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日記形式になっているが、読み進めていくと物語のように(私小説のように)感じる。
アイドルやおもちゃになけなしのお金を全投入し、同志と異常な盛り上がりをする導入部に、まったく共感もしないのに、なんとなく読むのが止まらず、最後まで一気に読んでしまった。
アイドルに入れ込んでしまうのも、何の計画性もないのも、ここをこうすればいいよ、というアドバイスで改善できるような問題じゃない。
家族のこと、自分のこと、いじめられたこと(なのにいじめっ子をどこか好きでいたこと)、様々な複雑な要因が重なっているから。所謂「普通」と違う嗜好を持つと、これほど生きづらくなってしまうのかと考えると、「普通」という考えはなんと罪深いことかと思う。
男が男性アイドル好きでも、キラキラひらひらが好きでも、お人形大好きでも、別に何の問題もない、と思うものの、自分の息子だったら、やっぱり心配で、アヤちゃんの両親のようなことをしてしまうかも。自分の中にもそんな(他人の人生を根底から否定してしまいかねない)「普通」が根付いているのは恐ろしい。
読んで、自分の中の差別意識にも否応なく気づかされた。
それから正しく(相手がされたいように)愛することの難しさ。
それにしても、お互い病んでいるとはいえ、アヤちゃんにはいつも友だちがいる。それって凄い。素晴らしい。
生き抜け、世界中のアヤちゃん。
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「尼のような子」から続く、痛いんだけどゲラゲラ笑ってしまう感じが中盤まで漂うけど、後半はガラッと変わって私小説的な雰囲気に。これがもうどれをとっても痛い、痛い、痛い、、、だけど、すごく愛おしくて、もうクスリとも笑えなくなっても、アヤちゃんの痛みを感じながら、最後まで大切に読みました。いつか本格的な小説を書いて欲しいなと思う作家さん。日常の風景の切り取り方が好きです。
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なんという「読ませる」日記か 言葉の選び方や視点の移り変わりが詩的で私的、すごいです 特にアイドルを信仰するヲタクをされてた頃の文章、刺さって刺さって仕方なかった
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アイドルにはまってて占いに依存して物質依存でオカマで機能不全家庭出身でアート系?で物書き?で……と、いろいろ濃いアヤちゃんの日記。
日記という体裁のエッセイとか評論とも見える。
ジェンダーとかアイデンティティとかマジョリティの鈍さとかの傷がわかりすぎて、思いのほか、どストライク。
最初の数ページを読んで、これはちょっとやめとこうかなと思った。
痛いし攻撃的だし、いかにも関わりたくない感じだし。なのにむさぼるように読んでしまった。
なんなのこの吸引力は。
叩かれ上等な文章なのに投げやりな印象がないのは自分を捨てていないからなのかな。
捨てない、というより捨てられない。
欺瞞に浸りきれずに、依存する自分を離れたところから観察している。
好きなものだって「ただ好き」では居られなくて、なぜ己はこれを欲するのかと分析せずにはいられない。
頭いいんだろうなあ。
頭の良さに救われている部分と、救われていない部分と、両方あるんだと思う。
一見、野ばらちゃん系だけど雨宮処凛のバンギャもののが近いかな。
処凛さんみたいに、闘える居場所を見つけたらすごい強くなりそう。
この人を見ていたい。
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ネットで連載していた頃から読んでいたけど、少年アヤさんの文章はドキッとする。特に2014年に入ってからの日記の破壊と再構築の疾走感がすごい。好き。
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デブでおかまのアイドルオタクの日記。最初は生活の刹那的で馬鹿らしいのが、痛いと思ったり、大笑いしたり。このあたりは途中から飽きる。
自分の気持ちを分析しながら、気がつくと自分自身に向き合って、生育過程の問題に、行き着く。後半は私小説というか、自分を取り戻そうとする物語。この前半から、この後半になるのはすごい!と思った。
幸せになって欲しい。
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前半は前作と同じように笑える内容。後半はこっちまで移ってしまうような鬱さ。一言で言えば”痛い”。でもそこがいい。
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久々に、面白いと思うブログ日記本に出会った。
書いてあることもそうだけど、
私は文体(どのように書くか)により惹かれる。
おかまと自分をレッテル付けすることで
ある程度の方向を定めたつもりが
自分の中の気持ちを抑え込めずに
迷いもがき気付き受け入れていく。
内容のとんでもなさと、どこか客観的で距離感のよい軽い文体。
好きになった相手に向けるパワーの凄さに
ぐいぐい引き込まれて読み進めてしまった。
最初の暴走が徐々に私小説的な方向へ流れていく感じもイイ。
べたついた重さを感じずに、
誰にもあるかもしれない自分の中のもやもやした部分、
隠していてもいい部分を見せている。
これはやっぱり女性には書けない文体だと思う。
面白い、と一言で言っていいのかアレですが
すごく面白いです。
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完全なる表紙買い。表紙可愛い。
検索してみたら実在するブロガーさん。すごい表現力で、読みながらその能力が羨ましくなってしまいました。
笑わせてもらったり、衝撃を受けたり色々経験出来た日記でした。
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「おかま」の自称という自傷をやめて、<私>というものを獲得するために闘い、傷つき、地面を這いながらも生きていく。
アヤちゃんの文章は、精神と身体との関係が緊張していて、それでいて互いを補い合い、時に互いを喰ってかからんとしているように感じます。