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真相が語られるにつれ、日本は三流国家だなと思えてくる。
そもそも東大卒らしい官僚の狭隘な世界観のせいなのだろう。
これだけわかっている知者がいるのに、なぜ「ちゃんと」できないんだろうなぁ。
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日本の臓器移植で特徴的なのは、生体移植の割合が多いことだ。死者の臓器を使う方が「資源の再利用」という点でエコであり、他の先進国では主流。が、日本は生体移植の法律的制限が非常にユルい。ぶっちゃけドナーの同意さえあればできてしまう医療行為であり、結果報告義務もない。医師たちは臓器売買リスクやドナーの手術負荷よりも法的に簡易な方を優先してしまう。
そこで、2009年臓器移植法が改正され、脳死者からの臓器提供は生前の本人意志がなくても、一定の基準を満たせばできるようになった。が、それでも生体移植の割合は下がらない。最近では宇和島徳洲会病院で暴力団が介入した臓器売買事件や病気腎移植手術も明らかになった。
なぜ、日本医療は死者臓器移植にビビってしまうのか。その理由の一つに1968年の日本初の心臓移植手術の疑惑に白黒つけなかったツケがあるようだ。
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漠然と臓器移植というものに忌避感を持っていたのですが、この本を読んだらなぜ自分がそんな忌避感を感じるのか、理由が分かった気がした。日本の移植に関する法整備ってまだまだ穴だらけなんだなってこともよく分かる。
脳死移植を急ぐあまり、死因を追及する作業がないがしろにされると、その人の死因となった元の病気の解明ができなくなる、という話は目からウロコだった。脳死移植をする前に死因を特定することがいかに重要かが、よくわかった。
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2009年の臓器移植法が改正されました。
著者らは、法改正により起こった問題点を指摘しています。
改正点は以下の2点です。
①本人の意思が不明でも家族の同意だけで臓器を提供できる。
②15歳未満でも親の同意があれば臓器が提供できる。
改正が必要なほど日本では脳死移植の臓器提供者(ドナー)の数が欧米諸国に比べて少ないということです。
この改正により臓器移植の提供者の死因が十分に追及されずに臓器移植されるということが起こりました。
著者らは、40%が不自然死だとしています。
http://ameblo.jp/nancli/entry-11929896773.html
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日本の移植医療をめぐる問題を論じた一冊。
移植医療といえばまっさきに頭に浮かぶ脳死のみならず、生体移植や細胞までひっくるめた移植医療の問題について。
とはいえ「脳死は人の死か」に代表される生命倫理にはあまり踏み込まない。
この本のテーマは日本でのルール(の無さ)への問題提起にしぼられている。
だから論点が明確で読みやすい。
日本では最初の心臓移植にけちが付いたこともあって、議論が技術の信頼性に終始してしまい、移植医療のルールがきちんと整備されないまま今に至るらしい。
「人から人への移植」を一元的に管理する法や機関はなく、問題が起こるたびにそこだけ応急処置をして、結果、穴だらけの体制になってしまった、と。
こういうのを読んでるとつくづく日本は「全体を見る」とか「なんのため」を考えるのが苦手な国なんだなとうんざりしてしまう。
どうして人権関係になるとこうもダメダメになってしまうんだろう。
出てくる話がみんな怖かったけど、生体移植の部分が特に恐ろしかった。
生体移植は人身売買や強制のおそれをぬぐえないし、健康な他者を傷つける。
だから、世界的にはなるべく避ける流れになっているが、日本では生体移植が主流。
チェックもゆるいからすでに臓器売買事件が起こってしまった。
赤の他人の売買はともかく、強制は脅迫によるものだけじゃないから避ける方法があるとは思えない。
生殖医療もそうだけど、「家族なんだから当然」「見捨てるなんて人でなし」というプレッシャーから断れない人がきっといる。
母親が幼児への移植を拒んでも尊重されるくらいの状況じゃなきゃ「自由意思」なんて確認できない。
疑問だったところ。
臓器移植は日本の死生観に合わないから定着しないという説がよくあるけれど脳死者が使者に見えないのは万国共通で云々という部分。
話の枕ではあるけれど、脳死の拒否と死体観って関係あるのかな。
遺体を傷つけたくないということであれば脳死も心臓死も同じだ。
(体が欠けたら天国に行けないという発想も日本特有じゃない。キリスト教でもエジプトのミイラでも中国の宦官でも「体のパーツをそろえて埋葬する」エピソードを読んだことがある)
むしろ生体移植への抵抗の無さに儒教的な感覚があるような気がする。
親の病をいやすために自分の股の肉を食わせたという孝行話や、処女肉を食わせるための殺人事件とか聞いたことあるぞ。
でも生体移植重視は「東アジア」ではなく「日本」の特徴らしい。
ううん。やっぱり感性よりシステムかなあ。