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私のおつむでは、理解不能。
そして、読後感が悪かった。つらぁ
でも、100%面白くなかったわけでもなかったかね
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酷く暴力的で鬱蒼としているそんな風景が、空間がどこまでも広がっている。
対峙するのは阿鼻叫喚、殺戮が広がる場所だ。
それなのに、その文体はどこまでも緻密で繊細でさえある。
希望などどこにもないような世界で、罪を背負いながら生き続ける主人公の心情が不安定に揺れ動き続けているからこそ、アンバランスさが際立ちそこに繊細さが生まれるのかもしれない。
バイオレンス且つスプラッタに塗れていながら、非常にデリケートでナイーブでも同時にある奥深い作品だと感じた。
------------以下ネタバレ------------
常に付き纏うのは「罪の意識」そして、「誰の意思なのか」という概念。
主人公は最終的に罰せられることを望みながら、滅ぼす側に回った。
それは本当に彼の意思だったのか。
誘導されてるのではないか。
虐殺器官について、詳しくは明かされなかったが、その存在感だけは圧倒的で。
仔細を明かさなかったからこそ、うまく「オチ」た気がする。
最後の主人公のいっそ希望に満ちている気がしてそこの描写がもう少しあってもよかったのでは、と思うが全体的に満足度は高かった。
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映画化するということなので重い腰をあげて購入。
高校生の頃、全く不謹慎な話だが、戦争というものは、実は、人間の総量調整をして自然界のバランスを保つために必然的に起こる営みで、いわば自然の自浄作用のようなものなのではないかと思ったことがある。この本を読んでいて、そんなこと考えていたなと思い出した。
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面白かった。
ハーモニーへの繋がりがわかった
ちょっとだけ、後味が悪くて
でも、なんだかスッキリ。
もう一度、読みたくなる
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面白くないわけじゃないんだけど、基本的に描写が劇場的というか、リアルな出来事をモチーフにした世界観なのに、肝心の戦争描写がリアリティとはかけ離れたところにあったのが、個人的には少し受け入れなかった。というか、そこがちょっと惜しいなと。
無駄に横文字的な造語を多用するのは、SFだからというのはあれ、人によっては好みが分かれそう。率直に言って少しやり過ぎかな、という印象を持ちました。
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アニメ映画の方は、制作会社の倒産で大変なことになってるようですね。何気に未読だったんで読んだが、期待が大きすぎたパターンかも。世界観や話の筋は楽しめたけど、プラスαの部分がなかったんだよなぁ。例えば、高野さんのジェノサイドの読後感みたいなものがあればいいなぁ、と思うのは欲張りすぎなのか?
消化不良なのは、たぶんエピローグで示される母親の異様な視線の意味合いがよく分からなかったからだと思う。誰か分かる人に解説して欲しい...。
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ラノベみたいに読める、と聞いていましたが、確かにそんな感じでしたね。個人的に理屈っぽい言い回しとか(この本の場合はそこが重要か)が好きなので、さらりと読み終わりました。オチはまあ、うん。
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早逝のSF作家伊藤計劃のデビュー作。言葉だけで虐殺を引き起こすことのできる男を追う米軍特殊部隊の男の物語。内容はシリアスだが、ところどころにモンティパイソンネタが入ってて笑えた。また、「頭文字D」ネタもあった。読んでて、ちょっと「オール・ユー・ニード・イズ・キル」を思い出した。著者の作品は共作を入れてもあと、3作くらいしかないらしいが、誠に残念である。
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タイトルはそういう事だったのか。哲学的で救いのない雰囲気が独特で面白い作品。深夜にしていたアニメ・サイコパスの途中CMで目にして気になり読んでみました。雰囲気がサイコパスに似ていて好きかも。でも結末が…うーん!理解できるが納得しきれない(笑)2015.10.18読了
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伊藤計劃project第三作として公開予定、故伊藤計劃氏がその名を轟かすきっかけとなった第一長篇(中篇?)です。
劇場化が決定してから「屍者の帝国」→「harmony/」→「虐殺器官」と、公開順に目を通してきましたが、これで後は劇場版を待つだけ!と身構えてしまうには、あまりに惜しいだけの魅力が各作品にはあった、と断言できます。
