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「無」に関する様々なショートエッセイを集めた本。
ビッグバン、脳、ゼロ、プラセボ、真空、絶対零度などテーマはバラバラ。
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「無」をZeroあるいはNothingあるいはNullとして、関連する科学領域のエッセー集。異なる筆者の文章を集めただけなので、この本の論として横断的に何かが得られるわけではない。結果、天文(ビッグバン、真空)、脳科学(意識)、数学(ゼロ、空集合)、物理化学(超伝導、絶対零度)、医療(プラセボ、効果の有無)のような話がただ連なる。
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見ていて気楽でいいなあと思う生き物がいる。それはナマケモノだ。動くことがほとんどなく、じっとしているので怠けているように見えたから付いた名前なのか。そして著者曰く、ニシキヘビも何か月にもわたってただ横たわっていて、エサを手に入れて食べた後は何週間も消化以外の事は何もしないそうだ。のび太ならずともうらやましいと思ってしまう。
ところが現実はそんなに甘くはなかった。じっとしているのには理由があったからだ。その理由とは、動くと消費するエネルギーが多いからとある。必ずおいしい御馳走をゲットできる保証はないので、エサにありつけるまではじっと待つしかないという厳しい自然に対応するための処世術だった。
この話をはじめとしてさまざまな記事が載っているが、元はイギリスの週刊科学雑誌「ニュー・サイエンティスト」の企画によるものとある。一般の人向けに書かれているので、頭をひねらずとも読めるところがいい。
人間が何もしていないとき、脳はどうなっているのかという「脳の秘密の生活」というタイトルの記事によると、活動をしていてしかも必要な活動をしている。記憶を取捨選択するための活動をしていると考えられているというのを読んで、まだわからないことはたくさんあるのだなあと思った。
不思議の世界に満ちあふれた科学の世界。秋の夜長に、そんな科学の世界をのぞいてみるのもいいかもしれない。
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ゼロ、無、ないという事、普段そんなに意識する事はないけれど、考えてみると深過ぎて広過ぎて気が遠くなるような感覚がある。そして興味深い。
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宇宙の始まりと終わり、真空、数字の0、絶対零度、何もしないことなどについてのショートコラムがいっぱい。
宇宙の終わり方など色々あって楽しい。
プラセボの逆のノセボ効果:説得力のある暗示によって人を殺すことすら出来うる。
数の定義:1は1であるか?2はなぜ①が2つあると2なのか、の答え。空集合を考える。その空集合が2つあれば2である。
真空は本当に何にもないか?:量子力学では揺らぎがあるので、無限の時間軸では真空に地球でもキンケシでも何でも出てくる。
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麻酔のメカニズムって謎なのか…。
プラセボ効果とノセボ効果も興味深い。
「退屈学」まで大変面白かった!
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「無」、「ない」をキーワードに幅広く取り上げた科学エッセイ集。一般向け科学誌のコラムレベルなので内容はやや浅く、物足りなければより詳しい本を読まないといけない印象。それでも幅広さ故にナマケモノが活発に動かない理由やプラセボ効果など個人的に新しい知見は得られた
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「無」に対する各分野における無理解の歴史書である。人類が如何に「無」と向き合ってこなかったのか。それを明らかにしている。
ヒトは自分の理解を超えたものを恐れる。過去の人々は0という概念を無視し続けてきた。現代人であれば、小学校で0、その後で空集合など習う場合がある。0が当たり前ではない時代があったのである。経営層向けの説明資料を作るのにはまっているのだが、結局0を理解できなかった古代人と、0を理解しておりそれが当たり前すぎて説明できないということに似ている事に気が着いた。
とにかくクリティカル思考で考え続結局モノゴトをシンプルにしておくのも大事である。0に気がついた人は、とにかく諦めずに考え続ける、それを他者と共有する術を見つけたのである。他者と共有できて初めてその事は実在するのである。一人で分かっても仕方がないのである。
一つ一つの話も面白いのだが、ヒトの否認の例として考察するという視点にも使えそうである。
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題名やレビューから期待して読むと、??となる。
飛躍しすぎているように感じるし、「無」なんてあり得ない、「無」とどう関係あるの?と疑問が湧いてくるから。
でも、訳者あとがきを読んで納得できた。
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無限と対極にある無。様々な分野における無の扱いとその解明の過程で明らかになりつつある事象が説明されている。宇宙論ではビックバンへの遡及限界、真空限界、反重力の生成、物理学では絶対零度近辺での振舞い、量子真空による力の発生、医学では麻酔による意識と脳活動の関係、精神作用と生理現象、数学ではゼロにまつわる歴史と組込みなど、テーマ毎に読み継いでいける仕掛けが織り込まれている。
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141011 中央図書館
スーパー・サイエンス・エッセイストたちが、科学に現れるさまざまな「無」にかかわるテーマで書いたエッセイ集。数字のゼロ、ビッグバン、ナマケモノの代謝、プラシーボ効果、絶対零度、真空、脳のアイドリング、無意識(麻酔)など、豊かなテーマについて、知的刺激が味わえた。
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「科学」とつくだけあって、哲学とか詩的な内容ではなかった。装丁がかっこ悪いなどという意見もあるけど、…確かにそうなんだけど、何かカッコいい叙情的な内容などではなく、あっけらかんとした科学の知識をポンポン提示する内容という意味では、このある意味ニュートラルで情感のないデザインはあっているのかも。
それで、内容はといえば、無にまつわるいろいろな科学の知識を、複数人の専門家たちが代わる代わる教えてくれる。といってもカテゴリはある程度絞られていて、宇宙の誕生、真空、無意識、絶対零度、ゼロの概念、などである。
どれも世界の認識が変わるような、驚きのある情報で、割と科学初心者がバランスよく知識を取り入れるのにいい感じ。
「無」という漠然とした概念にちょっと深い認識が付け加わったように思う。
どう認識が更新されたかというと、いや、漠然としていることには変わりないんだけど、無いという状態はそう簡単に理解できるような状態ではないんだと思うようになった。例えば、真空、と言っても、純粋な真空なんて滅多になくて、水素とか何か物質が壁をすり抜けていたりする。
あと、ビックバン以前の宇宙は、時間も空間もない無だったと説くが、そんな真の無など、ヒトの感覚からでは想像もできない。
日常で「無」と言うとき、本当に無なのか、正しい意味で使えているか、すこし注意深くなった。
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翻訳特有の分かりにくさはあるけど、まあ勉強になった。
ドブの研究とか、「無」と関係ないこじつけだろと思うものもあったけど。