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新装版が出るのがやけに早いと思ったら、『ハーモニー』とともにアニメ化が予定されているらしい。カバーのデザインは旧版の方が好みだなぁ。
改めて読んでみると、大森望の解説にも引用されているが、佐藤亜紀のblogにある『繊細さ』という評が正しいというのがよく解る。
主人公の一人称は非常にナイーブで、人を殺すシーンが淡々と描かれているのが逆に残虐さを増している。ラストはこれしかない、という結末。
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新装版で再読。映画化するということで商業的に展開しているらしいが、この作品のとんでもないグロな部分ととんでもなく繊細な部分が映像として成立するのかは正直、疑問。それにしても惜しい作者を無くしたとは思う。
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大胆かつ繊細な構想と描写。そして凄い筆力。ぐいぐい引き込まれてしまった。一人称というのもかなり効いてると思う。久しぶりに素晴らしい日本のSF小説に出会った。何回読み直すことになるのやら。
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攻殻機動隊とかが好きな人にはハマるはず。
ハリウッド映画の題材にもなりそう。
SFが好きでないと眠たくなるとこもある。
電車じゃなく家でジックリ読みたい話。
ラストも好きだ。
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世界各地で異常発生する紛争と虐殺行為。現地には必ず一人のアメリカ人の存在があった。「ジョン・ポール」の追跡・暗殺のミッションを追う特殊部隊員が主人公。
粗筋と新装版の装丁から、ハリウッドよろしくのアクションサスペンスを想像しましたが、とんでもない。静謐な文章で哲学的あるいは内面的なテーマが敷かれる絵画みたいな作品でした。魅力的な言い回し、飲み込まれるような論理戦、染み込むように入ってくることばの数々。言葉に関心の強い主体の思考回路と、死者の国を通して語られる人間、地獄、神、罪、殺戮についての定義も興味深くて読み進むのが楽しい。
後半の展開は予想外であり、それでよかったともおもう。欠けた状態こそにリアルを感じさせる仮想現実世界と、そこで交わされる思慮深いことばたち。おもいのほか大好きなテイストで大変おもしろかった。指摘されているとおり、虐殺器官の核心、詳細なメソッドは読者に理解できる形で明かされることはなく確かに物足りなさは否めない、というか、そこで「あ、そうかこれはフィクションだったか」と我にかえる部分もあったかな。でもその足りなさも淡々とした空気感にマッチしてそういう作品なのだとおもわせる。知りたかったというのは大いにあるけど、むしろそこまで画けていたとしたら高みすぎてぞっとしたとおもう。これだけの世界観、社会を人を見つめる知的で冷徹な目線がアウトプットされただけでも満足度高い作品。いまは亡き著者の人となりと創作活動、闘病歴について触れられた後書きも読めてよかった。この方の貴重な作品は、手に取れる限り読んでみよう。
ちなみにアニメ化される前にとあわてて、はじめて手に取った作品でしたが、個人的には新装文庫表紙に人物像が描かれているのすら残念なくらい、文章で追うのが一番魅力的な作品なのではと思いました。(大変素敵な絵ですが!)映像化は作る側も観る側もかなり冒険になりそう。
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買った後に以前から読みたいなと思っていた伊藤計劃さんの本だとわかりグングンと読んでしまった。
SFサスペンスや近未来、という感じよりはほんの少し先の未来という感じがして馴染みやすく設定したのかな?と。
それでも世界は窮屈に息ぐるしい様で、そこで展開されるストーリーは恐怖というよりは単純に面白かった。
劇場アニメ化される様だが、ハリウッドに映画化してもらうのも良いと思う。
その代わりSFアクション・サスペンスというディテールを前面に押し出したハイクオリティの映画になり、物語の根本などは硝煙の匂いと共にかき消されるだろう。
ドミノピザとハイネケンをお供にブラックホークダウンを観たくなる。
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内容的には面白いが、哲学的な内容が頭に入って来なくて、ちょっと読みづらかったかなと...
