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日本人として長く韓国に住んでいたので過剰一般化としか言えない日韓両国の報道に接する度に国家なんてそんなに一枚岩的な存在じゃないよと毒づいてきた。然るに話がイスラムとなると知らず知らずにステレオタイプの罠に囚われていた。「郷に入れば郷に従え」と言う言葉があるが郷をイスラム圏に置き換えた時、果たして従うべき郷は存在するのであろうか?著者は飲酒と言うともすれば冒涜的な切り口でこの謎に迫る。当たり前と言えばそれまでだがイスラム世界にも本音と建前、プレ・イスラム文化の残照、非イスラム少数民族の暮らしがあった。乾杯!
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イスラム教というと聖典で飲酒が禁酒されていて、原理主義者たちがテロを起こしてまでも教義を周りに強要してるような、厳格で怖いイメージが強いのかな、って思います。
でも、この本を読むとそんなイメージは多少なりとも変わるんじゃないでしょうか。
表向きは禁酒だとか、女性は肌の露出を極限まで控えろと言われてますが、本音は意外なほど違ってる…というようなお話がたくさん収録されてます。特に酒関係に至っては、コーランは誤訳されてるんじゃないかと思うほど、イスラム圏の人たちのお酒好きエピソードがいっぱい書かれてて驚き。
毎回「私は酒飲みである。休肝日はまだない。」から始まる本作。自分も同じくらい酒を飲みますし、そして酒好きなので、イスラム圏の方々に親近感を覚えるようになりました。いつか、宗教や国境を越えて、皆で笑いながら酒を飲める日がくると良いなぁ…
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~私は酒飲みである。休肝日はまだない。~
そんな冒頭からはじめるほ酒飲みの高野氏が旅先で酒を求める奮闘記!?
しかも旅先は酒を禁じるイスラム諸国。
密造、密輸、幻の地酒!?を探しながら出会う人々。そして知ることとなる意外なイスラムの飲酒事情とは!!
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イスラム諸国では飲酒は禁忌。それはあくまで建前に過ぎないのかもしれない。苦労して酒を探し求め、現地人と楽しげに酌み交わす作者を見ていると、酒は単なる嗜好品ではなく人間関係における万国共通の潤滑油であると感じた。軽快な語り口な本書からは酒とイスラムにまつわる現地人の本音が垣間見ることができ、読み物としても面白い。作者自らの肝臓を犠牲にしたその姿勢に盛大な賛辞を送りたい。
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社会人にもなって急性アル中で救急車のお世話になった私ですが、上には上(もしくは下には下)がいる!著者はほぼ慢性アル中一歩手前。
仕事で訪れたイスラム圏の国々で、彼は一杯の酒を求めて奔走する。宗教上は禁酒とされているにも関わらず。その執念たるや。
でも、やっぱりある所にはあるんですよね。
そして著者も読者も、「飲酒」という窓からリアルな国際事情を覗くことになる。彼はただ酒を飲みたい一心で彷徨ってるんだけど、酒のあるところを探せば必然的に、イスラム社会の深部にたどり着くという。これがもう、べらぼうに面白くて!
「酒から読み解くイスラム史」的な研究書にもなり得る位、興味深い視点でした。おすすめ。
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本来宗教上禁酒である世界各地のイスラム国家に、酒を飲みに行く話。飲みたくなる気持ちはよくわかるが、そこまでしてもという気にはなれない。まだ、私はほんとうの酒飲みではないのかと思ってしまう。まあ、上には上がいるということで安心して飲んでいてもいけないのだが。
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誰も知らない体験、そして豊富な語彙と巧みな文の構成、これで面白くないはずはない。
単なる「オモシロエッセイ」としても出色の出来だし、中東情勢やジャーナリズムを考えるうえで参考になる記述もたくさんある。名著、と言っていいと思う。
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イラン、アフガニスタン、シリア、ソマリランド、パキスタン……。酒をこよなく愛する男が、酒を禁じるイスラム圏を旅したら? 著者は必死で異教徒の酒、密輸酒、密造酒、そして幻の地酒を探す。そして、そこで見た意外な光景とは? イスラム圏の飲酒事情を描いた、おそらく世界で初めてのルポルタージュ。
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高野秀行さんは相変わらず面白い。
コーランにも書かれている禁酒。そんなイスラム圏での飲酒紀行と来たら笑えない訳はないと手に取った一冊。
カタール・ドーハ、パキスタン、アフガニスタン、チュニジア、イラン、マレーシア、トルコ、シリア、ソマリランド、バングラディッシュ。お国柄から、実際の住民とお酒との関わり。厳粛な国でもやっぱり酒はあるもので、以前、友人がイラ○に滞在していたけれど、やっぱり飲んでいたもんな~。一部では一線を引きたいムスリムだけれど、一般ピープルは普通に生活し遊んでいることがよく分かった。
◆カタール
ドーハの悲劇、飲酒編
◆パキスタンからアフガニスタンへ
紛争地帯で酒を求めて
◆チュニジア
酔っ払い砂漠のオアシス
◆イラン
秘密警察と酒とチョウザメ
◆マレーシア
モザイク国家でも飲めない?!
