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〈新世代の叙情作家〉今日マチ子が描く、お菓子と女の子の幻想戦記。いちごミルク海峡決戦、諜報ずきんちゃん、マシュマロ処理班……。鮮烈に描かれる、オールカラー戦争ファンタジー!
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たとえば、拡張現実というものについて
ふたつの解釈があげられるだろう
ひとつは、「見たくない現実を見ないために描かれる夢」
もうひとつは「見たくない現実を見るために描かれる夢」だ
この本は戦争をテーマにしたイラストレーション集なんだけど
そこで表現されるネガティブな現実には
すべてお砂糖がまぶされている
それは、若者を戦地に送るためのプロパガンダのようであり
同時に、悲惨な現実をごまかすための大本営発表のようでもある
しかしまた別の角度から
「生きることは戦うこと」という使い古されたレトリックを
そこに重ねることも可能だ
すべての子供たちが抱える、大人になることの不安を
そういう勇ましい言葉でかき消してきた歴史というのは
平和を追及してきたはずの戦後日本でも、確かに存在したのだ
見るにせよ、見ないにせよ
とにかく「見たくない現実」と向き合っていかねばならない
それが生きるということなんだから
しかしそのために、現実がお砂糖で埋め尽くされるものとすれば
大人になるっていったいどういうことなんだろう
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ヴィレッジヴァンガードあたりにポップつきで置いてありそうな本だ。絵もうまいし、発想もユニーク、そしてオシャレ。お菓子の世界なので、血なまぐさ、汗臭さ、泥臭さのない戦争。さらっと読めて、あまり印象に残らないのだが、もしかして、リアルな戦争も、日常化するとこうなるということなのか…。考えさせられるな。
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お菓子と果物の世界で繰り広げられる戦争。ポッキーで体を貫かれ、キャンディの腸がこぼれ、自決用マスカットで自らの命を絶つ。
今日マチ子らしいふんわりした絵柄と、南洋戦線をモデルにした凄惨な死の現場との落差が凄まじい。
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◆丸くてちっちゃくて三角で。甘くて酸っぱくてつぶれやすい。◆小さくてハードな装丁、コマどりもフリーハンド、書きなぐりのコメント、ピンク多め。少女の手帳のように読みにくい。◆会田誠作品のファーストインプレッションに似ている。甘い甘いお菓子戦争。でも。おふざけでないこと、そして作者の矜恃がビリビリと伝わる。◆濃厚な砂糖。痛くて目を背けたくなる。でもこの痛さを覚えていないといけないと・感じることができないといけないと・心の何処かが命じる。◆これはコミックでも文学でもありません。問題提起するARTです。心して。
◆追記: 『COCOON』既読でなかったら、この本の本気度はわからなかったかもしれない。
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いちごは爆弾、爪楊枝は焼夷弾、甘やかなベリーははらわた。可愛い絵柄のなかに毒が入っていてとても印象的だった。
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もう少しストーリーのあるものを期待していたけど、断片的イメージ集だった
血といちごのリンクはちょっとドキッとさせられるけど
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<>に活字,〔〕に手書き文字~〔制服をぬいで、〕〔ホールケーキ島の報復〕<いちご戦争 今日マチ子>〔いちごミルク海峡決戦〕〔ピンクガス弾〕〔逆茂木〕〔パイナップル・リバー〕〔カットパインに爪楊枝作戦〕〔自決用マスカット〕<戦争の夢をみた。制服はカーキ色に 髪は短く切られ 私たちの多くは 南の国のジャングルへ><南方に楽園あり>〔陣中風呂〕〔くまなく張り巡らされた鉄条網、杭にはマイク付きの電話線が張られており敵の動きを的確に伝えている.〕〔コンフィチュール作戦/無能指揮官R.M.〕〔おそうじ隊.