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"電車で涙が・・・最近涙腺が弱い。
エルトゥールル号、イラン・イラク戦争、トルコの大地震と脈々とはぐくんできた日本とトルコの友好関係。
トルコの人たちの人情にただただ、感動する。
人情だけではなく、勇気と行動力に感動する。
今、海難1890という映画も公開されている。ぜひ見に行きたい。"
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歴史小説の定義は難しいだろうけど、史実と空想の連携、その割合において作者は責任を負うべき。史実を無視する度合いが高ければ、ただの小説、ないしは創作小説をうたうべきだと、本作を読んで強く感じた。出版社側にも同様のことが当てはまるだろう。そうでないと読者は彷徨ってしまう。
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日本とトルコの絆を描いた、史実を基にした小説。
明治時代のエルトゥールル号事件(紀伊半島付近でトルコの軍艦が遭難し、地元住民が懸命に救助した)と、1985年のイラン・イラク戦争時に日本人のイランからの退避にあたってトルコ航空が臨時便を出した史実を絡めて描いたもの。
題材選びの時点で、もう120%泣ける小説なんだよなぁ。。
(そういう意味では、よくある病気モノの小説に近い)
案の定メッチャ泣いたし、読後感も悪くなく、もし今度長めの休暇が取れたりしたらトルコ行ってみたい!とも思わせてくれました。
では、史実自体を差っ引いて、小説としての本著はどうか。
まず登場人物。実在・実名の人物と、名前が別名に変えられてる人物、存在から作られた人物が入り混じってます。読んでる間はあまり気にならないと言えばそうなのですが、安藤晋一(安倍さんっすね)の後に秋山真之が出てくると少しばかり混乱します。あと、読後にわかったんですが、現代もトルコ大使やトルコ航空関係者だけ実名なんですね。(日本の大使は別名)
次に、史実なのかどうかわからないコトが注釈なしに書かれている。実名で出ているトルコ大使は本当に小説の通りに行動されて、あのセリフをおっしゃったのか。JAL(小説内では太平洋航空)は本当に安全保障がどうこうなんてコトを言って事実上拒否したのか。どこまで著者は取材で掴んでいたのか、ちょっとモヤモヤします。
最後にストーリーテリング。何だか登場人物全部が目標に向かって真っ直ぐな感じがあって、そこ一捻り入らなかったのかなぁとか。せっかくフィクションなら、日本のことが嫌いなトルコ人や、トルコのことが嫌いな日本人を登場人物に入れて改心に至るシーンなんかあっても良かったのに。
と、細かいコトを言い出すとキリは無いのですが、読んでおくべき一冊です。終章で平成になってからのエピソードを1つ入れているのも◎。
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なんでこの本を手に取ったのか今でも不思議。
タイトルを見てもピンと来ないし、もちろんエルトゥールル号なんてその時は知りませんでした。
でも何故か手に取って表紙や帯に書いてあるコメントを読むと、どうやら実話でしかも感動的な…しかも問題の時代は1985年。世界情勢なんて気にも止めずに遊び回っていました。イランとイラクが戦争をしていたのは知っていましたが、まさかこんなドラマチックで感動的な実話が有った事は本書を読んで初めて知りました。
ラストは震える位感動しました。
老若男女問わず日本人なら是非読んで欲しい本です。
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今となっては少し有名になった歴史かもしれない。他にも色んな歴史が埋もれてるんだろうな。本や映画を通して知っていきたい。
それにしても、このような事実をもっと歴史の時間に習いたかった。
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泣ける。
いい話しすぎる。
トルコにこんなに好かれているとは知らなんだ。
重厚濃厚なストーリーかと思っていたら、
余分な部分を削ぎ落とした、ややこぢんまりとした話になっている。
そのせいか、重くならない分読みやすくで、スルスルと読める。
暗くならずに娯楽性の高い一冊。
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イラン・イラク戦争によりイランからの脱出を余儀なくされた在イラン邦人達を救ったのは、トルコの人々だった。百年前に起きた、エルトゥールル号の難破の窮地を救ったことから、トルコの人々は日本人への厚情を連綿と積み重ねていた。
史実に沿った出来事であり、とても素晴らしいことなのだが、あくまでも史実を元にした「小説」なので登場人物のキャラクター性が煩わしい。
非常時とはいえ、いちいちヒステリックに喚き立てるばかりの利佳子、空爆の最中に外出する七歳児の淳一、一刻を争う事態なのに何かと寄り道をする邦人達。過去編でも、りつとウシュクの淡い交流に嫉妬する伝造のくだりは必要だったのだろうか。
