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核廃絶を目指す人類の前に、二つの難題が立ちはだかる。一つは核被害者の多様化。もう一つはオバマがプラハ演説で触れた<核なき世界>の意味。一つ目の意味は、もはや被爆者は広島・長崎だけではないということ。湾岸戦争での劣化ウラン弾被害、チェルノブイリ原発事故といった、被曝者が多様化したことで、被害者目線で見た核への考え方も複雑化している。二つ目のオバマの<核なき世界>はその真意を巡って世界が大混乱させられている。「核廃絶」という言葉だけが独り歩きする前に我々は、こうした難題に対してしっかり議論し、考える必要がある。
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原発や核開発について語る場合、「フクシマ」前と後では決定的に違いがあるのが普通だ。だが、一連の「アメリカルポ」で名を馳せている著者はぶれない。3.11の直前に出版された本書は、「フクシマ」後の世界にも通用する。
通常、「核兵器」には分類されない劣化ウラン弾の後遺症に焦点を当てた前半は出色。オバマ嫌いは相変わらずで、ヒロシマ・ナガサキの反核運動にも容赦ない批判を浴びせる。
いつもながらの微妙な立ち位置にいる著者が、アメリカ批判のタネがなくなって、その矛先が日本に向いた時が今から楽しみ。政治家は夫君(川田龍平)に任せて、日本の行く末に影響を与える評論家になって欲しい。
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沈みゆく大国~政府は必ず嘘をつくなど、作者の一連の著作を読んだ。
過去にアメリカで起きた原発事故や劣化ウラン弾によるイラクの汚染、日本が非核国の中で最大のプルトニウム保有国であるということなど、政府が隠していること、マスコミが報道しないこと(できないこと?)は予想以上に多いんだな、と言うことをこの本で知った。
でも、まだ心のどこかに「本当?」と言う思いがあるのも事実。
我ながらかなりのお人好しだと思うけど、事実はともかく、この「違和感」のもとを自分なりに調べて行きたいと思わせてくれた、読んでよかった本でした
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核というものがある限り、被爆する人が増え続けていることを忘れてはいけない。
核は、広島、長崎だけの話ではない。
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堤氏の本は今までのアメリカシリーズと繋がっており、覇権国家であるアメリカが中心に書かれている。アメリカの学校教育の偏りにより、核兵器の現実が知らされていないこと、「はだしのゲン」のような話はアメリカ人はほとんど知らないことなど。今後のメディアのあり方が問われている。