最新式ルンバに苦しめられる〕〔壕の中〕〔病院壕〕〔艦砲射撃のあとキャンディー諸島ミルキー島〕〔共栄圏のこども達〕<夢のなか、私が追いかけてくる>〔吉見百穴を軍需工場にする〕〔見せしめ〕〔死者の埋葬〕〔てるてる坊主のつくり方〕〔集団悪夢〕〔タカノの首都フルーツサンドに突入する〕〔雨の前線(佐藤錦とアメリカンチェリー)〕<軍事協力者たち>〔〕〔夢枕〕〔フォーク対スプーン〕〔マシュマロ艦.ココア海に沈む〕〔忍者ガールはルンバ使い〕〔忍者ガールに救助される〕〔実践ルンバと忍者ガール〕〔休日の忍者ガールとルンバ達〕〔フルーツバスケット島の戦いに勝利する〕〔病兵の看護〕〔三角巾包帯法〕〔ラムネの大群に襲われる〕<無血戦線にシロップが流れる>〔かき氷ください〕〔救出〕〔病院まであと少し〕〔みんな溶けてしまった〕〔西瓜島作戦実行〕〔西瓜島の戦い(前)〕〔西瓜島の戦い(後)〕〔いってきます〕<夢の中で、何度も私は死ぬ。その瞬間にまた生き返る。全然痛くない。(こんなのでいいのだろうか?)長い髪の私、その様子を眺めているだけ。>〔友だちが来たのに〕〔虫の息〕〔まさか、自分が…〕〔玉砕いちご味〕〔敗残兵〕<撃たれてはじけた あのこのはらわた いちご味のお菓子がぎっしりつまっている 緑にちらばる甘いにおい>〔わたしのはらわた〕<もうすこしここにいさせて>〔手紙〕〔ネイル・エナメル戦争〕〔あのこのはらわた〕〔野戦用寝袋〕<夢を見ながら 夢を見ているとわかっているとき 私は私を殺しに出かける チャイムが鳴っているのに 目を開けることができない>〔負傷兵〕〔ぽたぽた〕〔パラレル〕〔届いた〕<お菓子を食べながら>〔緩衝マシュマロ〕〔ポケット兵隊〕〔いちご組赤ずきん〕〔いちご爆弾〕〔マシュマロ処理班〕〔夜間空襲〕〔鉄条網〕<雪、光、夜明け前>〔雪がふってきた〕〔去年の雪〕〔風が出てきた〕〔金平糖・森の捜索〕〔零下〕〔苺サンドショート〕〔金平糖の森事件〕〔自決の相談〕〔自決のあと〕〔m&m〕〔マーブルチョコ〕〔満員電車の中、目をとじて音だけをきいている〕<戦場に持って行った手帳に 日記を綴る 胸ポケットに入れていたから 危うく銃弾から命拾い (私が死んでもこの夢は続く)>~意図が巧く読み取れない…
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フルカラーのイラスト集。
Cocoonと同様、フィクショナルな少女たちの戦場。
Cocoonはひめゆり部隊のような、史実と関連するような戦場と少女のリアリティーがあったが、こちらはもう少しメルヘン(?)な戦場。
少女達が学校に集うように平然と戦場にいる。戦場はお菓子や果物の兵器などに置き換えられている。
少女たちは淡々と無表情に、ただそこにいる。
戦争という異常な非日常が、日常=かわいい状況を暗黙に強いられる少女達にとっての違和感、コーティングされた甘い世界とその奥にある、人間としての闇、青春独特の自分への穢れの思い。
そんなものが含まれている気がする。
現代アートの小沢剛の「ベジタブル・ウェポン」を少し思い出した。様々な国の現地の野菜を組み合わせて機関銃などに見立てた兵器を作る。まるで、アルチンボルドの絵のように。
その銃を現地の女性に持たせた写真。その後その野菜をほどいて、武装解除するという、すこしユーモアのこもったアート。
この作品は、どちらかというと戦争に対するメッセージというより、少女達、女性たちの日常の生きづらさにたいする違和感のようなもののひりひりさが強く感じられる。
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2019/1/11読了
意外と怖い戦争 美少女 どことなく血なまぐさい感じ
はざまに見ゆ、官能的な風味よ。
いちごを題材にしたものかと思えば、タイトルのまま
「戦争」であった。
でもやっぱり今日マチ子さんのイラスト好きだなあ。目指したいイラストです。
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戦争を知らない世代が描く戦争
少女と戦争
少女が夢で見た戦争は、恐怖とお菓子の匂いがした・・・
甘いいちごやお菓子で戦う少女たちの戦争
可愛い少女といちごやお菓子で、柔らかいピンク色のイメージの世界感(スピンもピンク色)だけど
エグい戦争の描写・・・
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マンガ書評集から、かな。でも今一つピンとこず。作者の絵の雰囲気は比較的好きなんだけど、本作は、自分的に内容が意味不明。以上。