らしいストーリーテリングのうまさで読ませるばかりでなく、大正から終戦までの簡潔な近代日本史としても楽しめる。
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出光創始者の話。
戦争終了直後の、断固たる決意のシーンはすごい。その他、普通では考えられない傑物ぶり。ここまでだと、脚色強すぎるんじゃないの?と思ってしまうけど、実際どうなんだろう。
これを読むともって使命感をもって仕事にむかわねばと思わされる1冊。やる気が出るという意味では「竜馬がいく」を読んだ時のワクワク感がある。
ただ、永遠のゼロでも感じたけど、中盤話がワンパターンになって少しダレるなーという感想。
下巻に面白くなってきそうな感じがあるので、そこに期待。
あと、これを読んで感じたこと。
出光の社員が過酷な仕事をやらされるが使命感に燃えているかつ、戦争と比べれば、こんなことなんでもありません、というシーンが印象的だった。
確かに戦争と較べるといくらブラックな仕事でも耐えられるわなーと。最近のブラック騒動は年代が上の人の成功体験と若者の意識の差だけど、この戦争体験の濃さというのが影響しているのかも?と少し思いました。
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1945年8月15日、日本敗戦。焦土と化した東京で、異端の石油会社「国岡商店」の店主である国岡鐵造は、社員を見渡して、よく響く声で言った。
「愚痴をやめよ」「日本には三千年の歴史がある。戦争に負けたからといって、大国民の誇りを失ってはならない。すべてを失おうとも、日本人がいるかぎり、この国は必ずや再び立ち上がる日が来る」
本書は、出光興産の創業者、出光佐三をモデルとし、度重なる窮地にも決して妥協を許さず、国と国民のために立ち上がった国岡鐵造の波乱の人生を描いた小説です。
よい小説というのは、多角的な視点で楽しめるもので、本書を「出光佐三の自伝的小説」として楽しむことができれば、「優れたビジネス書」として仕事への姿勢を見直すきっかけになることもあるでしょう。そういったいくつかの視点のなかで、とりわけ注目したのが、本書が、エネルギー問題について、幾度となく警笛を鳴らしていることです。「石油のために戦争を始めて、石油がなくて戦いに敗れ、今度は石油によって支配されるわけか」という国岡鐵造の台詞は、本書において何度も遭遇しますが、いかにエネルギー問題を最小化するか、というのが、国家の興亡にかかわる核心であり、それを理解するがために奮闘する国岡鐵造の姿、そして彼を支える良き理解者の努力には、感涙せずにはいられません。
「すでに日本の石油自給率は限りなくゼロに近いものになっていた。つまり日本はエネルギーのすべてを外国に頼っているのだ。もしなんらかの国際的なトラブルに巻き込まれ、石油が入ってこなくなるような事態になれば、この繁栄は砂の城のようにたちまちのうちに崩れてしまう」
本書が、エネルギー問題に対して警笛を鳴らすのは、それがながきにわたってつきまとう難事であり、それを理解することが、いまの我々にとって重要だからかもしれません。震災をうけ、エネルギー問題が再浮上した昨今だからこそ、本書が放つメッセージはとても価値のあることと思うのです。
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2013年の本屋大賞に輝くこの本、国岡鐡造という人物を中心に、上巻は、終戦直後の辛苦から、遡って戦前から戦中、会社を興すまで、起こしてからの艱難を描く。
主人公のみならず、作中いずれの人物も厳しい状況の中で確固とした価値観を持って生き抜き、「永遠の0」もそうだけど、国や民族に対する作者の自負と思いが強く溢れる(まあ、ついこの前みたいに『NHK番組の強制連行発言に意見。放送法抵触か』みたいな記事を見ると、ちょっと複雑ですけどね)。
『日本は石油のために戦争をし、石油のために敗れた』とあるけれど、第二次世界大戦に対するこういう見方は、私にとってはなかなか新鮮、腑に落ちて、物語の背景を厚くしたと思う。
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国岡の執念がすごい。起業というのはここまでタフなことなのかといろいろ考えさせられる。自分には絶対に真似できない。
後半、『永遠の0』の宮部の名前が出てきて鳥肌。