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橘玲による日本社会・経済コラム。昨今の事件や出来事から、独自の視点で日本社会を考察する。バカという言葉が入ったタイトルの本はあまり読まないのが、この本の内容は至って真面目で、著者の主張も面白く、いろいろ考えさせられることが多かった。
現代社会には、様々な情報が溢れており、受け手の視聴者はそれに瞬時に反応して(感情的に)世論が形成される。しかし、物事の背景にあるものは、他の情報と照し合せたり、視点を変えるなどの方法で見ないと真実は判らないことが多い。メディアの報道には、スロー思考で背景や原因をよく考えて行動することが必要だ。
この本では、近年に起きた数多くの日本の問題が取り上げられている。例えばSTAP細胞の偽論文騒動のようなことも、実は会社では日常的によく起きる問題だ。早く成果を出すために行ったことが、新たな問題を引き起こす。成果主義の弊害は、理化学研究所に限ったことではないだろう。
取り上げられている失敗事例を読むと、昔から言う「急いては事を仕損じる」という諺は、今も生きているんだなと改めて感じた。スピードが求められる時代だからこそ、スロー思考の重要性が増しているのかもしれない。そんな事を考えた。
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http://books.shueisha.co.jp/CGI/search/syousai_put.cgi?isbn_cd=978-4-08-780728-8
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ヒトは、めんどくさい事を避けたがる。すぐ答えの出る直感に頼るのが楽でいい。直感で得た答えは、自分にとって都合のよいものであるように正当化し納得する。都合が悪そうだと排除しようとする。それがバカということで、ヒト(生き物)の本質。自分がバカだと思っている人から見ると、自分もバカ。世の中バカが多い訳だ。
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週刊誌の連載を纏めたもの。
・日本が最近右傾化していることについて。
今の日本では俺達を自慢するしか、個々の自尊心を保てないから。俺はダメだけど、俺達の国日本はこんなに凄いんだぜ!と考え満足している。もう大分前から日本礼賛雑誌や日本絶賛番組が売れている。こういった人達が買ったり見たりしているのだろう。
・憲法改正について。
憲法は本来国家権力の暴走を抑えるものであるのに、自民党の憲法草案では公共心を持てとか、家を大事にとか国民に説教する内容となっている。自民党は憲法の存立意義を理解していない。
・靖国問題について。
靖国神社にA級戦犯を合祀したことにより、陛下が御参拝なされない状況となった。全く本末転倒である。
最近も自民党議員を中心に靖国神社に賊軍であった西郷氏等を合祀するような運動があるが、本来の靖国神社の目的を見失っているから発生する。A級戦犯問題も同様と考える。
この他税金や福祉についても、バッサリ斬りつけており面白い。著者の意見には個人的に賛否両面があるが、理不尽な感じは無く理論的であり、賛成できなくとも納得は出来るものである。
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『言ってはいけない』を読んで作者さんに興味を持ち手に取った本。まず,視聴者をバカと呼び彼らを喜ばせるためにくだらない番組を作っているというTVマンの話で引き込まれ,「気分のいい嘘」「不愉快な事実」「不都合な真実」「複数の正義」の実例に頷かされる。目の前に出来事に目を奪われず,見極める姿勢と目を持たなければ。
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口にするのは簡単、相手を批判するのも簡単では世の中を良くするためにはどうすればよいか。
それはわからない。
世の中の善と悪がわからなくなる本。
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高校時代、「物事にはたくさんの見方がある。一つの方向からものを知って分かったつもりになるな」と先生から教わった。
いつもお気に入りのサイトばかり見て、お決まりのテレビニュースばかり見ていたら見方が偏りかねない。
もちろん、この本の全てをなるほど、とも思えないけど、色んな主張に耳を傾けることを長く忘れていたことに気付かされました。
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かなり辛辣ですね。言われるほうからしたら、たまったものじゃないです。既得権にしがみつく人たちは「日本の事情」ばかり強調し、欧米で成功したことが日本でできないのは、「日本人はバカだから規制が必要」と同じこととか、事業者に補助金を払って市場を歪めるより、市場原理を働かせてサービスを必要とする人に直接援助するほうが効率的だが、既存の事業者は子供を犠牲にして既得権にしがみつくと述べています。成程な、と肯くことが多々ありました。こういう言説はスカッとしますね。
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「はじめに」でマスコミの役割は「バカに娯楽を提供すること」というディレクターさんの話があります。
たしかに昼のワイドショーの放映時間は昼のど真ん中ですから。
視聴者の属性は推して知るべしです。
乗せられて不倫やモリカケやって言うてるのはマスコミとスポンサーに躍らされてるなあと思います。
一つ一つ上げていくとネタバレになるんですが僕もそうやなあって思うことが多かったです。
目次を見て興味あれば読んで損はない本やと思います。
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日本人の思想、政治などの構造的な問題から始まり
世の中のことや時事問題を表面だけでない多角的な視点で解説する
話は論理的でわかりやすい
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正義
・共同体主義・コミュタリアン(右翼、新右翼 伝統の重視 )
・自由主義・リバタリアン
・平等主義・リベラル(左翼、共産党、市民運動 福祉の重視など)
これらは進化的に正義的な感情にそったグループ分けである。
それにさらに、進化的な裏付けのない、第四の正義、効用の最大化を目的とする「功利主義(ネオリベ)」が登場する。これは近代経済学と非常に相性が良い。
さらには先の中でリバタリアンと相性が比較的良い。
共同体主義と平等主義は「市場原理の否定」のもと、団結することもある。
正社員=ずっと雇う代わりに転勤などの不当にも耐えろ、という要求。
「社員の面倒を見る」義務から、会社を解放しよう。
「人道支援」という巨大なビジネス市場では、人々はより「悲惨」を求める。
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週刊プレイボーイ誌の連載コラムをまとめたもの
最後の方の NGOやフェアトレードが、現地社会を壊し貧しくしているという話は、初耳だった。
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タイトルと内容が一致しないというか、売るためのタイトル。内容はふつうのエッセーだが結局最後まで読んでしまった。
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世の中には矛盾や問題が沢山あります。この本は言わば不都合な真実を集めた本です。
世の中には色んな事情が絡んで矛盾が生じる事があります。でも大多数の人はある物事の一面しか捉えていないので、その矛盾に気が付いていません。
この本では物事を多角的に捉えて、矛盾している事象を多数集めています。正直私も読むまで知らなかった事実がたくさんあり、勉強になりました。
また著者は色んな物事を取材なりして、またちゃんと分析しているので、頭良いと思います。
教養として色んな人に読んで欲しいと思います。
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●フェアトレードに参加すると農家が損をする
倫理的認証団体は小規模農家まで個別に認証しているわけではありません。そんな事は物理的に不可能ですから、地域ごとに協同組合を設立して、組合が商品の品質を保証した上で(スターバックスやマクドナルドなどの)大口顧客に販売します。「農家が個別に価格交渉するよりも集団で交渉した方が有利だから」です。
ところが、タンザニア産のコーヒー豆が国際市場で5ドル/キロを上回る史上最高値を記録しているにもかかわらず、フェアトレードに参加する農家が受け取っていたのは1.38ドル/キロだけだったのです。これはフェアトレードが「公正な価格」とする2.81ドル/キロの半値以下です。
なぜこんな「不公正」なことが起こるのでしょうか。
それは共同組合が現地の有力者に支配され、彼らの人件費や管理費等の名目で農家を搾取しているからです。それなのにフェアトレードは協同組合がないと事業が継続できないため、こうした不都合な事実に気づいていても目をつぶって放置しているのだといいます。