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Chapter 3に出てくる理系のスエマツさんのレポートに、吹き出しました。森博嗣の本を読んでいて、くすっと笑ったり、ほほうと唸らされたり、ああと悶えたりすることは多々あっても、げらげら笑うことは少ないので、貴重な体験をさせていただきました。ああ、面白かった。なんなら、今でも思い出してにやけてしまいます。
楽しそうにこれまでの既存をばきばきと破壊、再構築していく森博嗣の本のあとに、筒井康隆の解説が入ってくるのがにくい。筒井康隆があまりふざけていないのも、これまたにくい。
粋な本です。
奇をてらった(などというと、また誤解を生みそうですが)森の中に、きらきらと輝く木が数本あって、それを意図的に見せてくれる。そんな印象を受けました。本当は、その輝く木を自分自身で見つけられれば良いのでしょうけど、森博嗣の優しさで、ガイドされているのかなとも思います。こっちだよと連れていかれて、しばしその美しさに息を呑み、その感動を伝えようと振り返ると、もういない。ひとりぼっちにされたのに、さみしくはない。
これから、彼はどこへ向かうのでしょうか。そして、向かった先の風景を、またこうして少しだけ見せてくれるのでしょうか。
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たとえば括弧を空集合にしてみる。」あ、もしかして、先生……「 こんなに自由な原稿を読んだことがあるか? 小説であり、小説でない。ミステリィでもエッセィでも詩でもない。創作の可能性を無限に広げる、奇才・森博嗣の新たな境地がここにある。究極の読書体験が味わえる話題作、待望の文庫化!
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森作品をそれなりに読んでいて、もう引退するらしいと知っているような人にとっては、それなりに面白い本かもしれない。
突然この本を読んでも、途中でやめてしまいそう。
人目で森作品と分かる文体、クスリとくる話題、森ファンとしては十分満足。
たまに考えさせられる内容が唐突に出てくるのも、また森作品らしい。
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エッセイなのか、小説なのか、ショートショートなのか分類不能
原稿を受け取りに来る編集者と原稿ができていない作家さんというシチュエーションが大きな枠組の設定なんだろうけどね
「あー、これはあの小説の事だな」とか「これは変問自在のことか」とか「作家辞める宣言の答えの答えかな?」とか自分の著作のセルフパロディみたいな面もあって
元ネタがわかるとちょっと嬉しい
森博嗣のちょっと変わった視点の会話が好きな人ならいいとおもう
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<Experimental experience,explosion !>
小説をNovel(述べる)?
エッセイのエッセンシャル?
詩の指南なんて至難なこと,そんなこと言うTemple(言うてる/言う寺/詩)?
ゲンロン?フィクション?ノンフィクション?
大好きです.
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小説ではないしかといってエッセイというのもうーんという何とも言えない代物。でも森博嗣先生の文章を読むのは個人的に気持ちよく感じるので、そういうコアな層向けな一冊であるのは確か。
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タイトルが気になり購入。一冊の本の中にエッセイ的だったりショートの小説とそれの解説だったりなどが色々入ってる印象。
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冒頭の「」の逆転からもうくらくらする(いい意味で)。いろいろなルールを取っ払ってほんとに自由に書かれている。ある意味、超々短編集なので切れ味も良い。解説の筒井康隆さんも書かれているようにときどき挟まる真面目パートもドキッとさせられるような内容。ミステリへのチャレンジも多数収められているので、翻って島田荘司『本格ミステリー宣言Ⅱ』を思い起こすと、やっぱりあそこは小さい井戸の中だったんだなと思い知らされる。繰り返し再読したい。