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独自な取材と警察を通じてサンカとの圧倒的な交渉をもっていた三角寛の、実体験と伝聞から構成された読み物。在りし日の彼ら彼女らの生態が名文でまざまざと甦る。失われた日本を求めて。
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戦前まで(または戦後しばらくの間か)の日本には、サンカというような謎めいた社会的集団の存在は知られていた。
本書含め作者の業績には100%信頼できないものもあるようだが、サンカの存在自体は否定されないのだろう。
それも含みながら読めば、独特の世界観を楽しめる。
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日本にはサンカという浮浪民がいて竹細工作りや犯罪をしていたという。赤松啓介のルポにある非常民とも通じる。戸籍制度に縛られないが故に生活難になったことも分かる。解説で戦後民主主義を否定すべくサンカを筆者が持ち上げた可能性も指摘。
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ふとしたきっかけでサンカの話を知り、興味を持ったので購入。
世間的に「信憑性が疑わしい」と言われることも多いようだが、自分としてはその点はあまり重要ではない。例えば宇宙科学や歴史文化でも、自分の目で判断しようがないという意味では真実かどうかは断定できないので、想いを馳せるという点ではどれも同じだと思う。
読後の感想として、率直に興味深く読めた。自分が今まで目にしたものの多くは、「サンカは○○の生活様式で、〇〇で…」という解説をする形の情報だった。
この本はエッセイ(ルポ?)もしくは小説に近い。そのため、サンカの民が生きた主体として躍動する様を実感できる。言葉のひとつひとつ、一挙手一投足に強く興味をそそられる。
内容も一辺倒ではなく、短編の形でいくつか違った切り口の話が載っている。とりわけ「山津波」は、読み物としても秀逸で心を打つと思う。
サンカを知らない人でも興味深く読めるであろう1冊。
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戦後まで、こういう、戸籍なく、狩猟採集(+手仕事による少しの収入)によって暮らす人たちが普通に市井にいたということがびっくり!こうした人たちって、今はもういないんだろうか?本当に?当時の、ちょっと、差別的というか、見世物みたいに彼らを扱うメディアの様子は嫌な感じがしたけれど…最近は日本の民俗学を読むことがとても楽しいです。