著者の書き癖なのか、セリフの後に「こんな感じ……っ」の描写が多くて引っ掛かってしまう。誰も彼もがこの調子なので、芝居掛かりすぎている気がしないでもない。
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こちらブクログで見つけた小説で帯に書かれている文言と評価の高さから気になり手に取った。
トルコについては日韓W杯ではトルコに負けてしまった悔しさがある、他にはトルコアイスやカッパドキアぐらいしかトルコの事を知らない。
トルコが親日国家だというのは知っていたが理由は知らなかった。
もっと早くにこの話を知る事が出来れば、この本がもっと早く出版されていて読めれば日韓W杯での対戦時にはもっと複雑な感情で試合を楽しめただろうと思うし、トルコが親日ではなく、日本が親トルコなのだと思えたのになと思った。
日本人として知らなかった事が恥ずかしいと感じた。
自分より下の世代はトルコの方々の様に授業などで取り扱い語り継ぐべきだし、そうしてくれていたらいいなぁと思う。
自分の様にこの話を知らない方は是非読んで欲しい。
この本でなくともいいが、日本人として知っておくべき大切な歴史の一つだと思う。
2022/6
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日本とトルコの絆をドラマチックに書いたエンタメ本だが、かなりリアルに実際の事実に沿って書かれていてあっという間に読めた。自身もインドやボスニアなどの国で感じた、異国の人間への感謝と嫌悪感を改めて消化できるように思った。どこの国の人間も、美しい心で接しなければいけないことを思い出した。嫌な側面もあれば、良い側面もあり、どっちを見出してどっちに自分を染めるかは自分次第だと。
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面白かったと思う
序章のイランイラク戦争から
明治時代の話になり
それが本編と思いきや
元の話に戻り、ちゃんとしたあらすじで
物語りを締めくくっている
双方、よい話であった
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【概略】
イラン・イラク戦争の最中、フセイン大統領がくだした宣告は「48時間以後のイラン領空の航空機無差別攻撃」だった。イラン在住の全ての外国人が国外への退去を始め、それぞれの国が自国民の退去をサポートする。ただ一つの国を除いて。動かない日本政府に対し、なす術もない在イラン邦人、そこに一筋の光明が。それはトルコ共和国が飛ばしてくれたトルコ航空の飛行機だった。なぜ自国民でない日本人にトルコ共和国が手を差し伸べてくれたのか?それはおよそ100年も前に日本の海で起こったトルコ船籍の船の遭難、そしてそれに対する日本人の救助活動だった。
2024年03月04日 読了
【書評】
4月のトルコ遠征に向けた準備の一環、なんとかしてこのエルトゥールル号にまつわる英語落語を創ることができないかと思って手に取った。関連した本としては2冊目。
こちらは歴史小説としてのアプローチだね。そういった意味では日本政府や自衛隊の派遣に対する反対派への批判といった類の言及はされていない。著者はあくまで物語を綴る立場として気配を消してる。小説としては正しい姿勢だよね。
著者としての主張がストレートに出ていない分、しっかりと登場人物が生き生きと動いてたよね。エルトゥールル号の章における伝造さんやりつさんであったり、テヘランにおける松本夫妻だったり。そして歴史小説ということもあり、野田正太郎や山田寅次郎といった今後また読みたくなる歴史上の人物なども学ぶことができた。こういう出会いは、本当にありがたい。
これは読み手としての能力不足なのかもしれないけれど、ごく稀に「うん?誰の〇〇〇?」という立ち止まり現象が起きてしまった。日本語ならではの主語や所有格といったものの省略による「うん?」というもの。能力不足というよりも集中力不足かな?
もしこの本を読んでみようかな?と思ったり、トルコという国に興味をもったなら、世界地図を横に置いて地政学的な感覚を持って読んでみると面白いかも。エルトゥールル号の件だけではなく、日本とトルコの小国としての親近感を味わうことができる。キーワードは「ロシア」という大国。トルコとロシアの関係・・・というか、現代のウクライナも然りだけど、ロシアの「南」に対する渇望と、それを実現するための言いがかり・難癖のつけ方は今も昔も変わらないのだなぁと知ることができる。疑心暗鬼になって煽るつもりはないけれど、大国が領土拡大をする際のケチのつけ方は知っておく&それに対する対応を考えておく必要、あるかもしれないね。あまりに露骨にはできないかもだけど、小国同士の連携などもめっちゃ重要かもと思ってしまった。
この本を読み進める間も、自分の現実世界ではトルコの方達とのやりとりが進んでいて。本の中に登場する地域名や歴史上の出来事が、現実に登場しているという、なんとも素敵なシンクロが起きているのは、とても幸せなことだね。
ちなみに著者の秋月達郎さんとは同じ半田高校卒業ということのようで。今年の夏に全体の同窓生総会があるそうで、そこで司会を担当しているのだけど、お会いすること、できたら嬉しいなぁ。