◆トルコ
イスタンブールのゴールデン街
◆シリア
ムスリムの造る幻の銘酒を求めて
◆ソマリランド
認められない国で認められない酒を飲む
◆バングラディッシュ
ハッピーランドの大いなる謎
この目次だけでも十分笑える。「私は酒飲みである。休肝日はまだない。」という文句で始まる各章。そもそも高野さんが酒飲みになったのはアヘン中毒から脱するのにアルコールが良いというところからだというから、これまたオモシロイ。ソマリランドではカートも話題に上がっている。葉っぱを噛んでいると酩酊と覚醒を繰り返し抜けてくると疑心暗鬼になるらしい。世界紀行にはよく出てくるカート。流石は著者。面白おかしく書いているあたりに好感度がまた更にアップした。
未知の国の謎に満ちた宗教で、タブーを破っている人はいないのか?と思う事があるが、まさかそれを探る人はなかなかいない様に思う。取材しながらも熱心に酒を求め、一冊の本にしちゃうあたり、もう大好きです(笑)
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イスラムの国々では聖典に従い飲酒が禁止されている。でも、それは表向きの話で実は裏で結構飲んでいるらしい、そんな実態を綴った高野秀行渾身のルポ作品。
一重にイスラム諸国と言っても、それぞれ国によって信仰の度合いは異なるという話は以前に聞いたことがあった。特に若者の間では、1日5回の礼拝なんてかったるくて無理というのが一般的らしい、日本のどこにでも多少素行が悪い少年や大人がいるのと同じ事なのだろう。
しかし、自身の嗜好と実益を兼ねつつそんな内情を次々と明らかにし、トルコの英雄であるアタテュルクの酒癖まで暴露してしまった高野氏。イスラム過激派から狙われないことを心より願う。
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私はお酒を飲ま(め)ないので、酒飲みの楽しさとは無縁だが、高野さんの地元の人々との交流はいつも楽しそうである。
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その名の通りイスラム国家とされる国々でひたすら酒を探した紀行だったのだが、
酒に辿り着くまでの過程に各国異なるストーリーが見られ自然に現地の人々の風習や性格が描かれていた。
わざとらしくない自然な書き方は高野さんならではの書き方であり相変わらず面白くガハッと笑ってしまう一冊だった。
もっとも読み終わって印象に残ってるのは彼の酒に対する執着心の強さであるが…笑
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イスラム教の見方が変わる本。
世界を旅している気分にもなれる。
ノンフィクションの中で一番面白かったかも。
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イスラム圏で飲みたくなる。少数民族の地酒とか、とても不味そうではあるが、そこには酒の本質があるのでしょう
仏教国こそ禁酒がブッダの教えとして明確に規定されているのに、何故禁止しないのか、という根本の問いは、なにか奥行きがある気がするとても意義のある問いだと思うのだ。確かにそうだ。なぜだろう?答えは東アジアだから、だろうか?
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私もお酒は好きで、休肝日はまだない状態なので、高野さんの「酒が飲みたい!」という気持ちはよくわかります。
イスラム圏でも、意外とお酒は飲めるんだなあ。
そして、イスラム圏の人でも、意外とお酒、みんな飲んでるんだなあ。