読み終わるまで、結構時間がかかってしまった。
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なんだか、すぐに満腹感に襲われる本でした。
描写はすごくリアルでした、その変なリアルさのせいで余計に満腹感を感じたのでしょうか。
話の内容は、「虐殺の言語」について。
なんていうか、描写はすごいよかったのですが肝心の内容についての表現などはちょっと薄いように感じられました。
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世界で勃発している内戦、虐殺に関わっている一人の男。その男は何者か?そしてどのように虐殺を起こしているのか?ということを読み進めながら追っていく感じです。世界への人々の無関心とか、虐殺を生む方法などはそうきたか…とおもしろかったのだけど、ラストがやけっぱちにすぎないのでは、という気がしてそこがあまりしっくりこない。
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緻密な設定と臭いが漂ってくるほどのリアルでグロテスクな描写で、読者を存在したかもしれない近未来のディストピア?へ引き込む。平和の為に虐殺を操る者とその虐殺を止める為に殺しを行う者。どちらが正しいのかわからない。なんの為に殺し合わせ、殺し、その事実や罪をどのように背負い折り合いを付け、生きるのか。もしくは死ぬのか。
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The best way of counterterrorism is to precipitate them into a civil wars or racial conflicts.
It is the second time for me to read this book.
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34歳の若さで夭折した著者・伊藤計劃のデビュー作にしてゼロ年代SFの金字塔。という評価から読もう読もうと思いつつようやく手に取ることができました。物語は9.11以降の近未来。先進諸国ではテロが一掃され、代わりに後進国で内戦や大規模虐殺が急激に増加する中で、世界の混乱の影に暗躍する謎の男を追いかける主人公・米軍大尉クラヴィスの内面を描いとります。作中を色濃く漂う厭世観と緻密な描写力と語彙力と…とにかく筆力がとんでもないレベル。SFという体裁をとりながら、現在の人間と世界が抱える問題に真っ向から描く力量に感嘆すると同時に、あまりに短すぎた作家人生が惜しまれます。マジで。
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なーんか言葉が難しくて読むのに疲れる??!
全く映像が浮かんでこない!!!
軍事オタクなら分かるのかな??
内容は結構良いのにもったいない!
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映画化するということで。
難しかった。
それでも、すごくおもしろかった。
どういう世界なのかいまいち想像できないので、うまい具合に入り込むことができなかったけれど。
それでも、こまめな区切りありで、読みやすかったとも思う。
映画見て、また読みたいっす。
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9.11以降の世界の平和と虐殺を巡って、ある男が歌をうたっていた。クラヴィス・シェパード大尉は暗殺部隊の一員として、霧のように掴めない標的に臨む。
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先輩が何度もおススメしていた+劇場アニメ化=読んで見るかーと思ひ立ち、さっさと読みました。たしかに装飾に満ち満ちた小説ですね。けっこう好きな雰囲気です。
ただ、虐殺の言語の正体や最後の速いテンポがちょっと物足りなく感じてしまいました。完全に個人の嗜好による感覚なのですが……。
実は、この本がハードカバーで文字だけの表紙の時に出会っておりまして、ずっと気になっていたものの、読まないで来たんです。だから、作者の伊藤計劃さんの名前の方がタイトルだと勘違いしていまして……『伊藤さんたちが全世界伊藤化計画を行うのかなー』などと考えておりました……申し訳ない。
それにしても、インパクトのあるタイトルですよね(開き直り)! あらためて『虐殺器官』だけを取り出すと、『なんだなんだ、未確認生命体かなにかか?』と安っぽい想像が膨らみます。
全体的に言えば、充分面白かったものの、期待しすぎたのか、拍子抜けの部分もありました。どちらかといえば切ない系が好きなので、爽快な雰囲気に親しめなかったというのもあるのでしょうが。
しかし、印象的な言葉がたくさん散りばめられていて、楽しいです。「地獄は頭の中にある」とか。そういう楽しみ方をしてもいいのではないでしょうか?