本業の方や、自分の数十倍も本を読み込んでいるレビュアーの方のようなしっかりした感想は推敲できませんが、『自由』『意識』『民族紛争』という各テーマを織り込んだ本作が、皆を惹き付ける明確な魅力を持つ所以は、各方面で書かれているように、伊藤計劃という人は「どこまでも今現在、この世界のことに思索を巡らせた一つの結果」としてこの本を完成させている、ということに尽きるのかなと思います。
どこまでも緻密に、綿密に、過去でも未来でもない現在の事を考えることによって、2015年現在より少し未来の時間軸である世界を、明確に力強く描写する。
世界観を引き継いでいる「harmony/」にも同様のものを感じることが出来ますが、その点において伊藤計劃氏は絶大な表現力を忌憚なく発揮しています。
実際に『自由』の意味を感じにくい世界がどんどん広がっていることを思うと、遠からず本作のような時代は訪れるのでは?なんてことを考えてしまいました。
『自由』を考えさせてくれたことに感謝の念を、今後新たな伊藤計劃作品を読めないことに対する寂しさを、個人に追悼の念を感じながら、三作を読み通しての総括を締めたいと思います。
本当に、早すぎる死でした。
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こういったSFははじめてよみました。
タイトルでぐいっと惹かれてしまったけれど、読む手もとまらなかった。
おそろしいけれど、ありえる近未来。
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ぶはぁ、読んだ。と言うのが第一の感想。
テレビで劇場アニメのCMをやり始めてから興味が出て買ったはいいけど、しばらく積読状態だったのを、やっと手をつけた。
作中の状況が即現実社会の状況ではないけれど、自分が「見たいものしか見ていない」ことや「目を逸らしていること」にどう対峙するのか、と言うのを問われているような気がする。
そして、最後に主人公の行動を見て、そう言う方向に行くのか、と思った。
現在公開が延期になった状態だけれど、これがアニメでどう動くのか、凄く観てみたいので公開されるといいな……
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【備考】
新版には対談記事が追加収録されていますが、それ以外に旧版との内容の違いはありません。ただし、その対談記事は既に『伊藤計劃記録II』に掲載されたものと同じです。
したがって旧版と『記録II』を持っている人には表紙カバー以外に新しい価値がありません。
旧版のレビューは下記URLにあります。
http://booklog.jp/users/70x20/archives/1/4150309841
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これがデビュー作だけど、読んでまずこの作者の新作がもう読めない、ことがとっても悔しくなりました。
主人公は米軍の大尉。
舞台は近未来だけど、紛争や内戦が絶えない世界が描かれていて、いまの世界情勢にもつながっています。
SFはあまりわからないので、ここに出てくる技術がすでに他の作品に出てくるアイディアの踏襲なのかどうかとかは判断つかないんですが、すくなくとも自分は見たことないような装置が色々でてくるのも面白かった。
とくに肉でできた侵入鞘とか、ちょっとぎょっとする。
(でもこの人工筋肉っていう技術は後半物語の核心部分で言及されてて、じつは装置として以上の意味があったりする)
例え話に実在の作家や映画などの固有名詞がよく出てきて、それを知らないとピンと来なかったりするので、ちょっと読者は選ぶかもしれない。
作者と同じくらいの知識があればもっと楽しめるんだろうなあ。
戦闘場面とかはスピーディでハリウッド映画的な面白さもあるんだけど、思春期抜けきらないような内省的な主人公なので、全体的にはなんだかこう、文学的な暗さがあって、そのあたりが好みでした。
ド文系女子の自分は、そゆのがなかったら最後まで読めなかったかも。
絶望や死や世界の終わりが描かれているので、笑いやパロディの入り込む余地がほとんどない。
ハッピーエンドではないけど、読み終わったあとに気持ち悪さが残らないのは、そこに至るまでの過程に説得力があるからかと。
この主人公がこの世界でこういう物語に巻き込まれると、もう必然としてその結末に至ってしまうんだな、と納得させられてしまっている。
それって文学としては成功してるってことなんだよね、きっと。
しかしサラエボ…。あああ。
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歴史に類を見ぬ虐殺が貧困国で相次いで起こる近未来。各地では常に一人の謎の男の陰が付きまとう。彼の目的は何か、追う主人公の米軍大尉。パリ連続テロ事件が起きたばかりの今、この本が示唆している未来とのあまりの符合に嫌気が差す。こういう世の中になってきたからこその人気か。若干回りくどい翻訳物を読んでいるような印象を受けたが、物語の核となるコンセプトには興味深いものがあった。もう少しこの核に肉付けが欲しかった。