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「隣の家の少女」という不動のトラウマ読書体験を植え付けてくれたケッチャムが、仲間と同じテーマで挑んだときいて、やっほうと飛び込んだはいいものの、個人的にはあれ、って感じ。
まあ、あとがきを読むとやんぬるかな、なんだけど、レイモン&リーの作品はまさにの期待通りで、与えられた出だしからの枝分かれの展開だったから。花形のケッチャム作品がいちばん、あれあれ?だったのでね。うーん、売れっ子作家になると、まあその原稿をいただくのがメインになるのかなあ、とか考えちゃった。
レイモン&リーの作品は、いずれも素晴らしかった!
レイモンのそれは、まさに不条理劇をみるようで、特にヒーローの出現からヒールの復活まで、これだけで映画になるのでは、と思うような出来栄え。
あたしはエロの部分はあまり意味がないとおもったけれど、たしかに妄執でもないとそうか、この殺人の意味はないのかも。
リーの作品は、展開の素晴らしさ、フーダニット、あるいはワイダニットいずれもたっぷりと読ませて、しかも最後にそこか!と、完全、あたしを含むある種のフリーク達のハートを鷲掴みでしたね。単語ひとつでネタバレというか、最後の二段階の加速度gを減速させちゃうのでここでは言わないけど。
リーのそれが特に、かなり痛めのグロ含むなので人によっては勧められないのが残念だけど、そっち系ありの方には、この夏の読書として、大推薦です。