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(honto.jpにて2016/05/17 21:51に投稿した自分のレビューを転載)
原作は一作目?の『怪盗紳士ルパン』しか読んだことがなく、奇巌城は本作で初めて触れます。
原作未読でもこのシリーズ名は折りに触れ見聞きしたことがあるほど有名だという期待と先入観もあってか、
冒頭からただならぬ雰囲気を感じます。
そして初登場の探偵役・ボートルレくん、
この「アバンチュリエ」自体は「最近」の漫画である、つまりある程度(?)「現代的」な漫画的演出をしているとしても、
100年前にこんな「少年漫画的」なキャラクターが創作されていたというのは
浅学ゆえ新鮮な驚きでした。
というよりは、森田先生ご自身が後書きで熱く語ってらっしゃる通り、
ボートルレくん達が今の様々なキャラクターの原型となっていったんでしょうけども。
それにしても元々ルパンは変装の名人だったり、
そもそものジャンルの性質からして話が始まっても(素顔の)主人公がなかなか姿を現さないことがままある作品ですが、
単行本一冊分まるごと、主人公が他の人物の回想や想像以外でしかほとんどコマに現れない漫画というのもかなり稀有ではないでしょうか(笑
しかし、パトロンが不在でも、或いはだからこそ、
部下たちの働きにパトロンへの畏敬の念が感じられ、
ボートルレくんは健気なんだけどルパン負けるな!とやっぱり(?)主人公を応援したくなってしまいます。
ルパンが死ぬわけはないとは判っていても気になる続き方で、
翌日には4巻買っちゃいました。